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イネいもち病

イネいもち病

葉いもち

イネいもち病

穂いもち

病  原
糸状菌(子のう菌類に属するかびで、イネ科植物に寄生)
多発時期
苗いもち:育苗後期、葉いもち:6〜8月、穂いもち:8〜10月
病  徴
根以外の各部を侵し、褐色や灰白色の斑点や病斑を形成する。侵される部位により、葉いもち、穂いもちに大別され、穂いもちはさらに首いもち、枝梗いもち、節いもち、籾いもちなどに分類される。苗に発生する葉いもちは、苗いもちとも呼ばれる。
伝  染
保菌種子、被害わらが伝染源となり、種子伝染、空気伝染する。
防  除
  1. 抵抗性品種を栽培する。
  2. 健全な種子を用いる。
  3. 塩水選を行い、重度罹病もみを除く。
  4. 登録のある農薬で種子消毒を行う。
  5. 適正な育苗管理を行う。
  6. 登録のある農薬により育苗箱施薬を行う。
  7. 本田では発病前または発病初期に登録のある農薬を散布する。
イネ紋枯病

イネ紋枯病

病  原
糸状菌(担子菌類に属するかびで、イネ科植物、カヤツリグサ科植物に寄生)
多発時期
7〜8月(早期、早植栽培で多い)
病  徴
水面に近い葉鞘から橙色、不鮮明な病斑ができはじめ、のちに周縁が緑褐色ないし褐色でやや水浸状、中央部は灰緑色ないし灰白色楕円形の病斑となる。病斑は下位葉から次第に上位葉にも形成され、みごや穂軸に及ぶと穂が枯死する。古い病斑には淡褐色の菌核ができる。
伝  染
前年被害株に形成された菌核が伝染原となり、これが水によって運ばれイネの葉鞘部から侵入する。
防  除
  1. 窒素の過用を避け過繁茂にならないようにする。
  2. 密植しない。
  3. 登録のある農薬により育苗箱施薬を行う。
  4. 幼穂形成期から穂ばらみ期に1〜2回登録のある農薬を散布する。
イネばか苗病

イネばか苗病

病  原
糸状菌(子のう菌類に属するかびで、イネのみに寄生)
多発時期
育苗期。本田では分げつ盛期。
病  徴
第2本葉展開ころから苗が徒長する。罹病苗を抜き取ると、苗基部やもみの周辺に紫紅色の菌が着生している。保菌苗を本田に移植すると、移植後2週間〜1か月程度で草丈が高くなり、黄緑色でほとんど分げつしない。その後症状が重いものは、枯死する。
伝  染
重要な第一次伝染源は汚染種子であり、種子伝染する。また、浸種・催芽中に保菌もみから健全もみに伝染するとともに、育苗箱中では土壌を介して保菌もみから健全もみに伝染する。被害残渣からは分生子が飛散して、もみに感染する。
防  除
  1. 無病種子を用いる。
  2. 塩水選を必ず行う。
  3. 種子の温湯消毒。
  4. 登録農薬により種子消毒を行う。
  5. 発病苗は見つけ次第抜き取る。
  6. 本ぽでの発病枯死株は、出穂2週間前までに抜き取り、処分する。

(写真:愛知農総試提供)

イネもみ枯細菌病

イネもみ枯細菌病

イネもみ枯細菌病

病  原
細菌(イネのみを侵す。)
多発時期
苗腐敗症は催芽〜緑化期の高温(32〜35℃)と過湿、もみ枯れは出穂期ごろの最低気温が24℃以上で高温多湿の条件。
病  徴
苗の発病:出芽時の感染では、幼芽は褐変、わん曲し、葉身は展開することなく腐敗・枯死する。苗齢が進んで感染した苗は、葉鞘が褐変し、腐敗・枯死し、時には白く退色して異常伸長する症状も見られる。葉鞘が褐変した苗の芯葉を引くと、基部あるいは腐敗部から容易に抜ける。坪枯れ状に発生する。穂の発病:乳熟期ころから発生し、はじめもみの着生部から先端に向かって蒼白色に乾燥し、のちに汚灰色〜汚い淡黄褐色となる。枝梗や穂軸は緑色のままであることと玄米着生部の鱗皮(穎の開閉をつかさどる)が紫褐色となっているのが特徴。重症の穂では大部分が不稔となるため、直立したままとなる(写真左)。玄米は、白色〜淡褐色に変色し、しばしば健全部と病変部の境界に淡褐色〜褐色の条斑が帯を巻いたように現れる(写真右)。
伝  染
第一次伝染は汚染もみによる種子伝染と、被害わらやもみ殻からの本田イネへの感染。第二次伝染は、保菌苗が本田に植えられたり、本田で感染したイネの茎基部や葉鞘部で増殖した病原菌が伝染源となり、開花期に水滴とともにもみに感染する。
防  除
  1. 無病種子を用いる。
  2. 塩水選を必ず行う。
  3. 登録のある農薬で種子消毒を行う。
  4. 種子の温湯消毒(60℃10分間)。
  5. 登録のある農薬を育苗箱処理する。
  6. 床土のpHを4.5〜5.0とし、過湿をを避け催芽時の温度を高くしない。
  7. 発病の見られる育苗箱は全株廃棄する。
  8. 本田では、主に出穂期に登録のある農薬を散布する。

