最新の病害虫情報

新着情報

※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

防除のポイント(5/14更新)

気になる作物をクリック!

 
イネ コムギウンシュウミカン ナシ
モモ ブドウ果樹共通キャベツ
ブロッコリー タマネギトマト(施設)ナス(施設)
キュウリ(施設)
                       
緑下線部を押すと詳細に移動します。
※画面右下のPAGE TOPボタンでページ上部に移動できます。
イネ
苗いもち やや少ない
イネミズゾウムシ やや多い
スクミリンゴガイ
コムギ
うどんこ病
赤かび病 やや多い
赤さび病
ウンシュウミカン
そうか病 やや少ない
ミカンハダニ やや多い
ナシ
黒星病 やや多い
アブラムシ類
モモ
黒星病 やや多い
せん孔細菌病 やや多い
ナシヒメシンクイ 多い
モモハモグリガ
ブドウ
黒とう病 やや多い
べと病
カキ
炭疽病 やや少ない
うどんこ病 やや少ない
果樹共通
果樹カメムシ類 やや多い
キャベツ
コナガ
黒すす病 やや多い
ブロッコリー
黒すす病 やや多い
タマネギ
べと病
トマト(施設)
黄化葉巻病
コナジラミ類 やや多い
ナス(施設)
うどんこ病
灰色かび病
ハダニ類
アザミウマ類 多い
キュウリ(施設)
べと病 やや多い
灰色かび病
アザミウマ類

イネ


  • いもち病
     愛知県の奨励品種は穂いもちに強い抵抗性を持つ系統が多く、ミネアサヒは穂いもちだけでなく葉いもちにも強い系統(ミネアサヒSBL)に置き換えられています。しかし、「あきたこまち」や「コシヒカリ」「恵糯」「若水」など本病にやや弱い又は弱い品種もあります。昨年、発病が見られたほ場では病原菌が被害わらなどで越年して今作の感染源となり、今年も発生する可能性があります。
    【対策】
     育苗期間中に苗いもちが発生した場合は発生した箱を除去し、周辺の箱をビームゾル【16.1】(緑化始期、灌注)などで防除します。また、本病が発生しやすい地域や品種では、いもち病にも適用がある育苗箱処理剤を使用して葉いもちの発生を予防しましょう。本田内の補植用の置き苗は本病が発生しやすく移植苗への伝染源になりますので、補植後は速やかに処分してください。


  • イネミズゾウムシ
     近年、成虫による葉の白線状の食害が目立つ地域があり、発生量はやや多い予想です。ただし、本虫による重要な被害は成虫の食害よりも、次世代の幼虫が土中で稲の根を食害して稲の生育が遅れたり枯死する場合です。
    【対策】
     昨年、成虫が多発して食害が目立った地域では、本虫にも適用がある育苗箱処理剤を使用しましょう。本田で成虫が多発した場合にはトレボン粒剤【3A】などを散布し、その後の幼虫による被害を防ぎましょう。

  • スクミリンゴガイ
     貝が活動を始めるのは水温が15℃以上であり、5月中旬以降になれば貝は入水後から活動を始めています。稲の葉が柔らかい5葉期頃まで(稚苗移植では概ね移植後3週間頃まで)は、貝の食害に注意が必要です。
    【対策】
     被害が発生する前の移植期頃に、スクミノンやジャンボたにしくんなどの薬剤を湛水状態に保った水田に散布します。田植同時散布機の利用は適期処理とともに省力にもなり効果的です。水深の深い場所や取水口周辺など、貝が多発しやすい地点に重点的に散布する方法もあります。本田では他の薬剤と同様に、散布後7日間は落水やかけ流しをしないでください。
     薬剤以外の防除手法として、水深4cm以下の浅水管理(田面が露出すると除草剤の効果が低下するので注意)を行うと貝が苗を摂食できなくなります。取水口に9mm目のネットを張り水路からの貝の侵入を防ぐことも有効です。なお、毎年多発する水田で移植時期が遅い場合は、入水後に貝が活動し始めたら農薬の適用がある石灰窒素20〜30kg/10aを散布し、3〜4日湛水した後に代かきを行うと高い殺貝効果があることが実証されています。ただし、石灰窒素は窒素分を含むため基肥を減らしたり、薬害防止のため散布後7日以上経過してから移植する必要があることに注意してください。これらの対策を組み合わせて被害を防止しましょう。総合的な対策の詳細は農林水産省の被害防止対策資料をご覧ください。
    スクミリンゴガイ被害防止対策について


