最新の病害虫情報

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※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

防除のポイント(7/22更新)

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イネ ダイズウンシュウミカンナシ
モモブドウカキ 果樹共通
イチゴ キク(露地)野菜共通
                       
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イネ
いもち病
紋枯病
白葉枯病
トビイロウンカ
セジロウンカ やや多い
ツマグロヨコバイ やや少ない
斑点米カメムシ
ニカイメイガやや多い
フタオビコヤガ
イチモンジセセリ
ダイズ
オオタバコガ 多い
シロイチモジヨトウ 多い
ウンシュウミカン
そうか病 やや少ない
黒点病
ミカンハダニ
チャノキイロアザミウマ
ナシ
黒星病
うどんこ病
ナシヒメシンクイ
ハダニ類 やや多い
モモ
せん孔細菌病
灰星病 やや多い
ナシヒメシンクイ
ハダニ類
ブドウ
ベと病 やや少ない
黒とう病
チャノキイロアザミウマ
カキ
落葉病類
うどんこ病
コナカイガラムシ類 多い
果樹共通
カメムシ類 やや多い
イチゴ
炭疽病 やや多い
キク(露地)
白さび病 やや多い
アブラムシ類 やや多い
ハダニ類 やや多い
アザミウマ類 やや多い
オオタバコガ 多い
シロイチモジヨトウ 多い
野菜共通
オオタバコガ 多い
シロイチモジヨトウ 多い

イネ


  • いもち病(葉いもち)
     葉いもちは湿潤条件が10時間以上続くと感染しやすく、感染すると1週間後頃から葉に紡錘型の病斑が生じます。急速に感染が進むと稲全体が燃えたように萎縮し枯れ上がる「ずりこみいもち」と呼ばれる被害になります。「コシヒカリ」など本病に弱い品種では、葉いもちが上位葉に進展すると穂いもちの発生につながります。
     今年は感染に好適な気象条件(日本植物防疫協会提供のデータによる)が6月下旬から7月初旬まで県内各地で複数回確認されましたので、本病に弱い品種や過去に発生が見られたほ場ではしばらくは発生に注意してください。
    【対策】
     葉に紡錘形の病斑を確認し上位葉に進展した場合や、病斑の中央部が灰白色で周縁が紫黒色の急性型病斑が見られたら、ブラシンフロアブル【U14+16.1】やオリブライト250G【11】 などで防除しましょう。出穂後に穂いもちが発生すると収量の低下に直接つながりますので、発生があれば防除してください。

