最新の病害虫情報

新着情報

※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

防除のポイント(3/16更新)

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ムギ ナシモモ ブドウ
キャベツ タマネギトマト(施設)ナス(施設)
キュウリ(施設) イチゴ(施設)
                       
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ムギ
赤さび病 やや多い
うどんこ病
赤かび病 やや多い
ナシ
黒星病 やや少ない
モモ
せん孔細菌病 やや少ない
ブドウ
黒とう病 やや多い
キャベツ
コナガ
タマネギ
白色疫病
べと病
トマト(施設)
疫病
灰色かび病
葉かび病
すすかび病 やや少ない
コナジラミ類 やや多い
ナス(施設)
うどんこ病 少ない
灰色かび病
すすかび病 やや少ない
ミナミキロアザミウマ やや多い
キュウリ(施設)
べと病
うどんこ病
灰色かび病
ミナミキイロアザミウマ 多い
イチゴ(施設)
灰色かび病
うどんこ病
ハダニ類

ムギ


  • 赤さび病
     本病は葉に赤褐色で粉状の病斑ができ、多発すると茎葉が枯れあがり減収につながります。県の情報では、2月から3月にかけて気温12℃〜20℃かつ降雨が4日以上あると多発しやすいとされます。今年は2月下旬に気温が高く降雨があった日が複数回あり、3月も定期的な降雨が予想されているため、発生に注意する必要があります。
    【対策】
     本病の防除適期は、1回目は茎立ち10日後頃から止葉抽出期(出穂10日前頃)まで、2回目は開花期頃(出穂7〜10日後)です。発生があればイントレックスフロアブル【7】やアミスター20フロアブル【11】などを散布しましょう。播種期が早いなど1回目の防除適期が過ぎてしまった場合は、2回目の防除適期である開花期頃に赤かび病やうどんこ病にも適用のある薬剤(ワークアップフロアブル【3】やチルト乳剤25【3】など)で同時防除を行いましょう。
  • うどんこ病
     本病は過繁茂かつ葉色の濃いほ場で発生しやすく、上位葉に進展すると葉が枯れて収量や品質の低下につながります。一昨年の暖冬年のように2月から発生が見られると、その後に多発して上位葉まで進展する可能性が高まりますが、今年は2月までの発生は確認されていません。しかし、気象庁の3か月予報では春は高温傾向が続く予想のため発生が急増することも想定され、県が発表する病害虫発生予察情報に留意するとともに、初発に注意し初期防除を逃さないようにしてください。なお、主力品種である「きぬあかり」は、うどんこ病にやや弱いため特に注意が必要です。
    【対策】
     上位葉が発病すると被害が大きくなるので、この時期に発生があれば止葉が抽出する時期までに防除すると効果的です。止葉抽出期が過ぎた場合、赤かび病との同時防除として開花期に両病害に効果がある薬剤を散布します。開花期後に上位葉へ進展し始めた場合は、再度、薬剤を散布します。DMI系【3】のワークアップフロアブル、シルバキュアフロアブル、チルト乳剤25の効果は高く赤かび病との同時防除も可能ですが、本病が多発した場合はDMI系薬剤の連用を避けるために、トップジンM水和剤【1】など別系統の薬剤の利用も検討してください。QoI系【11】のアミスター20フロアブルやストロビーフロアブルは薬剤感受性が低下しやすいので注意します。
  • 赤かび病
     近年、5月以降に多発するほ場が見られ、今年も越冬病原菌が多いと予想され発生が多くなる可能性があります。本病の病原菌は小麦や稲わら、イネ科雑草等の植物残さで越冬し、春になると胞子が飛散し降雨で促進されるため、出穂期以降に曇雨天など湿度の高い気象条件が続くと多発しやすくなります。本病は、穂に桃色のかびを生じ収量や品質が低下する直接的な被害とともに、病原菌が産生するかび毒が一定基準値以上になると食用として販売ができなくなるため、小麦の最重要病害です。
    【対策】
     本病は予防対策が重要です。高い予防効果が得られる防除適期は開花始期から開花期(1穂につき数花開花をしているものが全穂数の40〜50%に達した日)までの間であり、小麦栽培では必須です。麦の生育状況の把握とともに県の発生予察情報等も参考にして、概ね出穂期の7〜10日後である開花期を予測し計画的な防除を実施しましょう。高温傾向が続けば出穂期・開花期が早まる可能性があるので、防除適期を逃さないよう留意してください。開花期後に曇天や小雨が続けば開花期防除から10〜20日後に再度防除して、病原菌の感染防止とともに感染した病原菌によるかび毒の産生を防止します。
     防除薬剤はDMI系【3】であるワークアップフロアブル、シルバキュアフロアブル、チルト乳剤25の効果が高く、赤さび病やうどんこ病にも適用があります。ただし、DMI系薬剤の連用による耐性菌の発生を防止するため、赤かび病防除を複数回実施する場合は別系統のミラビスフロアブル【7】やトップジンMゾル【1】等との組み合わせも検討してください。