コムギ


  • 赤かび病
     本病は穂に桃色のカビを生じて減収や品質低下を起こす直接的な被害だけでなく、本病原菌が産生するDON(デオキシニバレノール)などのかび毒が問題となります。農産物検査規格では赤かび病被害粒の混入が0.0%を超える(2000粒に被害粒1粒以上)と規格外とされ、また厚生労働省の基準値(DON:1.0ppm)を超えると食用として販売できなくなります。  本病の胞子の飛散は降雨で促進されるため、開花期頃から曇雨天など湿度の高い気象条件が続くと多発しやすくなります。今作では本病が感染しやすい開花期頃に感染に好適な気温と降雨が続き、県では4月16日に注意報を発表し防除を呼びかけています。
    【対策】
     すでに防除は実施されていると思いますが、発病穂が多数見られるなら追加防除を行い、本病の感染拡大と病原菌によるかび毒の産生を防止します。薬剤はDMI系【3】のワークアップフロアブルやシルバキュアフロアブルの防除効果が高く、かび毒の産生防止にもなります。DMI系を連用している場合はトップジンM水和剤【1】やミラビスフロアブル【7】も適用があります。散布する場合は、各薬剤の使用回数の上限及び収穫前日数に注意してください。

  • うどんこ病
     葉色が濃く繁茂したほ場で発生しやすく、まず下葉に白いうどんこ状のカビが発生し、上位に進展すると上位葉が枯死して千粒重の低下等による品質や収量の低下につながります。主力品種の一つである「きぬあかり」は、過去に広く栽培されていた「農林61号」と比較して本病にやや弱く注意が必要です。
    【対策】
     発生が止まらず上位葉に進展する場合は、遅くとも上から2枚目の葉の発病初期までに薬剤を散布します。赤かび病で記載した各薬剤による同時防除が可能です。


ウンシュウミカン


  • そうか病
     病原菌は葉や枝の病斑で越冬します。越冬した病原菌の胞子は雨により飛散し、若い葉や幼果に付着して発病します。昨年発生した園地では越冬病原菌量が多い可能性があり、感染予防対策が重要です。
    【対策】
     感染から発病まで果実では10日程度かかるため、発病前の落弁期における幼果への感染予防が効果的であり、黒点病の防除時期にも重なります。5月中旬以降は落弁期を過ぎた園地が多いと思われますので、防除していない場合は至急散布し、その後も梅雨期までは定期的にフルーツセイバー【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、ナリアWDG【7+11】などを黒点病防除と兼ねて散布します。なお、発病葉があれば枝ごと除去しましょう。

  • ミカンハダニ
     気象予報では今後の気温は高く推移する予想から、平年よりやや早く発生し、やや多くなる可能性があります。
    【対策】
     園地内で例年発生が始まりやすい場所の発生状況を観察し、早期発見により多発する前に初期防除を行います。適用薬剤はコロマイト水和剤【6】やマイトコーネフロアブル【20D】、ダニオーテフロアブル【33】など多いのですが薬剤感受性が低下しやすいため、各薬剤の使用回数は年1回に止め、系統の異なる薬剤をローテーション散布します。感受性低下の可能性が低いマシン油を成分とする薬剤の利用も効果的ですが、薬害防止のため高温時や樹勢が弱い場合の使用は避けるとともに、殺菌剤のデランフロアブルとは30日以上間隔を空けて散布してください。なお、アザミウマ類やカメムシ類等の防除に有機リン系【1B】やピレスロイド系【3A】の薬剤を連続して使用した場合、土着天敵が減少し本種が増加しやすいので、これらの系統を連用した場合は発生状況に特に注意しましょう。