(写真:愛知農総試提供)

イネ苗立枯細菌病

イネ苗立枯細菌病

病  原
細菌(イネのみを侵す。)
多発時期
育苗期(感染は浸種時からは種4日後まで)
病  徴
まず第2葉の葉身基部および葉鞘の黄白化症状がみられ、次第にそこから萎凋し赤褐色となって枯死するが、もみ枯細菌病のように苗が腐敗することはない。根の生育は著しく悪い。
伝  染
罹病種子が伝染源となり種子伝染する。病原細菌は罹病苗の葉鞘部と育苗土に存在し、菌密度は移植後には低下するが、株元で生息しており、出穂期のもみに感染する。
防  除
  1. 無病種子を用いる(塩水選では保菌もみを除去できない)。
  2. 登録のある農薬で種子消毒を行う。
  3. 催芽から育苗期間中、30℃以上にならないように温度管理に注意する。
  4. 発病の見られる育苗箱は全株廃棄する。
イネ白葉枯病

イネ白葉枯病

病  原
細菌(イネのみを侵す)
多発時期
温度23〜27℃で多湿。強風を伴う大雨後や冠水したとき 。
病  徴
葉先に近い葉縁が黄緑色・浸潤状になり、これが基部方向に拡大して葉脈に沿った細長い波形の黄色病斑となり、さらに白色に変化する。発病葉では早朝、葉の縁に濁った露が見られ、乾燥すると黄褐色の塊となる。急性の症状としては、青白色の水浸状の大きな病斑を作り、葉が脱水症状となって巻きあがり、萎凋症状となる。
伝  染
イネ被害残渣(切り株)、他の植物(サヤヌカグサ、マコモ)の根圏土壌および地下茎上の病原細菌が伝染源となり、水媒伝染する。第二次伝染は、発病葉から溢出した病原細菌が風雨によって飛散したり接触によって上位葉や隣接株に感染することにより起こる。
防  除
  1. 耐病性品種を選ぶ。
  2. 第一次伝染源のサヤヌカグサを掘り取って処分する。
  3. 被害わら及び切り株は早めに耕起して埋没する。
  4. 窒素過多にならないように施肥基準を守る。
  5. 朝夕、露のあるうちに発病田に入らない。
  6. 発病が認められた場合はただちに登録のある農薬を散布して防除する。
  7. 出穂後の防除はできるだけ早く行う。
  8. 台風や集中豪雨または浸冠水にあった場合はその直後に散布する。
イネごま葉枯病

イネごま葉枯病

病  原
糸状菌(子のう菌類に属するかびで、イネのみを侵す。)
多発時期
最高分げつ期以降、特に穂ばらみ期以降〜収穫期。
病  徴
葉に黒褐色で楕円形の斑点ができ、周辺に黄色のカサができる。秋落ち田では病斑は拡大し、黒褐色から灰褐色でとなってや不鮮明な同心円状の輪紋のある丸みを帯びた病斑になる。もみには周辺部不鮮明で暗褐色(中央部灰白色)の病斑ができる。節に発病すると、黒褐色の斑点ができるが、いもち病のように折れることはない。激発すると枯れ上がったり穂枯を起こす。
伝  染
被害わらあるいは被害もみの菌糸や分生子が第一次伝染源。罹病もみを播くと、高温・多湿条件の育苗箱で容易に種子伝染する。下位葉の病斑上に形成された分生子は第二次伝染源となり、風媒伝染により上位葉や穂に感染する。
防  除
  1. 登録のある農薬で種子消毒を行う。
  2. 秋落ち水田や老朽化水田では、客土するか冬季にケイ酸資材や含鉄資材を施用する。
  3. 出穂直前から傾穂期にいもち病との同時防除をねらった薬剤散布を行う。
イネ稲こうじ病

