最新の病害虫情報

新着情報

※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

防除のポイント(4/27更新)

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イネ コムギウンシュウミカン ナシ
モモ ブドウ果樹共通タマネギ
トマト(施設) ナス(施設)キュウリ(施設)イチゴ(施設)
                       
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イネ
苗いもち
スクミリンゴガイ
コムギ
赤かび病 やや多い
うどんこ病
赤さび病
ウンシュウミカン
そうか病
ナシ
赤星病 多い
黒星病 やや多い
モモ
せん孔細菌病
ナシヒメシンクイ やや多い
モモハモグリガ
ブドウ
黒とう病 多い
果樹共通
果樹カメムシ類
タマネギ
べと病 やや多い
トマト(施設)
灰色かび病 やや多い
コナジラミ類 やや多い
ナス(施設)
うどんこ病
灰色かび病
すすかび病
ハダニ類 やや多い
ミナミキイロアザミウマ 多い
キュウリ(施設)
べと病 やや多い
うどんこ病 やや少ない
灰色かび病 やや多い
ミナミキイロアザミウマ 多い
イチゴ(施設)
灰色かび病
うどんこ病
ハダニ
アザミウマ類 多い

イネ


  • いもち病
     苗いもちの発生量は平年並の予想です。しかし、前年に葉いもちや穂いもちが発生したほ場では、病原菌が罹病種もみや被害わら、イネ科雑草で越年して感染源となり、今作も発生する可能性があります。本県の奨励品種の多くは穂いもちに対する抵抗性がありますが、「あきたこまち」や「コシヒカリ」「恵糯」「若水」など、いもち病にやや弱い又は弱い品種も栽培されていますので、これらの品種では対策を怠らないようにしてください。なお、「ミネアサヒ」は穂いもちと葉いもちの両方にごく強い系統に置き換わっています。
    【対策】
     購入種もみなど健全な種もみを利用するとともに、塩水選や種もみ消毒の実施、厚播きにしないことなど基本的な予防対策を行います。この時期に浸漬による種もみ消毒を行う場合、夜温が低くなる日もありますので、水温が低くなって薬剤の効果が低下しないよう消毒時期や実施場所に注意します。特に微生物農薬のエコホープDJ【BM02】は、水温が10℃以下での使用は避けてください。いもち病が発生しやすい地域や品種では、いもち病にも適用がある薬剤による育苗箱処理を行いましょう。
  • スクミリンゴガイ
     貝が活動を始めるのは水温15℃以上ですが、気象予報では5月上旬にかけての気温は平年より高いと予想され、本貝が例年より早く活動を始める可能性があります。早期栽培の「コシヒカリ」などで昨年は被害がなかった地域や直播栽培でも、高温により入水後すぐに貝が活動し始めていないか注意してください。
    【対策】
     貝は苗が柔らかい時期に加害するので、苗の5葉期頃(稚苗移植栽培では移植後概ね3週間)までの対策が重要です。移植当日など被害が発生する前に、スクミノンやジャンボたにしくん、スクミンベイト3などの薬剤を湛水状態で散布します。環境保全からも、農薬散布後7日間は落水やかけ流しをしないでください。田植同時散布機の利用は適期防除と散布の省力化になり効果的です。また、水深の深い場所や取水口周辺などの多発しやすい地点に薬剤をスポット散布する方法もあります。他の対策として、水深4cm以下の浅水管理を行うと貝は苗を摂食できなくなります。取水口に9mm目のネットを張り水路からの貝の侵入を防ぐことも有効です。発生が多い地域ではこれらの対策を組み合わせましょう。なお、「あいちのかおり」などの普通期栽培では貝は入水後すぐに活動を始めます。代かき前に石灰窒素を散布すると高い殺貝効果があることが実証されていますが、石灰窒素は窒素分を含むため、基肥の減肥が必要なことや、薬害防止のため石灰窒素散布後は7日以上経ってから移植する必要がありますので注意してください。総合的な対策の詳細は農林水産省の被害防止対策資料をご覧ください。
    スクミリンゴガイ被害防止対策について