ナシ


  • 黒星病
     降雨のたびに病斑上や昨年罹病した落葉にできた胞子が飛散し、健全な果実や葉に感染します。果実への感染時期は一般的に開花期頃から6月上旬頃までですが、被害を受けやすい「幸水」では満開75〜90日後頃も感染しやすくなります。なお、今年は例年より早く初発が確認されているため、4月30日には県から発生が多いと予想する発生予察注意報が発表され、予防的防除を促しています。
    【対策】
     発病葉や発病果を見つけたら除去します。防除薬剤はアンビルフロアブル【3】やカナメフロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、アイーナ20フロアブル【52】など多くあります。本病は耐性菌が発生しやすいので、系統ごとのローテーション散布を行いましょう。また、耐性菌が発生しにくい予防主体の保護殺菌剤であるトレノックスフロアブル【M03】やベルクートフロアブル【M07】も利用しましょう。

  • アブラムシ類
     4月下旬には新梢に発生したほ場が見られます。今後は平年より高い気温が予想されているため、今後の発生量の増加に注意してください。
    【対策】
     薬剤散布では他の害虫との同時防除も考慮し、シンクイムシ類やカイガラムシ類との同時防除ができるオリオン水和剤40【1A】やモスピラン顆粒水溶剤【4A】、カイガラムシ類との同時防除ができるトランスフォームフロアブル【4C】やコルト顆粒水和剤【9B】などを選択するなど、殺虫剤の散布回数が過剰にならないよう配慮してください。


モモ


  • せん孔細菌病
     本病の病原は細菌であり、風を伴った降雨があると枝の病斑から飛散し、気孔や傷口から感染が進みます。近年の発生量はやや少ない傾向が続いていましたが、県の調査では今年は4月下旬には主要産地で発病枝が確認されており、平年より多い状況です。定期的な降雨も予想されていますので、例年発生する園地を中心に発病の早期発見と初期防除に努めてください。
    【対策】
     枝病斑は果実への強力な伝染源となります。摘果作業時などで見つけた発病枝や発病葉は除去し、園外に持ち出して伝染源を減らしましょう。特に上方にある枝の病斑から感染が拡大しやすいので、発見と除去に努めましょう。発生した園では果実への伝染防止のため早めに袋かけを行いましょう。細菌病であり治療効果のある薬剤は少ないため防除は枝病斑からの伝染予防に重点を置き、トレノックスフロアブル【M03】やデランフロアブル【M09】などを10〜14日間隔で散布します。降雨前のタイミングで散布すると効果的です。発生が多い園地では、治療効果があるスターナ水和剤【31】やバリダシン液剤5【U18】などを散布します。なお、適用のある薬剤には収穫前日数が長い薬剤が多いため、薬剤のラベルの使用方法を必ず確認して使用してください。

  • ナシヒメシンクイ
     越冬世代の成虫がモモやウメの新梢などに産卵し、その幼虫が新梢先端に移動して食入し芯折れを起こします。県の情報によれば、フェロモントラップへの成虫の誘殺数は3月下旬から4月上頃に平年より多かった地域があり、芯折れの多発に注意しましょう。また、その後はナシにも飛来し果実を加害しますので、ナシ園でも今後の多発に注意しましょう。
    【対策】
     芯折れした枝は、食害されていない部分を含め切除しましょう。今後は世代が進むにつれ成虫が途切れなく発生しますので、芯折れの発生が多かったり毎年被害がある園地では、定期的な薬剤散布を行い果実への食入を防止しましょう。モモの主な適用薬剤として、オリオン水和剤40【1A】やモスピラン顆粒水溶剤・ダントツ水溶剤【4A】、テッパン液剤【28】などがあります。