  • 紋枯病
     本病の生育適温は28〜32℃と他の主な病害より高いため、梅雨期以降に高温条件が続くと病斑が上位葉鞘に進展して葉枯れや倒伏につながり減収や品質低下となります。前年発生した水田では土壌に病原菌の菌核が残り、昨年より多発する可能性があります。ただし、近年は真夏の高温が本病の適温を超えるため一時的に病斑の上昇は抑えられますが、盆過ぎに気温がやや低下し始めると再び上位に進展し被害が発生する傾向があります。
    【対策】
     あいちのかおりなどの普通期栽培では、この時期に株元の発病株率が概ね10〜20%以上であれば、病斑が上位へ進展しないよう幼穂形成期から穂ばらみ期までにモンカット粒剤【7】やオリブライト250G【11】などで防除します。上位へ進展し始めたり上位葉鞘に病斑があれば、 バリダシン液剤5【U18】など治療効果の高い薬剤を散布し、被害の拡大を防ぎましょう。
  • 白葉枯病
     本病の病原菌は細菌であり、畦畔雑草から水を伝って葉の水孔や傷口から感染し、葉に葉脈に沿った細長い波形の黄色から白色の病斑を生じます。大雨や強風、冠水によってまん延しやすく、水田全体で葉が白く枯れ上がり減収につながります。尾張西部や海部地域では例年発生が見られる地域がありますが、近年では三河地域でも見られるなど発生地域は拡大しています。コシヒカリやあいちのかおりSBLは本病に比較的強い品種ですが、菌密度が高いと発病する場合もあります。
    【対策】
     細菌による病害は症状が発生した後の治療が難しいため、発生しやすいほ場や大雨で冠水したほ場があれば、出穂3〜4週間前のオリゼメート粒剤【P02】などによる予防散布が効果的です。
  • トビイロウンカ・セジロウンカ
     トビイロウンカ(秋ウンカ)は、西日本では数年間隔で多発するイネの大害虫です。最近では2020年に本県を含む西日本各地で坪枯れ症状を発生させ、大幅な減収をもたらしました。日本では越冬できず、梅雨前線など中国大陸からの気流に乗って毎年飛来します。今年の梅雨入りはほぼ平年並であり、梅雨入り後の6月下旬以降に本県への飛来に好適な気象条件(日本植物防疫協会提供のデータによる)が複数回出現しています。7月中旬頃までに多数飛来した場合は水稲の株元で世代を繰り返して増殖し、8月下旬頃から坪枯れが発生する可能性があります。しばらくは県から発表されるウンカの予察情報に留意してください。
     セジロウンカ(夏ウンカ)も大陸から飛来しますが、トビイロウンカより多数飛来する傾向があります。今年は平年よりやや多く捕獲されており、飛来が多かったほ場では出穂前にほ場の一部で葉の褐変等が見られる場合がありますが、出穂期を過ぎると稲から離脱しますのでトビイロウンカのような大きな被害が生じることはありません。
    【対策】
     今後、県からトビイロウンカの発生が多いと予想する情報が発表されれば、長期間残効がある成分(ゼクサロン、アレス、リディア)を含む育苗箱施薬剤を使用していない水田では、トレボン乳剤【3A】やスタークル液剤10・スタークル豆つぶ【4A】、エクシードフロアブル【4C】、エミリアフロアブル【4F】、オーケストラフロアブル【UN* 幼虫に適用】などを株元に薬剤が届くよう散布しましょう。さらに、県から注意報や防除を促す情報が発表されたり近隣を含むほ場の株元で増殖を確認したならば、箱施薬剤を利用したほ場でも上記薬剤などによる防除が必要です。なお、斑点米カメムシ類防除と共通する薬剤が多いので、同一系統薬剤の連用にならないよう、また使用回数制限に留意して薬剤を選択してください。
  • 斑点米カメムシ
     斑点米カメムシ類全体では平年並の予想ですが、イネカメムシやミナミアオカメムシなどの大型種は出穂前の発生を予測しにくく地域間差も大きく、今後多発する可能性はあるので注意してください。
     イネカメムシは、近年、県内各地で出穂期頃から水稲ほ場に多数飛来して籾を吸汁し、不稔籾や斑点米を生じさせて減収や等級低下の原因となっています。本虫は成虫がほ場周辺の土手や雑木林の枯葉の下などで越冬し、まず、地域内で出穂が早い品種に出穂期前から飛来して出穂後の籾を吸汁するとともに産卵し、次世代幼虫やその成虫も籾を吸汁します。成虫はその後、次に出穂するほ場に移動していくため、各作期で被害が発生します。昨年は、一部の地域では普通期栽培での被害は減少しましたが、被害地域は拡大しています。また、コシヒカリなど地域内で早く出穂する品種や作型では昨年同様に飛来は多いと思われます。
     イネカメムシ以外の斑点米カメムシ類には、大型のミナミアオカメムシやクモヘリカメムシ、小型のカスミカメ類などがあり、主に穂揃い期以降の籾を吸汁し斑点米による被害を生じます。今作は、ミナミアオカメムシが一部の平坦地域でやや多い地点もあり、イネカメムシ同様に注意が必要です。
    【対策】
     イネカメムシと他の斑点米カメムシ類では防除適期が違います。イネカメムシでは、まず不稔籾対策のため出穂期(穂の先端が顔を出した茎が全体の半数の時期。最近の品種は止葉の下で出穂するため見落としやすい。)を逃さないよう、スタークル(液剤10、顆粒水溶剤)【4A】やエクシードフロアブル【4C】、キラップフロアブル【2B】を散布します。また、発生があれば散布後7〜10日後に再度散布して斑点米の発生も防ぎましょう。粒剤は液剤等に比べ効果はやや低いのですが、粒剤しか散布できない場合はスタークル粒剤なら出穂の3〜5日前、キラップ粒剤なら出穂の7〜10日前を目安に散布します。キラップ剤はイネカメムシへの効果が低下した地域が確認されており、効果が低ければ他の剤に切り替えてください。いずれも、周辺環境への負荷を減らすためにも散布後1週間は止水してください。
     イネカメムシは少なく、ミナミアオカメムシが多いなど斑点米が問題となる地域では、薬剤防除は出穂7〜14日後頃を目安とし、上記の液剤等を散布しましょう。また、耕種的な対策として出穂2週間前までを目安として畦畔など水田周辺の草刈りと本田内のヒエ類の除去を行い、カメムシ類の棲み家をなくします。ただし、出穂間際の除草はカメムシ類を本田内に追い込みますので、やむを得ず除草する場合は本田防除を併せて行います。
  • ニカメイガ
     6月には平坦部の各地で、第1世代の幼虫による心枯れや葉鞘褐変、流れ葉の被害が見られたほ場があります。発生が多いほ場では、今後、第2世代幼虫が茎に潜入し食害することによる白穂の多発につながる可能性があります。食入された茎は簡単に抜け、茎の下部には小さな穴が開いていますのでバッタなど他の病害虫による白穂と区別できます。収穫されるまで近隣の茎に移動して加害を続けます。また近年の高温で秋に第3世代幼虫が発生している可能性もあり、普通期栽培や麦跡栽培などの遅い作型では被害が拡大しやすくなっています。激発時はウンカと似た坪枯れにもなります。近年の発生が多い地域で本虫に適用がある箱施薬剤を使用していない場合や茎が比較的太い品種の栽培(もち米や飼料用米を含む)、遅い作型では被害が増加しやすく注意が必要です。
    【対策】
     7月から8月にかけて第1世代成虫が発生し産卵します。県やJAが設置しているトラップにおける成虫(体長10〜12mmくらいでやや細長い灰白色の蛾)の捕獲数のピークの数日〜7日後(粒剤はピーク時)が薬剤散布適期です。ピークが把握できない場合は、過去の発生消長やほ場で成虫の目立つ頃などを参考に防除適期を想定し、浸透移行や残効があるパダンSG水溶剤【14】などを散布します。
  • フタオビコヤガ
     幼虫はイネアオムシと呼ばれ、シャクトリムシ状に歩行する2cmくらいの淡緑色のイモムシです。幼虫が葉を食害し、幼齢では表面にイネミズゾウムシに似た白いかすり状の食痕ができ、中齢以降は葉縁を階段状に食害します。今年は高温のため、平年より早くから発生したほ場があります。
    【対策】
     食害が多ければ、ディアナSC【5】やパダン粒剤4【14】などで防除します。
  • イチモンジセセリ
     幼虫はイネツトムシと呼ばれ、幼虫によりイネの葉をつと状に綴って食害する被害が生じます。今年は平年並の予想ですが、例年被害が発生する地域では早めの防除が大切です。
    【対策】
     葉を綴った後では防除しにくいため、若齢幼虫のうちに防除します。被害が大きいのは第2世代幼虫で7月下旬〜8月上旬にかけて上位葉を加害しますので、この時期に食害と若齢幼虫を早く発見し、葉を綴る前にディアナSC【5】やパダンSG水溶剤【14】などで防除します。