コムギ


  • 赤かび病
     本病は穂に桃色のカビを生じて減収や品質低下を起こす直接的な被害だけでなく、本病原菌が産生したかび毒が一定基準値以上になると食用として販売ができなくなるため、防除対策が必須の重要病害です。病原菌は小麦や稲わら、イネ科雑草等の植物残さで越冬し、春になると胞子が飛散します。飛散は降雨で促進されるため、出穂期以降に曇雨天など湿度の高い気象条件が続くと多発しやすくなります。
     近年の発生量は多く、越冬病原菌量は多いと推測されます。また、気象予報では5月上旬にかけて平年より気温は高く降雨量は多いとされているため、発生量はやや多くなると予想されます。
    【対策】
     薬剤による防除適期は、開花始期から開花期(1穂につき数花開花をしているものが全穂数の40〜50%に達した日)までの短い期間です。概ね出穂期の7〜10日後の開花状況を確認し、うどんこ病も兼ねた適期防除に努めましょう。今年はコムギの生育は比較的早いため、開花始期を見逃さないよう特に注意してください。降雨等により開花期防除ができなかった場合でも、雨間に至急散布してください。また、今年は発生がやや多いと予想されることから、開花期防除から7〜10日後にも再度防除しましょう。さらに、開花期以降に曇天や雨が続いて本病が多発しやすい気象条件が連続し、穂に桃色のカビが見られるなど本病の発生が増加すれば、病原菌によるかび毒の産生を防止するためにも追加防除が必要となります。
     薬剤はDMI系【3】のワークアップフロアブルやシルバキュアフロアブルの防除効果は高く、かび毒の産生防止にも効果的ですが、同一系統薬剤の連用による耐性菌発生を防ぐため、複数回の防除を行う場合はSDHI系【7】のミラビスフロアブルやMBC系【1】のトップジンM水和剤・トップジンMゾルなど他系統の薬剤の組み合わせも検討してください。なおトップジンM水和剤を除く薬剤は無人航空機防除にも使用でき、効率的な散布作業が可能です。

  • うどんこ病
     多発した一昨年は、平年より早い3月頃から本病が発生していました。今年は4月上旬の時点で発生量はわずかであり、平年並の予想です。しかし、今後は気温が高く降雨も多いと予想されるため、4月に下葉に発生が見られれば、上方に進展して上位葉が枯れて収量や品質の低下につながる可能性もあります。葉色が濃く繁茂したほ場で発生しやすく、また、主力品種である「きぬあかり」は本病にやや弱いため注意が必要です。
    【対策】
     開花期は赤かび病の防除適期ですが、この時期に本病にも適用がある薬剤を利用して同時に防除します。上から3葉目の葉に病斑が見え始めるなど、発生が止まらないなら再度防除してください。赤かび病の欄に記載した例示薬剤のうちトップジンMゾルを除く薬剤はうどんこ病にも適用があります。


ウンシュウミカン


  • そうか病
     葉や枝の病斑で越年した病原菌の胞子が雨により飛散し、若い葉や果実に付着して発病します。この時期に雨が多いと感染しやすく、感染から発病まで葉は5日程度、果実は10日程度かかるため、発病前の発芽期から落弁期における感染予防対策が重要になります。県の情報では3月の越年発病葉率は平年よりやや少ないのですが、4月の降雨は多いと予想されており、近年、本病の発生が見られたほ場では予防に努めてください。
    【対策】
     越年発病葉が見られる園地では、発病葉を枝ごと除去します。薬剤防除は最初の防除適期である発芽期が過ぎていれば、次は幼果への感染予防のため落弁期の防除が重要になります。多発する園では開花期頃の防除を追加してください。薬剤はフルーツセイバー【7】やファンタジスタ顆粒水和剤【11】などがあります。なお、ベンレート水和剤・トップジンM水和剤【1】は感受性が低下した事例があります。