ブドウ


  • 黒とう病
     県の調査では、4月下旬の枝病斑は平年よりやや多くなっています。数年前には5月に被害が急増した事例があり、本病に弱いとされるシャインマスカットなど欧州系品種や昨年発生した園地では、新梢や新葉での初発に留意してください。本病原菌は降雨が続くと胞子を形成し、雨水とともに飛散して伸長中の新梢に感染します。その後は梅雨期をピークに二次感染を繰り返して葉や果実に感染します。若い組織が侵されやすく、最初は黒褐色の斑点を生じ、やがて拡大して中が灰白色で周辺が鮮紅色〜紫黒色の陥没病斑となります。
    【対策】
     病斑を早期発見して発病部位を除去します。薬剤防除は梅雨明けや袋かけまで晩腐病やべと病の防除を兼ねた定期的な散布が望ましく、特に降雨前の予防散布が効果的です。適用薬剤は、保護殺菌剤でべと病及び晩腐病との同時防除が可能なデランフロアブル(落弁期まで)【M09】やペンコゼブ水和剤【M03】、オーソサイド水和剤80【M04】、ドーシャスフロアブル【M05+21】などがあります。他に本病に治療効果もあるオンリーワンフロアブル【3】やカナメフロアブル【7】、スクレアフロアブル【11】等がありますが、これらの系統は耐性菌が発生しやすく系統間のローテーション散布を行ってください。薬剤がかかりにくい園の周囲や、新梢や徒長枝など感染しやすい枝葉にも十分かかるよう、手散布などで補完することも大切です。

  • べと病
     発生量は平年並の予想ですが、黒とう病と同様に雨水で胞子が移動・飛散し、特に開花期から幼果期に降雨が連続すると短期間でも感染が広がります。葉では不明瞭な淡黄色斑点が現れ、裏面に白色のかびが生じます。幼果では表面が鉛色に硬くなり生育が止まり、白色のかびが生じます。窒素過多による柔らかい葉や遅く伸びた新梢に多く発生します。
    【対策】
     降雨の合間における薬剤散布で感染を予防することが重要であり、黒とう病と同様に他の病害も含めた定期的防除が効果的です。黒とう病の欄に記載した保護殺菌剤はべと病にも適用があります。発生した場合は被害葉や被害果を除去し二次感染を防ぐとともに、ランマンフロアブル【21】やレーバスフロアブル【40】など本病に治療効果がある薬剤を、新梢にも十分かかるよう散布します。


カキ


  • 炭疽病
     発生量はやや少ない予想ですが、病原菌は主に雨水により胞子が飛散して感染が広がりますので、降雨が続くと発病しやすくなります。最初は新梢に円形から楕円形のややへこんだ病斑が形成され、新梢に発病が多いと果実の発病も多くなります。「富有」は発生が比較的多い傾向があります。
    【対策】
     発病した枝や果実があれば除去して二次感染を防ぐとともに、不要な徒長枝を切除しましょう。薬剤防除はデランフロアブル【M09】やペンコゼブ水和剤【M03】、オンリーワンフロアブル【3】、ナリアWDG【7+11】などを発生初期までに散布し、幼果への感染拡大を防ぎましょう。なお、耐性菌が確認された事例がありますので、同一系統薬剤の連用は避けましょう。

  • うどんこ病
     本病は若い葉の裏に小黒点の病斑が発生し、病斑上の胞子が風で飛散し二次感染を起こします。発病葉は早期に落葉します。
    【対策】
     発生が見られ始めると急激にまん延しやすいので、初発時を逃さずに防除を行います。この時期に発生が見られれば、オンリーワンフロアブル・スコア顆粒水和剤【3】やナリアWDG【7+11】など、炭疽病にも適用のある薬剤で同時防除する方法があります。なお、耐性菌発生を防ぐため同一系統薬剤の連用は避けましょう。