ウンシュウミカン


  • そうか病、黒点病
     そうか病は感染時期が早いと葉や果実にいぼ型、それ以降は表面がかさかさしたそうか型の病斑になります。今年も防除が不十分な園地などで発生が見られます。病原菌は雨を介して若い葉や幼果に感染し、さらに他の葉や果実に二次感染しますので、今年のように梅雨期に降雨が多いと感染が拡大しやすく注意が必要です。黒点病も枯れ枝や落ちているせん定枝上の胞子が伝染源となり、雨滴により胞子が果実や葉へ伝搬して感染が広がります。そうか病と同様に降雨で果実へ感染しやすいため同時防除が効果的です。
    【対策】
     そうか病と黒点病との同時防除として、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】やフルーツセイバー【7】、ナティーボフロアブル【3+11】などを散布しましょう。そうか病発生園は次作では春の発芽初期や落弁期の防除を徹底します。
  • ミカンハダニ
     各産地で発生園が見られます。盛夏期は増加が抑制されますが、その後に気温が下がり始めると急増して冬まで発生が続くので、この時期に発生があれば防除は効果的です。
    【対策】
     発生初期にカネマイトフロアブル【20B】、マイトコーネフロアブル【20D】、ダニエモンフロアブル【23】などを散布します。ハダニ類は薬剤感受性が低下しやすいので、各薬剤ともに年1回の使用にとどめましょう。なお、これらの剤はミカンサビダニにも適用があります。
  • チャノキイロアザミウマ
     発生量は平年並の予想ですが、周囲の防風垣で発生している園地も見られます。この時期はみかんのがくと果皮の隙間で加害することが多く、果梗部にリング状の傷ができます。
    【対策】
     防除薬剤はモスピラン顆粒水溶剤【4A】やディアナWDG【5】、コルト顆粒水和剤【9B】、コテツフロアブル【13*】などがあります。ピレスロイド系の薬剤【3A】も効果はありますが、在来天敵を減少させハダニ類が増加する可能性があるので注意してください。