ナシ


  • 黒星病
     開花初期頃から、降雨のたびに芽基部の病斑上にできた胞子が周囲に飛散して幼果に感染します。また、罹病した落葉が園地に残っていると、そこから胞子が飛散して感染につながります。果実への感染時期は開花期頃から6月上旬頃までですが、被害を受けやすい「幸水」では満開75〜90日後頃も感染しやすくなります。
    【対策】
     開花期から満開20日後頃までが一次感染防止のために重要な防除時期であり、定期的な予防散布を行いましょう。今年は開花期もやや早くなっていますので適期防除に努め、時期を逃した場合も早急に防除しましょう。適用のある薬剤はファンタジスタ顆粒水和剤【11】やアイーナ20フロアブル【52】などがあり、赤星病との同時防除では、予防主体の保護殺菌剤であるトレノックスフロアブル【M03】や治療を兼ねたスコア顆粒水和剤【3】、カナメフロアブル・ネクスターフロアブル【7】などがあります。耐性菌が発生しにくい保護殺菌剤を除き、同一系統の薬剤の連用は避けましょう。
  • 赤星病
     本病は、病原菌の冬の奇主であるカイヅカイブキなどビャクシン類の枝葉上にある冬胞子層から胞子がこの時期の風雨で飛散し、展葉後のナシに感染します。
    【対策】
     5月上旬頃までは、黒星病の防除を兼ねて定期的な薬剤散布を行いましょう。特に前作で発生が見られた園地では、この時期の予防散布は必ず行いましょう。また、可能であればナシ園周辺のビャクシン類は除去しましょう。


ブドウ


  • 黒とう病
     前作で発生がやや多かったほ場では、越年病原菌はやや多いと予想されます。病原菌は、前作の結果母枝や巻きひげなどで越冬します。春に降雨が続くと胞子を形成し、雨水とともに飛散して新梢や若い葉に感染します。その後は梅雨期をピークに二次感染を繰り返して葉や果実に感染し黒褐色の斑点を生じ、やがて拡大して中央が灰白色で周辺が鮮紅色〜紫黒色の陥没病斑となります。欧州系の品種は本病に弱い傾向がありますが、特にシャインマスカットは弱いので注意してください。
    【対策】
     一次伝染源となる前作の巻きひげや収穫房の軸の切り残しを取り除き、発病部位があれば除去します。薬剤防除は他の病害よりも早く、一次伝染が起きる頂芽2〜3葉展葉期の予防散布が最も重要ですが、その後は二次伝染も加わり新梢伸長中は感染が続きますので、袋かけまでは晩腐病等との同時防除も考慮した定期的な薬剤散布が必要です。特に、本病は雨水で感染するので降雨前の予防散布が効果的です。
     薬剤は、予防主体の保護殺菌剤であるキノンドーフロアブル【M01】、ペンコゼブ水和剤【M03】などや、治療効果もあるオンリーワンフロアブル・マネージDF【3】、パレード15フロアブル【7】などがあります。耐性菌の発生防止のため、保護殺菌剤を除き同一系統の薬剤は連用しないでください。なお、スピードスプレーヤーでは薬剤が届かない場所もありますので、手散布で新梢や徒長枝などの感染しやすい軟らかな枝葉に十分かかるよう補完することも大切です。


モモ


  • せん孔細菌病
     病原細菌は新梢の皮部組織内で越冬し、4月頃から表皮が紫黒色になって広がる春型枝病斑を形成し、病斑で増殖した細菌が風雨により周囲に飛散し健全部に感染します。前年秋の発生量は少なかったのですが、被害発生後の対策は難しいため前作で被害があった園地を主とした予防対策は重要です。