イネ稲こうじ病

病  原
糸状菌(子のう菌類に属するかびで、寄主植物は国内ではイネのみ)
多発時期
出穂後
病  徴
乳熟期ころから、内外穎の隙間から緑黄色の小さな肉塊状の突起が現れ、次第に大きくなってもみを包むようになり、成熟すると濃緑色ないし緑黒色となって、被膜が破れ表面は粉状となる(厚膜胞子の形成)。収穫時ごろになると、このかたまりの上に黒色の不正形の菌核が形成される。
伝  染
詳細な生態は未解明であるが、最近の研究から第一次伝染源は菌核や病もみに付着した厚膜胞子で、子のう胞子や分生子を形成して主にイネの根から侵入すると推測されている。侵入した菌糸が生長点に進展し幼穗に至ると、葉鞘内で分生子を形成し、外穎表面に沈着後に菌糸で覆い、外穎と内穎の咬合部先端の隙間から侵入する。この時期、分生子の飛散による感染も起こる。侵入した菌糸が花器に至るとそれを取り巻くようにまん延して病粒を形成する。
防  除
  1. 健全種子を用いる。
  2. 施肥を適切にし、窒素過多や窒素の遅効にならないように注意する。
  3. 出穂10〜20日前に登録のある農薬を散布する。
コムギ赤かび病

No Image

病  原
糸状菌(子のう菌類に属するかびで、イネ科植物、ダイズ、カーネーションを侵す。)
多発時期
開花期〜乳熟期
病  徴
乳熟期ころから穂に発生し、穂の一部または全部を褐変枯死させる。病斑部には桃色のかびがみられ、のちに黒色の小粒(子のう殻)を生ずる。そのほか茎、葉身、幼苗などにも発生する。病原菌はカビ毒を産生し、被害粒を食用、飼料にすると中毒症状を起こすことがある。
伝  染
被害残渣、イネ科植物の残渣(稲わら、イネ刈株、被害茎葉)、種子が伝染源となり、土壌、種子、風媒(子のう胞子、分生子の飛散)伝染する。
防  除
  1. 耐病性程度の高い品種を選ぶ(やや強:農林61号)。
  2. 品種により熟期の分散を図る。
  3. 健全種子を使用する。
  4. 窒素肥料を過用しない。
  5. 出穂期から開花最盛期に1〜2回登録のある農薬を散布する。乳熟期の天候によっては追加散布する。
コムギ赤さび病

コムギ赤さび病

病  原
糸状菌(担子菌類に属するかびで、コムギのみを侵す。)
多発時期
生育後期〜成熟期
病  徴
葉身を主体に葉鞘、稈に発病する。はじめ葉身の表面に赤褐色、楕円形の盛り上がった病斑(夏胞子層)を散生、夏胞子層の表面が破れ中から淡褐色の粉末(夏胞子)が飛散する。成熟期近くになると夏胞子層の周辺部の表皮下に暗黒色でやや盛り上がった長楕円形の病斑(冬胞子層)が形成される。冬胞子層の表皮は破れることがない。 秋播コムギでは秋季に発生して越冬、早春(4月末〜5月上旬)より再び発病し、止葉抽出ころから病勢が激しくなる。
伝  染
こぼれムギ、アキカラマツ葉上のさび胞子が伝染源となり、風媒伝染する。
防  除
  1. 収穫後こぼれムギやひこばえの発生を抑制し、本菌の秋季発生源を断ち切る。
  2. 窒素肥料の多施用を避け、リン酸やカリ肥料を十分に施用する。
  3. 秋季の極端な早播きは避け、適期播種に努める。
  4. 出穂初期から1〜2回登録のある農薬を散布する。
ダイズ紫斑病

No Image

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかびで、ダイズのほかにアズキ、インゲンを侵す。)
多発時期
子葉展開期〜単葉展開期は子葉の発生が主体、8月下旬〜収穫時は葉、茎、莢、子実に発生。被害の主体となる子実の多発期は収穫適期前10日以降。
病  徴
子葉や胚軸では、赤褐色雲紋状の斑点が現れる。葉では、中肋や支脈に沿って紫褐色の小斑点ができる。茎、葉柄には紡錘形に近い病斑を生じ、茎を取り巻くように発達する。莢の病斑は、最初円形または不整形、直径2mm程度の紫褐色〜紫黒色の斑点で、莢が黄化するころから急速に拡大する。種子にはへそを中心に紫色の斑紋を生じ、著しい場合には種皮全体が黒紫色になって亀裂が発生する。
伝  染
第一次伝染は種子伝染と風を伴う雨滴による被害残渣からの胞子の飛散。子葉の病斑は有力な第二次伝染源。
防  除
  1. 罹病種子を取り除き、登録のある農薬で種子消毒を行う。
  2. 発病の多いほ場ではダイズを連作しない。
  3. 開花15〜50日後ごろまでに、登録のある農薬を散布して、莢の感染を防ぐ。
  4. 収穫は適期に行い、速やかに乾燥、脱粒する。
  5. 被害茎葉や莢は伝染源とならないよう処分する。