ナシ


  • 黒星病
     病原菌の胞子は降雨で水分を得て飛散し、葉や果実にススを塗ったような病斑を作り果実の商品価値を落とすため重要な病害です。今年は例年より早く初発が確認されたため、4月30日には県から発生が多いと予想する注意報が発表されています。まとまった降雨があると果実への感染が広がりやすくなります。
    【対策】
     発病葉や発病果は見つけ次第除去するとともに、昨年多発した園やすでに発生した園では、カナメフロアブル・パレード15フロアブル【いずれも7】、ナリアWDG【7+11】、アイーナ20フロアブル【52】など治療効果もある薬剤を、かけ残しがないよう防除を継続しましょう。ただし、収穫時期が近いので収穫前日数に留意するとともに、耐性菌が発生しやすいため同一系統薬剤の連用は避けてください。
  • ナシヒメシンクイ
     発生量は平年並の予想ですが、県のフェロモントラップにおける誘殺数がやや多い地域があり、フェロモン剤であるコンフューザーNを設置していないほ場では多発する可能性もあります。幼虫は果実に食入して商品価値を落とします。有袋栽培でも破れ目や果実との接触部から食入する場合があり、発生があれば袋掛け後も防除は必要です。
    【対策】
     この時期になると本虫の世代は混在し幼虫が連続して発生しているため、概ね7〜10日間隔でスタークル顆粒水溶剤【4A】、ディアナWDG【5】、フェニックス顆粒水和剤・テッパン液剤【28】などで、幼虫が果実に食入する前に防除します。
  • ハダニ類
     高温で降雨量が少ない気象条件で増殖しやすいため、梅雨明け後に急増する傾向があります。発生が多いと葉の黄化や落葉により果実の品質が低下するとともに、収穫後でも多発すると早期落葉により樹勢が低下し次作に影響します。
    【対策】
     例年、発生しやすい地点があれば重点的に観察するなど園内での早期発見に努め、多発する前にコロマイト乳剤【6】、カネマイトフロアブル【20B】、マイトコーネフロアブル【20D】、ダニコングフロアブル【25B】等で防除します。感受性の低下を防ぐため、同一系統の薬剤を連用しないよう注意しましょう。薬剤を多用しても多発する園地では、次作には天敵農薬(ミヤコバンカー)の活用もご検討ください。