    【対策】
     本病の病原は細菌のため効果のある薬剤はごく少なく、発生が見られる園地ではこの時期に耕種的防除をまず実施し、その上で薬剤の予防散布を組み合わせます。春型枝病斑や感染が疑われる発芽不良や葉の短い枝は見つけ次第切り取り、園外に持ち出して伝染源を減らしましょう。特に上方にある枝の病斑から感染が拡大しやすいので、発見と除去に努めましょう。風の強い場所や毎年被害がある園地では防風ネットを展張して傷の発生を防ぎ、本病が感染しにくい環境を作りましょう。
     薬剤による防除は開花期以降に10〜14日間隔で散布し、枝病斑からの伝染を予防します。特に、前線の通過など風を伴った降雨により病原細菌が分散し感染が進むので、降雨前のタイミングで保護殺菌剤であるペンコゼブ水和剤・トレノックスフロアブル【M03】などで予防散布に努めましょう。なお、適用のある薬剤には収穫前日数がかなり長い場合があるので、散布時にはラベルの使用方法を必ず確認してください。
  • ナシヒメシンクイ
     3月下旬から4月頃に羽化した越冬世代成虫はモモやウメの新梢などに産卵し、幼虫が新梢先端に移動して食入し芯折れを起こします。県の情報では、今年の越冬世代成虫のフェロモントラップへの誘殺数は、一部の地域で平年よりやや早い3月中旬頃から増加しています。

    【対策】
     被害部位は、食害されていない部分を含め切除しましょう。薬剤による防除適期は成虫誘殺ピークの2〜3週間後頃の幼虫が孵化し食入するまでですので、県の発生予察情報や地域にフェロモントラップがあればその誘殺状況に留意してください。主な薬剤として、オリオン水和剤40【1A】やモスピラン顆粒水溶剤・ダントツ水溶剤【4A】、テッパン液剤【28】などがあります。


果樹共通


  • 果樹カメムシ類
     一昨年秋には本県を含め全国的に多発し、カキやナシ、ミカン園などに多数飛来して果実に吸汁害を起こしました。多発した主な種は、落葉などの下で越冬するチャバネアオカメムシと、主に常緑樹などの樹冠内で越冬するツヤアオカメムシです。県の情報では、チャバネアオカメムシの昨年秋の予察灯への誘殺数は平年並、越冬成虫密度は平年よりやや少なかったのですが、ツヤアオカメムシは誘殺数がやや多かったため越冬量も多い可能性があり、今年春〜夏の発生にまず注意が必要です。また、平年より高い気温が続く予想のため果樹園への飛来が例年より早いと予想され、この時期はウメ、モモ、ナシなどで園内への早期飛来に注意しましょう。地域に予察灯があれば活用してください。

    【対策】
     予防は困難なため、夜温が20℃を超えるようになれば園地を見回り発生状況を確認しましょう。産地内で飛来状況を情報交換すると良いでしょう。飛来があればアクタラ顆粒水溶剤・スタークル顆粒水溶剤【4A】などを速やかに散布します。樹種ごとに適用薬剤は違いますので、農薬のラベルで対象作物を確認してください。

タマネギ


  • べと病
     本病は昨年に感染した越年罹病株がまず発病し、草丈が低くなり葉が黄化して外に湾曲します。降雨後は全身にカビが生じる場合もあります。この発病株で形成された胞子が伝染源となり、この時期の降雨や灌水等によって周辺の健全株に感染して多発を招きます。産地では3月下旬には発生が確認されており、今後の降雨により感染が拡大する可能性があります。
    【対策】
     降雨が続くと予想されれば、排水対策を再度徹底するとともに、降雨前にジマンダイセン水和剤【M03】、フロンサイドSC【29】等の予防剤を散布して感染を防ぎましょう。発生があれば発病株は抜き取って処分するとともに、オロンディスウルトラSC【40+49】やシグナムWDG【7+11】、ピシロックフロアブル【U17】、リドミルゴールドMZ【4+M03】など治療効果もある薬剤を散布して感染拡大を防ぎます。なお、収穫期が近い場合もあるので、薬剤散布の前にラベルの収穫前日数を必ず確認してください。


