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病害虫図鑑

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コブノメイガ

コブノメイガ

発生時期
本県では越冬できず、7月に九州南部や海外から飛来する。
特  徴
イネの葉を左右から縦に折り曲げ筒状に綴り、その中で葉を食害する。被害は7月から9月頃まで見られ8月中旬頃特に多い。
イネアオムシ(フタオビコヤガ幼虫)

イネアオムシ(フタオビコヤガ幼虫)

イネアオムシ(フタオビコヤガ幼虫)

発生時期
成虫は4月下旬ころから現れ、年4〜5回発生する。幼虫の加害は6〜8月に多い。
特  徴
成虫は体長約10mm、黄〜黄褐色のガで前翅に褐色の2本の斜めの縞模様がある。幼虫は緑色で、シャクトリ状に歩き(写真左)、成熟すると体長20〜22mmになる。1〜2齢期は葉の表面をかじるため、葉身がかすり状になる。3齢以降になると葉縁から食害し、階段状の食痕となる(写真右)。蛹で越冬する。
ニカメイガ

ニカメイガ

ニカメイガ

発生時期
5月中旬ころから羽化し、通常年2回発生。被害は6月下旬〜7月および8月〜刈り取りの期間が多い。
特  徴
成虫の開長は♀35mm、♂19mmで、灰白色(写真左)。幼虫は黄褐色で、褐色の縦縞があり、老齢幼虫は約25mm程度に達する。卵は数十個かためて産み付けられ、幼虫ははじめ葉鞘内側に集団で生息、その後分散して茎内に食入する(写真右)。第1世代幼虫により加害されたイネは、葉が折れて垂れ下がったり(流れ葉)、鞘枯れから心枯れ茎となることが多い。特に第2世代幼虫による被害が大きく、白穂となったり坪枯れ症状を呈することもある。

(写真左:愛知農総試提供)

トビイロウンカ

トビイロウンカ

発生時期
6〜7月に海外から飛来する。8月から9月に短翅型が急激な密度上昇を起こし、9月に被害が発生する。
特  徴
体長♂4mm、♀4.8mmで全体が脂ぎった褐色。密度が高まった部分が、出穂期から登熟期にかけて、数十株から数百株がまとまって不規則な円形に倒伏(坪枯れ)し、減収、品質低下を引き起こす。
セジロウンカ

セジロウンカ

セジロウンカ

発生時期
6月中旬〜7月中旬の梅雨期にジェット気流に乗って中国南部から飛来、水田で増殖して7月下旬〜8月上旬に多くなる(幼虫)。
特  徴
成虫(写真左)の体長♀4.5mm、♂4mm、体色は灰褐色〜黒褐色で、胸部背面に白斑があり、特に♂で目立つ。♀は♂よりややずんぐりしており、ヒメトビウンカに似るが、大型。短翅型(♀のみ;写真右)は7月末から8月に出現し、全体はほとんど真白。幼虫は長い菱型で、白地に黒ないし灰褐色の雲型紋があり(ほとんど白地のままのものから黒化したものまで変異が大きい) 、水面に払い落とすと、後脚を真横に水平に伸ばす。吸汁害により、下葉から黄化、8月上中旬に分げつ後期〜穂ばらみ期のイネの下葉から黄褐色に枯れはじめる。ふつう、円形の坪枯れにはならず、不定形で、田の一方にかたよったり、全面にうすく広がったりする。

(写真:愛知農総試提供)

ヒメトビウンカ

ヒメトビウンカ

発生時期
周年国内に生息しており、越冬した休眠幼虫は3月下旬〜4月に羽化し、コムギやオオムギ畑に移動またはそのまま雑草地で生活する。5月中旬〜6月にムギが登熟するころ密度が最も高くなり、盛んに飛び立ち水田に飛来する。近年、海外からの飛来も確認されている。
特  徴
成虫の体長3.5mm、胸部背面は♂黒色、♀褐色で、セジロウンカに似るが、小型。短翅型は♀では年中、♂では越冬明けの羽化成虫に多い。幼虫は、夏の間は淡黄色〜橙黄色、秋〜春は褐色ないし黒色。水面に落とすと後脚をハの字に開く。

(写真:愛知農総試提供)

ツマグロヨコバイ

ツマグロヨコバイ

発生時期
年5回程度発生し、8〜9月ごろに多い。
特  徴
4齢幼虫がイネ科雑草の中で越冬し、越冬後は5齢幼虫を経て4〜5月に羽化、水田に飛来して産卵する。卵はバナナ状で、葉鞘組織内に14〜15粒ずつ並べて産みつけられる。吸汁による直接的な被害とイネ萎縮病や黄萎病媒介の被害がある。
クモヘリカメムシ