ブドウ


  • ベと病
     べと病菌は糸状菌ですが主に雨水で伝染し、降雨があると短期間で被害が広がります。果実の被害が重要ですが、葉の被害も早期落葉につながり樹勢が低下します。6月の発生量は平年よりやや少ない状況ですが、6月下旬の降雨は多かったため、発生した園地では感染拡大に注意します。
    【対策】
     発病葉や発病果は園外に持ち出し処分します。また、感染すると発病まで7〜10日と短いため、無袋栽培やまだ袋かけ前であれば概ね10日以内の間隔で新梢にも十分かかるよう、収穫前日数が比較的短いホライズンドライフロアブル【11+27】(収穫21日前まで)やランマンフロアブル【21】(収穫14日前まで)、レーバスフロアブル【40】(収穫7日前まで)などで防除します。ただし、本病は耐性菌が発生しやすいため同系統薬剤の連用は避けます。QoI系【11】のアミスター10フロアブル、ストロビードライフロアブルは耐性菌を確認しており、使用は控えましょう。適用薬剤には収穫前日数が長い薬剤が多いことや果粉溶脱や薬害を生じる事例がありますので、使用する薬剤のラベルの注意事項を必ず確認してください。袋かけ後は、使用時期の制限がなく耐性菌も出にくいICボルドー48Qなどの無機銅剤【M01】で防除しましょう。
  • 黒とう病
     5月には新梢での発病が見られた園地があります。病原菌はべと病と同様に雨滴で分生胞子が飛散して二次感染しますので、降雨が多いと増加しやすくなります。シャインマスカット等の欧州系品種は、本病に弱い傾向があります。 
    【対策】
     苗木や若木、遅伸びした新梢や徒長枝は感染しやすいので注意し、発病部位は見つけ次第除去し園外へ持ち出し処分しましょう。袋かけまでは晩腐病との防除を兼ねた定期的な散布が望ましく、降雨前の予防散布は効果的です。袋かけ前なら、直前までオンリーワンフロアブル【3】、フルーツセイバー【7】、スクレアフロアブル【11】、ホライズンドライフロアブル【11+27】(べと病にも適用あり)などで予防散布を行います。薬剤使用はべと病と同様に果粉溶脱等の薬害が発生しないよう、薬剤のラベルの注意事項を必ず確認してください。
  • チャノキイロアザミウマ
     発生量は平年並を予想していますが、発生が多い園地も見られます。本虫の加害により葉や穂軸には淡褐色のかすり状の斑点、果実は灰白色の輪状や雲状のさびを生じ、商品価値が低下します。
    【対策】
     袋かけ前であれば直前に防除すると効果的です。袋かけは止め金を穂軸にしっかりつけて隙間をなくしますが、多発時は穂軸の加害や袋内への侵入も起きますので、袋かけ後も発生があれば、スタークル顆粒水溶剤・ダントツ水溶剤【いずれも4A】、コルト顆粒水和剤【9B】、コテツフロアブル【13*】等を散布します。


カキ


  • 落葉病類
     円星落葉病及び角斑落葉病ともに感染後の潜伏期間が長く、主な感染時期は梅雨などの降雨であり、例年発生する園地では盛夏前までの感染防止対策が効果的です。秋に病斑に気付いてから防除しても効果は見込めません。
    【対策】
     例年の発生が多い園地では、ペンコゼブ(ジマンダイセン)水和剤【M03】やオーソサイド水和剤80【M04】などで予防散布を行いましょう。うどんこ病や炭疽病が発生していれば、オンリーワンフロアブルやスコア顆粒水和剤【いずれも3】、ナリアWGB【7+11】などで同時防除する方法もあります。同一系統の薬剤は連用しないよう注意しましょう。 
  • コナカイガラムシ
     今年は、各産地ですでに発生量が多い状況です。特に昨秋にカメムシ類が多発しピレスロイド系などの殺虫剤を多用した園地では、在来天敵が減少してカイガラムシ類が多発する可能性がありますので注意してください。
     カキに寄生するコナカイガラムシは数種ありますが、本県で発生が多い種はフジコナカイガラムシ(以下、フジコナとします。)です。フジコナはカキの他にブドウやミカン、ナシなどにも寄生します。カキでは、粗皮の隙間や枝のくぼみ、ヘタの内側など狭い場所で群生し、その吸汁害よりも排泄物に生じるすす病が問題になります。成虫だけでなく卵や2齢・3齢幼虫はロウに覆われるため、薬剤防除が難しい害虫です。
    【対策】
     発生があれば、トランスフォームフロアブル【4C】、コルト顆粒水和剤【9B】等で防除しますが、この時期からは生育段階が混在して発生するため防除効果は低くなりがちです。発生が多かった園では晩秋の落葉後に主幹や主枝の粗皮をはいで越冬場所をなくすとともに、冬期(発芽前まで)にマシン油剤を散布して予防しましょう。また、越冬後の春は世代が揃うため、薬剤の効果が高い孵化幼虫の発生ピークを予測した効果的な防除が可能です(予測は愛知県Webサイト「あいち病害虫情報」で4月〜5月頃に掲載されます)。
     なお、フジコナ対象の交信かく乱用フェロモン剤「フジコナコン」が今年から市販されています。春の成虫発生初期から使用することで、フジコナの交尾を阻害して増殖を防ぎます。発生が多い園では次作からご検討ください。使用方法はJAや県などの指導機関などにご相談ください