施設野菜


  • 灰色かび病
     トマト、ナス、キュウリ、イチゴなど多くの施設野菜における重要病害で、気温20℃前後かつ多湿条件下で発生しやすくなります。今作では1月が低温傾向で暖房機がフル稼働していたため過湿になりにくく発生は比較的少なかったのですが、2月後半頃から発生施設が増加しています。
     本病は空気伝染性であり、病斑から飛散した胞子は害虫の食害等による傷や古い花弁が付着した部分、枯死した部分から植物体内へ侵入し、感染が拡大します。この時期は昼間の気温が上昇し一日の気温格差が大きくなり、暖房機の停止や運転時間が短くなるため結露など本病の発生に好適な多湿条件となりやすく、発生に注意が必要です。
    【対策】
     施設内の湿度を生育に影響しない程度に低く保つとともに、朝夕の急激な温度変化を防ぐよう換気、送風を含めた環境制御に留意してください。下葉の摘葉、発病果や発病葉の除去、古い花弁の摘み取りも効果的です。
     薬剤防除は、本病は急激にまん延するため発病初期までの予防散布に重点を置きましょう。本病に適用のある薬剤は各作物ともに多いのですが、本病原菌は薬剤の感受性低下が起きやすいため異なる系統の薬剤によるローテーション防除を行い、同一系統薬剤の連用や多用を避けましょう。QoI系【11】やSDHI系【7】の薬剤は治療効果が高いのですが県内で薬剤耐性菌の発生が確認されていますので、使用する場合は栽培期間中の使用回数をなるべく減らし連用は避けてください。耐性菌が発生しにくく使用回数の制限がない炭酸水素カリウム剤(カリグリーン【NC】)や微生物農薬(エコショット・ボトキラー【BM02】)を、発病初期から定期的に散布する方法もあります。

施設トマト


  • コナジラミ類
     多発した前作に比べれば平年並の発生ですが、気温の上昇に伴い多発した施設も見られ、また本虫が病原ウイルスを媒介する黄化葉巻病や黄化病が発生した施設もあります。
     今後の気温は高いとする予想からコナジラミ類の増殖が早まると予想され、黄色粘着板などで発生状況を把握して増加傾向であれば早急に防除しましょう。また、タバココナジラミは低温に弱いため冬期は施設内のみで発生していましたが、気温上昇とともに施設外へ飛散して病原ウイルスを屋外の植物に感染させます。地域内の伝染環を断ち切るためにも施設内で本虫の防除を徹底するとともに、侵入防止用に設置した網目0.4mm以内の防虫ネットを点検して施設外との遮断を再度徹底することも重要です。なお、黄化葉巻病耐病性品種が導入されている場合、ウイルスに感染した株の病徴は出にくいのですがウイルスは体内に持ち感染源になりますので、産地内のウイルス伝染環を断つためにコナジラミ類防除は同様に実施しましょう。
    【対策】
     薬剤防除は、訪花昆虫への影響日数や収穫前日数に注意しながら薬剤のローテーションを実施します。ベストガード水溶剤【4A】、トランスフォームフロアブル【4C】、ディアナSC【5】、アグリメック(ミニトマトには適用なし)【6】、コルト顆粒水和剤【9B】、ベネビアOD【28】、エフィコンSL【36】などがあります。ただし、これら薬剤を含め多くの薬剤で感受性が低下した事例があり、同一系統薬剤の連用は避けるとともに、防除効果が低い場合は別系統の薬剤に切り替えてください。サフオイル乳剤・エコピタ液剤・ピタイチ【未】などの気門封鎖剤は感受性低下の可能性は低く、虫体に直接かかるよう7日間隔で2〜3回程度散布すれば効果的です。なお、トマトとミニトマト(果径3cm以下)では適用薬剤やその使用方法が違いますので、ラベルの表示事項を遵守して使用してください。
     収穫終了後は保毒虫を施設内から飛散させないため、トマトを地際で切断し施設を密閉させて蒸し込み、高温とエサ不足により全滅させましょう。