果樹共通


  • 果樹カメムシ類
     一昨年秋には全国で多発し、カキやナシ、ミカン園などに多数飛来して果実などに吸汁害を起こし大きな問題となりました。
     本県における果樹を加害するカメムシの主な種は、落葉などの下で越冬するチャバネアオカメムシと、主に常緑樹などの樹冠内で越冬するツヤアオカメムシです。県の情報では、チャバネアオカメムシの越冬成虫密度は平年並でしたが、一部の地域ではフェロモントラップに平年より早くから成虫が誘殺されています。今後は平年よりやや高い気温と予想されているため、果樹園への早期飛来に注意してください。
    【対策】
     薬剤による飛来前の予防は困難なため、産地でトラップがあればその誘殺数が急増した場合や園地及びその周辺で飛来を確認したら、アクタラ顆粒水溶剤・スタークル顆粒水溶剤【4A】などを速やかに散布します。本剤を含め品目ごとに適用薬剤は違いますので、農薬のラベルで目的とする樹種に適用があるか必ず確認してください。
  • チャノキイロアザミウマ
     ブドウやカキなど多くの果樹に寄生し、果実を長期にわたり加害します。果樹園の防風用のイヌマキやサンゴジュは発生源になりますので、これらの発生状況にも注意しましょう。
     防除適期は成虫発生のピーク時です。県のWebサイト「あいち病害虫情報」で地域別の防除適期が定期的に公表されますので参考にしてください。4月30日発表の予察情報では、県内平坦地域における防除適期(第1世代成虫)は前年より7〜9日早い5月8日(名古屋)〜13日(南知多)頃、次の適期(第1世代成虫)はその概ね1か月後の6月3日(名古屋、大府)〜12日(南知多)頃と予想されています。適用薬剤はブドウとカキではコルト顆粒水和剤【9B】やモベントフロアブル【23】などがあり、作物ごとに多くの適用薬剤があります。薬剤の感受性が低下しないよう異なる系統によるローテーション防除を行ってください。
    【対策】
     薬剤による飛来前の予防は困難なため、産地でトラップがあればその誘殺数が急増した場合や園地及びその周辺で飛来を確認したら、アクタラ顆粒水溶剤・スタークル顆粒水溶剤【4A】などを速やかに散布します。本剤を含め品目ごとに適用薬剤は違いますので、農薬のラベルで目的とする樹種に適用があるか必ず確認してください。

キャベツ


  • コナガ
     発生量は平年並ですが、今後の気温は高い予想から収穫期が遅い作型では発生量の増加に注意が必要です。
    【対策】
     発生があれば収穫前日数に注意して薬剤を選択し、薬液が葉裏にも十分かかるよう散布しましょう。薬剤はフィールドマストフロアブル【4E】、スピノエース顆粒水和剤・ディアナSC【5】、アファーム乳剤【6】、フローバックDF(BT剤)【11A】、トルネードエースDF【22A】、ファインセーブフロアブル【34】など多くありますが、本虫は同一系統薬剤の連用で効果が低下しやすく、系統ごとのローテーション散布に心がけましょう。

キャベ・ブロ


  • 黒すす病
     近年、一部地域で発生が増加しています。病原菌は発病株やその残渣の病斑上から胞子が飛散して伝染します。生育に最適な気温は25℃前後で降雨があると感染が増加します。今作では4月に降雨が多かったため、ブロッコリーでは4月後半には下葉に発病初期の黒点病斑が見られるほ場があり、花蕾への進展を防止することが大切です。
    【対策】
     予防的な防除に努めるとともに、葉の病斑を確認したら速やかに防除しましょう。ただし、本病原菌には薬剤に耐性を獲得した系統があり、防除薬剤の選択やローテーションに関しては産地のJAや県農業改良普及課にご相談ください。なお、発生したほ場では収穫後の残渣をほ場外へ持ち出し処分するか、残渣が地表に出ないようていねいにすき込みます。