果樹全般


  • 果樹カメムシ類
     本県における果樹を加害するカメムシの主な種は、体表は緑色だが翅の部分が茶色のチャバネアオカメムシと、体表がすべて艶のある緑色のツヤアオカメムシです。一昨年秋には全国で多発し、カキやナシ、ミカン園などに多数飛来して果実を吸汁して商品価値を低下させ、大きな問題となりました。果樹カメムシ類は隔年で多発しやすい傾向があり、今年はトラップに平年より早くから成虫が誘殺され、県内の複数の園地で5月には飛来が確認されたため、県では6月2日に発生予察注意報を発表し、飛来の早期発見と速やかな防除を呼び掛けています。この時期までは越冬世代成虫が果樹園へ飛来して加害しますが果樹園で産卵・増殖することはなく、今後は、林地のスギやヒノキなどで繁殖した次世代成虫が球果を食べつくすと、新たに果樹園に飛来します。今年も今後の高温傾向が予想されており林地からの離脱が早くなる可能性がありますので、今後、県から発表される予察情報に留意してください。
    【対策】
     薬剤による飛来前の予防は困難ですので、園内で発生を確認したり地域内で飛来量の増加が確認されれば、比較的速効かつ残効性もあるネオニコチノイド系【4A】の薬剤や、チョウ目害虫などと同時防除ができるテッパン液剤(カンキツはカメムシ類の適用なし)【28】等で防除しましょう。なお、作物ごとにカメムシ類に適用のある農薬は違いますので、薬剤使用時はラベルの表示事項で確認してください。


イチゴ


  • 炭疽病
     6月下旬から9月下旬頃までの高温期に多く発生し、育苗ほ場における風雨や頭上かん水は病原菌の胞子を飛散させ感染拡大を助長します。主な病徴は局所的症状(葉柄やランナーの黒色陥没病斑や葉の汚斑状病斑)と全身症状(萎凋枯死)ですが、局所的症状でも株全体に感染が進んでいる可能性があります。本県では近年の発生が多く、育苗ほ場での対策をしっかり実施して感染した苗を本ぽへ持ち込まないことが重要です。
    【対策】
     薬剤を含む総合的な対策が必要です。典型的症状である株の萎凋枯死、ランナーや葉柄及び葉の黒色円形病斑だけでなく、発病が疑われる症状の場合も周辺の苗を含め除去しましょう。かん水や農薬散布時は、水滴が過剰に跳ね上がらないように水圧に注意します。排水対策、不要な下位葉・古葉の摘除も予防になります。薬剤は定期的な予防散布、特に降雨前後の防除が効果的です。県農業総合試験場の試験では、降雨前の散布でも比較的効果が高い予防剤はセイビアーフロアブル20【12】、オーソサイド水和剤80【M04】、ペンコゼブ(ジマンダイセン)水和剤【M03】などであり、育苗ほ場ではこれらの薬剤を中心にローテーション散布を行います。