ナス・キュウリ


  • うどんこ病
     県の調査では3月の発生量はナスで平年並、キュウリではやや少なかったのですが、本病原菌の適温は25℃前後で他の病害に比べ比較的高温かつやや乾燥した環境条件ですので、この時期の発病の増加に注意が必要です。
    【対策】
     まん延してからでは防除が困難ですので、発生があれば速やかに防除しましょう。ナス、キュウリに適用がある薬剤はトリフミン水和剤【3】、ケンジャフロアブル・パレード20フロアブル【7】、フルピカフロアブル【9】、パンチョTF顆粒水和剤【U06+3】など多くありますが、本病も薬剤感受性の低下を起こしやすく、系統ごとにローテーション防除を行いましょう。発生初期であれば、カリグリーン【NC】、ジーファイン水和剤【NC+M01】など使用回数制限がなく感受性低下が起きにくい薬剤を、概ね1週間間隔で葉裏までムラのないように散布する方法もあります。

  • ミナミキイロアザミウマ
     今作では昨年秋から発生がやや多い傾向であり、県の調査では3月の発生量はナス・キュウリともにかなり多く、すでに多発した施設も見られます。発生量が少ない施設でも、今後の高温予想から急増する可能性があります。キュウリでは黄化えそ病の病原ウイルス(MYSV)を媒介しますので、発生量が少なくても注意は必要です。
    【対策】
     防虫ネット(コナジラミ類防除と兼ねて網目0.4mm以下が望ましい。)が破損していないか点検しましょう。赤色系ネットは、従来のネットよりアザミウマ類の侵入防止効果が高いとされています。また、青色粘着板などで発生量の早期把握に心がけ、増加傾向なら早めに防除しましょう。本虫は花や新芽、ヘタの下などの隙間を好み生息していますので、ていねいに散布してください。
     ナス及びキュウリに適用のある薬剤はアファーム乳剤・アグリメック【6】、コテツフロアブル【13*】、モベントフロアブル【23】、グレーシア乳剤【30】、プレオフロアブル【UN*】など多くありますが、薬剤感受性が低下しやすいため同一系統の薬剤を連用しないよう注意してください。なお、コナジラミ類にも適用のある薬剤が多いので、両種の発生があり防除を行う場合は、各薬剤の使用回数の上限に注意し同時防除も考慮して薬剤を選択し、散布回数を必要最小限にしましょう。薬剤が効きにくく秋から発生が多かった施設では、天敵農薬であるスワルスキーカブリダニ剤(スワルバンカーロングなど)をコナジラミ類防除と兼ねて定植後から導入する方法もありますので、次作ではご検討ください。

施設ナス


  • すすかび病
     冬期の発生量は比較的少なかったのですが、発生が続いている施設も見られます。本病は葉の裏側に白っぽいかびが密生する小班点ができ、進展するとすす色のビロード状のかびとなります。病斑は5〜10mmほどの円形で健全部との境界はやや不明瞭です。病斑上の胞子が飛散して被害が広がります。
    【対策】
     施設内の湿度が必要以上に高くならないよう、灰色かび病に準じた環境制御が重要です。灰色かび病にも適用があり同時防除が可能な薬剤は、トリフミン水和剤【3】、パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、ポリオキシンAL水溶剤【19】などがあり、灰色かび病対策とも兼ねてローテーション防除を行いましょう。

  • ハダニ
     県の調査では3月下旬には一部で発生した施設が見られます。冬季にはハダニ防除はほとんど実施されていないと思いますが、今年は2月以降の高温傾向により、例年より早く発生したと思われます。今後も高温傾向が続く予想から、多発する前の発生初期に防除することが重要です。
    【対策】
     収穫や管理作業時などに発生個所を早期発見することが重要です。発生初期や部分的な発生であれば、エコピタ液剤やピタイチなどの気門封鎖型農薬【未】を概ね5〜7日間隔で虫体に直接かかるよう葉裏にも十分に散布すると良いでしょう。高温時など環境条件により薬害が発生する場合がありますので、ラベルの注意事項を確認するとともに必要に応じて数株で試行してください。発生が増加しているならマイトコーネフロアブル【20D】、スターマイトフロアブル【25A】などを散布します。また、コナジラミ類防除と兼ねアグリメック【6】やモベントフロアブル【23】を選択する方法もあります。