タマネギ


  • べと病
     前年に感染した越年罹病株が2〜3月頃から発病し、この発病株に形成される胞子が二次伝染源となり周辺の健全株が感染して多発を招きます。発病株は草丈が低く葉が黄化して外に湾曲し、降雨の後には全身にカビが生じる場合もあります。  今年は3月頃から発生ほ場が見られ、4月の多雨により感染が拡大している可能性があります。
     本病は空気伝染性であり、病斑から飛散した胞子は害虫の食害等による傷や古い花弁が付着した部分、枯死した部分から植物体内へ侵入し、感染が拡大します。この時期は昼間の気温が上昇し一日の気温格差が大きくなり、暖房機の停止や運転時間が短くなるため結露など本病の発生に好適な多湿条件となりやすく、発生に注意が必要です。
    【対策】
     収穫が遅い品種では発生があれば直ちに発病株を抜き取って処分し、オロンディスウルトラSC【40+49】やピシロックフロアブル【U17】など治療効果もある薬剤で感染の拡大を防ぎます。収穫期が近いので、薬剤のラベルの収穫前日数を必ず確認してください。多発ほ場では病原菌がほ場に残存しないよう収穫後の残渣をほ場の外へ持ち出し処分するとともに、次作では排水対策や発病が見られる前からの予防散布に努めましょう。


施設トマト


  • コナジラミ類(黄化葉巻病)
     コナジラミ類は今作も各地域で春先から増加し、多発した施設も見られます。本県で主に発生しているのは、すす病の発生だけでなく黄化葉巻病及び黄化病の病原ウイルスを媒介するタバココナジラミのバイオタイプQであり、黄化葉巻病が多発した施設も見られます。本虫は施設内でしか越冬できませんが、この時期は換気や収穫終了により施設から屋外に飛散します。ウイルスを保毒した本虫は屋外で露地トマトにウイルスを感染させながら増殖し、感染したトマトを吸汁した保毒虫が次作の施設トマトに飛来します。
    【対策】
     本虫の多発による果実の収量や品質の低下だけでなく、施設とその周辺作物における病原ウイルスの伝染環を断ち切るためにも施設内の防除を徹底しましょう。ベストガード水溶剤【4A】、トランスフォームフロアブル【4C】、ディアナSC【5】、アグリメック(ミニトマトには適用なし)【6】、コルト顆粒水和剤【9B】、ベネビアOD【28】、エフィコンSL【36】などにより、収穫前日数に注意しながら薬剤のローテーションを実施します。サフオイル乳剤・エコピタ液剤・ピタイチ【未】などの気門封鎖剤は感受性低下の可能性は低く、虫体に直接かかるよう7日間隔で2〜3回程度散布すれば効果的です。なお、トマトとミニトマト(果径3cm以下)では適用薬剤やその使用方法が違いますので、ラベルの表示事項を遵守して使用してください。
     収穫終了後は茎を株元で切ったのち施設を密閉して蒸し込みを行ってトマトを枯死させるとともに、保毒虫を施設外に飛散させず全滅させましょう。

施設ナス


  • うどんこ病
     本病原菌の適温は25℃前後で他の病害に比べ比較的高温かつやや乾燥した環境条件ですので、この時期の発病の増加に注意が必要です。
    【対策】
     まん延してからの防除は困難ですので、発生があれば速やかに防除しましょう。適用がある薬剤はトリフミン水和剤【3】、ケンジャフロアブル・パレード20フロアブル【7】、フルピカフロアブル【9】、クロスアウトフロアブル【50】、パンチョTF顆粒水和剤【U06+3】など多くありますが、本病も薬剤感受性の低下を起こしやすく、系統ごとにローテーション防除を行いましょう。発生初期であれば、カリグリーン【NC】、ジーファイン水和剤【NC+M01】など使用回数制限がなく感受性低下が起きにくい薬剤を、概ね1週間間隔で葉裏までムラのないように散布する方法もあります。

  • ハダニ
     発生がない施設が多い一方で、発生が見られる施設もあります。今後は平年より高い気温が予想されていますので、発生施設では急激な増加に注意が必要です。
    【対策】
     葉のかすり状の被害など、スポット的に発生する初期段階を管理時に早期発見して防除します。ダニサラバフロアブル【25A】やダニオーテフロアブル【33】など、タバコカスミカメやカブリダニ類などの天敵導入施設でも利用できる薬剤もあります。なお、ハダニ類は薬剤感受性が低下しやすいため、同一系統の薬剤は1作で1回までの使用としましょう。ピタイチやエコピタ液剤などの気門封鎖型農薬【未】は薬剤感受性が低下しにくいので、概ね5〜7日間隔で虫体に直接かかるよう葉裏にも十分に散布すると良いでしょう。ただし、気門封鎖剤はこの時期は高温時など環境条件により薬害が発生する場合がありますので、ラベルの注意事項を確認し必要に応じて数株で試行してください。