クモヘリカメムシ

発生時期
7月から9月に多発。
特  徴
体長16mm前後。黄緑色の細長い形をしており、翅は褐色。通常年2世代。針葉林の下草等で成虫態で越冬し、越冬後は越冬地や周辺のエノコログサ等のイネ科植物で繁殖、イネが出穂するころから水田に飛来、穂を吸汁加害するとともに繁殖する。山間地や山ろくの水田で多発する。
イネカメムシ

イネカメムシ

発生時期
イネ出穂期
特  徴
体長は12〜13mm。年1世代。越冬成虫はイネ科雑草で生活し、イネが出穂すると水田に移動してくる。産卵盛期は8月上旬。主に夜間に活動する。毎年決まって発生することはなく、突発的に発生する。斑点米の原因となる。
トゲシラホシカメムシ

トゲシラホシカメムシ

発生時期
イネの出穂期以降収穫期まで
特  徴
体長は4.5〜6mm。年2世代。越冬成虫は、4〜5月から活動し、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、クローバ、オオバコ、ヨモギなどで生活し繁殖、7月に第2回成虫が出現する。7月下旬以降にイネが出穂すると水田に侵入し吸穂する。9月には第3回成虫が出現し、その後越冬地に移動する。畦畔や通路が雑草が繁茂しているほ場で発生が多い。水田への侵入は主に歩行によるので、畦畔沿いでの発生が多い。斑点米の原因となる。
ホソハリカメムシ

ホソハリカメムシ

発生時期
イネの出穂期以降収穫期まで
特  徴
体長9〜11mm。年2世代。越冬成虫は、4月頃から活動し、スズメノカタビラやスズメノテッポウ、カズノコグサ、ヒエ類、タデ類、ハルジオン、ヒメジョオン、ムギなどに寄生、その後イネが出穂すると水田に飛来する。水田に侵入しても周辺の数条にとどまることが多い。斑点米の原因となる。
クロアシホソナガカメムシ

クロアシホソナガカメムシ

発生時期
出穂期以降(特に登熟初期〜中期)
特  徴
体長7.5mm。年2〜3世代(推測)。越冬後、チガヤやヒエの群生地に飛来、繁殖し、その後イネの出穂期に水田に移動する。知多半島、渥美半島、三河湾沿いなど海岸線に沿った地域で発生が多い。もみ殻を貫通して吸汁できないので、内外頴の隙間等から吸住していると考えられる。斑点米の原因となる。
アカスジカスミカメ

アカスジカスミカメ

発生時期
出穂期以降収穫期まで
特  徴
体長5〜7mm。年4〜5回程度発生。イタリアンライグラス等イネ科植物の穂に産下された卵で越冬。越冬後これら植物で繁殖し、成虫が水田に飛来する。水田への侵入は第1世代成虫が多い。イネ科雑草(牧草)やトウモロコシ、ヒメジョオンを好むので、これらの繁殖地に近接する水田で発生が多い。ヒエやホタルイ等の雑草の多い水田も発生が多くなる。斑点米の原因となるが、頂部の被害が多い。
アカヒゲホソミドリカスミカメ

アカヒゲホソミドリカスミカメ

発生時期
出穂期以降
特  徴
成虫の体長は5.5mm前後。体は細長く緑色をした小型種。イタリアンライグラスなどのイネ科植物の葉鞘内部で卵越冬する。モミ割れを起こした穂で多くなる。
イネクロカメムシ

イネクロカメムシ

発生時期
6〜10月(成虫は分げつ最盛期ころ最も多い)
特  徴
成虫の体長8〜10mm、光沢のない黒色のカメムシで、年1回発生。成虫で越冬し、6月下旬ころ水田に飛来し、イネの茎葉を吸汁、産卵する。幼虫はイネを吸汁して生育し、8月中旬から10月中下旬に新成虫となり、水田を離れ越冬地に移動する。山間地に接した平地や中山間で発生が多く、多発すると株のわい化や有効茎歩合の低下を招くが、大発生して問題となることはあまりない。

(写真:愛知農総試提供)

イネミズゾウムシ

イネミズゾウムシ

発生時期
田植え直後から発生し、7月以降新成虫が現れる。
特  徴
アメリカからの侵入害虫で、国内でみられるのは雌のみである。越冬成虫は、水田に侵入すると移植されたばかりのイネの葉をかすり状に食害し、葉鞘表皮下に産卵する。幼虫はイネの根を食害し、老熟すると体長は約8mmになる。土繭を根に作って蛹化する。羽化後はイネやイネ科雑草の葉を食害したのち、周辺の越冬場所に移動する。山間部で発生が多い。
スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)

発生時期
5月から8月。
特  徴
越冬は水田や用水路の土壌中。
母貝は植物、コンクリートの壁に400粒を卵塊として産みつける。深水管理の水田ほど被害が大きい。