施設キュウリ


  • べと病
     一部の施設では昨秋から発生が続いており、平年よりやや多い状況です。本病は葉脈に区切られた角型の病斑ができ、葉裏には薄いビロード上のカビが見られます。本病が発生しやすい環境は気温20〜24℃かつ多湿条件であり、樹勢が低下すると多発しやすくなります。
    【対策】
     暖房機の送風運転や天窓の開閉等により、生育に影響しない範囲で過湿にならない環境管理に努めましょう。また、適度な追肥や摘果で樹勢を維持しましょう。適用のある薬剤はジマンダイセン水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】など予防主体の保護殺菌剤や、アリエッティC水和剤【P07+M04】、フェスティバルC水和剤【40+M01】、プロポーズ顆粒水和剤【40+M05】、ベジセイバー【7+M05】など治療も兼ねた薬剤がありますが、多発すると病勢が止まりにくいため、予防を目的とした定期的なローテーション防除が大切です。病勢が進展するなら、発病葉を除去し4〜5日間隔の連続散布で被害の拡大を防ぎましょう。

施設いちご


  • アザミウマ類
     本県でイチゴを加害する主な種類はヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマです。いずれも成虫や幼虫は花に多く見られ、花弁やがくが褐変します。果実では、くぼみやがくの間に寄生し、果実の頂部や側部の光沢がなくなって褐変し発育が阻害されます。葉にカスリ状の白い食痕が生じる場合もあります。
    県の調査では3月の発生量は平年よりかなり多く、さらに今後の高温予想から増殖が早まると予想されます。側面開放により屋外からの侵入も増えるため、急増する前の防除を徹底してください。
    【対策】
     他の害虫対策も含め、施設周辺の雑草を除去しましょう。また、側面の防虫ネット(網目0.4mm程度が望ましく赤色ネットは侵入防止効果が高まります。)に隙間や破損はないか点検しましょう。発生状況は花での発生状況や青色粘着板で確認し、初期発生のうちにディアナSC【5】やコテツフロアブル【13*】(ミカンキイロアザミウマのみ)、グレーシア乳剤【30】などで防除します。ただし、例示薬剤は天敵への強い影響があるため、天敵導入施設で本虫が多発していない場合は、カスケード乳剤【15】やベネビアOD【28】など影響が少ない薬剤を選択しましょう。

  • ハダニ類
     発生がない施設がある一方で、昨年秋から発生が続いている施設も各産地で見られます。今後は平年より高い気温が予想されていますので、発生施設では急激な増加に注意が必要です。
    【対策】
     下葉かきを徹底するとともに、葉のかすり状の被害などスポット的に発生する初期段階を管理時に早期発見して防除します。ダニサラバフロアブル【25A】やダニコングフロアブル【25B】、ダニオーテフロアブル【33】は天敵導入施設でも利用できます。ただし、ハダニ類は薬剤感受性が低下しやすいため、同一系統の薬剤は1作で1回までの使用としましょう。ピタイチ・サフオイル乳剤・エコピタ液剤などの気門封鎖型農薬【未】は薬剤感受性が低下しにくいので、概ね5〜7日間隔で虫体に直接かかるよう葉裏にも十分に散布すると良いでしょう。ピタイチはアザミウマ類にも適用があります。留意点として気門封鎖剤は高温時など環境条件により薬害が発生する場合がありますので、ラベルの注意事項を確認するとともに必要に応じて数株で試行してください。  昨年秋から発生が続く施設では、次作に向けて定植前後の防除時期や薬剤等の見直しとともに、炭酸ガスくん蒸による苗の防除、天敵農薬であるミヤコカブリダニ剤(ミヤコバンカー等)やチリカブリダニ剤(チリガブリ等)の導入などもご検討ください。




☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。