施設キュウリ


  • べと病
     一部の施設では昨秋から発生が続き、平年よりやや多い状況です。本病は葉脈に区切られた角型の病斑ができ、葉裏には薄いビロード状のカビが見られます。本病が発生しやすい環境は気温20〜24℃かつ多湿条件であり、樹勢が低下すると多発しやすくなります。
    【対策】
     送風や天窓の開閉等により、生育に影響しない範囲で過湿にならない環境管理に努めましょう。また、適度な追肥や摘果で樹勢を維持しましょう。適用のある薬剤はペンコゼブ水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】など予防主体の保護殺菌剤や、アリエッティC水和剤【P07+M04】、フェスティバルC水和剤【40+M01】、プロポーズ顆粒水和剤【40+M05】、ベジセイバー【7+M05】など治療も兼ねた薬剤がありますが、多発すると病勢が止まりにくいため、予防を目的とした定期的なローテーション防除が大切です。病勢が進展するなら、発病葉を除去し4〜5日間隔の連続散布で被害の拡大を防ぎましょう。

ナス・キュウリ


  • アザミウマ類
     主要な種はミナミキイロアザミウマです。白く舞うコナジラミ類成虫に比べ目立ちませんが、果実を加害し傷を生じ商品価値を下げるため少発生でも重要な害虫です。また、キュウリでは黄化えそ病の病原ウイルスを媒介します。今作は秋から発生が多い傾向が続いています。
    【対策】
     青色粘着板などで発生量の把握に心がけ、発生量や果実の被害が増えるようなら早めに防除しましょう。ナス及びキュウリに適用のある薬剤はアファーム乳剤・アグリメック【6】、コテツフロアブル【13*】、モベントフロアブル【23】、グレーシア乳剤【30】、プレオフロアブル【UN*】など多くありますが、薬剤感受性が低下しやすいため同一系統の薬剤を連用しないよう注意してください。なお、コナジラミ類にも適用のある薬剤が多いので、両種の発生があり防除を行う場合は、各薬剤の使用回数の上限に注意し同時防除も考慮して薬剤を選択し、散布回数を必要最小限にしましょう。薬剤が効きにくく秋から発生が多かった施設では、天敵農薬であるスワルスキーカブリダニ剤(スワルバンカーロングなど)をコナジラミ類防除と兼ねて定植後から導入する方法もありますので、次作ではご検討ください。また、次作に向け防虫ネット(コナジラミ類防除と兼ねて網目0.4mm以下が望ましい。)が破損していないかも点検しましょう。赤色系ネットは、従来のネットよりアザミウマ類の侵入防止効果が高いとされています。

  • 灰色かび病
     気温20℃前後かつ多湿条件下で発生しやすくなります。今作も3月頃から発生が急増した施設があります。本病は空気伝染性であり、病斑から飛散した胞子は害虫の食害等による傷や古い花弁が付着した部分、枯死した部分から植物体内へ侵入し、感染が拡大します。この時期からは気温が上昇し発生もやや落ち着く傾向がありますが、過度な多湿条件では引き続き増加しますので注意は必要です。
    【対策】
     換気、送風を含めた環境制御に留意してください。下葉の摘葉、発病果や発病葉の除去、古い花弁の摘み取りも効果的です。
     本病に適用のある薬剤は各作物ともに多いのですが、本病原菌は薬剤の感受性低下が起きやすいため異なる系統の薬剤によるローテーション防除を行い、同一系統薬剤の連用や多用を避けましょう。QoI系【11】やSDHI系【7】の薬剤は治療効果が高いのですが県内で薬剤耐性菌の発生が確認されていますので、連用は避け使用回数も必要最小限にとどめましょう。




☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。