露地ギク


  • 白さび病
     山間部では5月には多発が確認されたほ場があり、平年よりやや多い状況です。新しく展開した葉は感染しやすく、最初は乳白状の斑点を生じ、その後拡大して黄白色のいぼ(胞子の集合体)を形成し、がくや茎にも症状が見られます。いぼの表面が濡れると胞子は増殖し風雨によって飛散します。梅雨や秋雨の時期に多発する傾向があります。
    【対策】
     まん延後の防除は困難ですので、発病初期までの予防散布が重要です。病斑のある葉は摘み取って処分した上で、薬剤が十分かかるように散布しましょう。潜伏期間は1週間程度ですので、散布1週間後に観察して病斑の発生している葉があれば再度摘み取りましょう。本病に適用のある薬剤はラリー乳剤【3】やカナメフロアブル【7】など多数ありますが、系統ごとにローテーション防除を行い、薬剤の感受性を低下させないよう注意してください。
  • アブラムシ類
     県の調査では6月の発生量はやや多く、多発園も見られます。
    【対策】
     短期間で多発しますので、発生初期を見逃さず防除します。適用のある薬剤はモスピラン顆粒水溶剤【4A】やコルト顆粒水和剤【9B】、ウララ50DF【29】など多数ありますが、同一系統に偏らないよう薬剤系統のローテーションに努めて感受性低下を防ぐとともに、エコピタ液剤【未】など気門封鎖型の薬剤も活用しましょう。
  • アザミウマ類
     キクにはミナミキイロアザミウマやミカンキイロアザミウマなど多くの種類が寄生しますが、近年、クロゲハナアザミウマも一部地域で多くなっています。今年の発生量は平年並ですが各産地で多発ほ場もあり、高温により今後、発生量が増加する可能性があります。
    【対策】
     不要な株、花及びほ場内の雑草は除去するとともに、マルチにより土壌での蛹化を防ぎます。薬剤は発生初期にトランスフォームフロアブル【4C】やファインセーブフロアブル【34】等で防除しますが、感受性が低下しやすいので系統間ローテーション防除を行います。
  • ハダニ類
     県内の一部では多発ほ場があり、今後も高温が続きハダニ類が増殖しやすい条件が続くと思われるため、発生量はやや多い予想です。
    【対策】
     カネマイトフロアブル【20B】やコロマイト乳剤【6】など適用のある薬剤は多いのですがハダニ類に対する薬剤感受性の低下は特に問題となっていますので、栽培期間中の使用回数を各薬剤1回に止めるとともに薬剤系統のローテーションに努め、感受性低下を防ぎましょう。また、エコピタ液剤【未】など感受性低下を起こしにくい気門封鎖型薬剤を活用しましょう。


ダイズなど


  • オオタバコガ
     本虫は広食性で、多くの作物を加害します。卵は葉に1卵ずつ産み付けられ、幼虫は集団になることなく単独で活動します。また、幼虫は展開前の葉や花蕾、果実、結球部に食入しやすく、若齢幼虫が集団で葉を加害するヨトウ類に比べて発見しにくい特徴があります。また、ヨトウ類と同様に老齢幼虫は防除効果が低下します。今年は各地のフェロモントラップに平年より早くかつ多く捕獲されており、世代を重ねるたびに発生量が増加するため、7月3日に、県から今後多発すると予想し早期発見と防除を呼び掛ける注意報が発表されています。
    【対策】
     食入後や老齢幼虫は薬剤の効果が低くなるため、若齢幼虫を早期に発見して防除を徹底することが大切です。幼虫は分散して生息していますので、1頭でも発見したら周辺の発生状況を確認してください。ダイズではヨトウ類のような食害による白変葉は生じず未展開葉に潜って食害している場合が多いので、注意して観察する必要があります。被害部位の残渣は、卵や幼虫が付着している可能性があり適切に処分しましょう。
     本虫の適用薬剤は比較的少なく作物ごとに違いますので、JAなどで問い合わせるとともに、薬剤のラベルの表示を確認してください。なお、次項のシロイチモジヨトウも注意報が発表され、ハスモンヨトウの多発も懸念されますので、これらの発生にも注意し、発生があれば早期に同時防除を実施してください。
  • シロイチモジヨトウ
     ハスモンヨトウよりやや小型で、幼虫はハスモンヨトウの特徴である頭部後方の一対の黒斑がありませんが、生態は類似し、ハスモンヨトウより白っぽい毛に覆われた卵塊を産み若齢幼虫は集団で食害します。近年の発生は増加し、今年もすでに発生量が平年より多いため、オオタバコガと同様に注意報が発表されています。
    【対策】
     ハスモンヨトウよりやや早く発生します。ハスモンヨトウと同様に毛に覆われた卵塊を除去したり、若齢幼虫が集団で加害している時期に防除しましょう。本虫に適用のある薬剤はネギ以外はまだ少なく、また作物によって適用薬剤はかなり違いますので留意してください。ダイズでは、適用のある薬剤は微生物農薬である各種BT剤【11A】とプレオフロアブル【UN*】、トルネードエースDF【22A】、ブロフレアSC【30】などわずかです。同時に発生するチョウ目害虫があれば、同時防除による薬剤の効率的な使用も検討しましょう。なお、本虫は一部のジアミド系薬剤【28】などで感受性が低下した事例があり、防除後も幼虫が残る場合は別系統の薬剤を使用してください。

☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。