ナシ


  • 黒星病
     本病は芽基部の病斑上にできた胞子が、開花初期頃から降雨のたびに周囲に飛散して幼果に感染します。また罹病した落葉が園地に残っていると、そこから胞子が飛散して感染につながります。果実への感染は一般的に開花期頃から6月上旬頃までですが、「幸水」では、満開75〜90日後頃も感染しやすくなります。
    【対策】
     黒いすす状の病斑があるりん片芽や新梢基部、花そう基部は見つけ次第切除しましょう。前作で本病が発生した園地では、りん片脱落期頃までにデランフロアブル【M09】やオキシラン水和剤【M01+M04】などを散布しましょう。開花前から満開20日後頃までは一次感染防止のための重要な防除時期ですので、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】やミギワ20フロアブル【52】など、赤星病との同時防除ならスコア顆粒水和剤【3】やカナメフロアブル【7】、チオノックフロアブル【M03】などを定期的に散布して病斑上の胞子形成と飛散を防ぎましょう。なお、薬剤感受性の低下を防ぐため、同一系統の薬剤を連用しないようにしましょう。開花期は3月以降の高温予想で早まる場合もあり、防除作業が遅れないよう注意してください。


モモ


  • せん孔細菌病
     病原細菌は新梢の皮部組織内で越冬し、4月頃に表皮が油浸状紫黒色に変化して広がり、その後へこんだりひび割れができる春型枝病斑を形成し、増殖した細菌が降雨とともに周囲に飛散します。前作の被害が多かった園では越冬菌量は多いと予測されます。
    【対策】
     春型枝病斑は見つけ次第切り取って伝染源を減らしましょう。また、感染が疑われる枝(発芽が悪い、芽が欠落や枯死している、展葉が遅い、葉が短い、枝が変色している)も切除しましょう。本病の病原は細菌のため治療効果のある薬剤はごく少なく、銅剤等による予防対策が重要です。開花期までにICボルドー412【M01】やカスミンボルドー【M01+24】、コサイド3000【M01】などをていねいに散布して枝病斑からの伝染を予防します。開花期を予測し、防除作業が遅れないよう注意しましょう。また、発生量が多かったり風の強い場所では防風ネットを展張して風すれによる傷の発生を防ぎ、病原細菌が感染しにくい環境を作りましょう。毎年多発する園地では、費用は掛かりますが雨除けを設置すると効果的です。


ブドウ


  • 黒とう病
     前作で発生が多かった園地や品種では、罹病枝や巻きひげなどで越冬している菌量が多いと思われます。越冬した菌は春に降雨が続くと胞子を形成して一次伝染源となり、雨水とともに飛散して伸長中の新梢に感染します。その後は梅雨期をピークに二次伝染を繰り返し、葉や果実にも感染します。降雨が発病を誘発するため、ハウス栽培では発生が比較的少なくなります。欧州系品種は本病に弱く、栽培が増えているシャインマスカットは特に弱いので注意してください。
    【対策】
     伝染源となる棚に残った巻きひげや罹病枝は萌芽前までには取り除き、園外に持ち出して処分します。萌芽したばかりの軟らかい新梢や新葉は感染しやすく、発病部位は見つけ次第除去してください。薬剤防除は、休眠期防除としてデランフロアブル【M09】やベンレート水和剤【1】などを休眠期(萌芽直前まで)にていねいに散布します。スピードスプレーヤーでは薬剤が届かない場所がありますので、手散布で補完することも大切です。


キャベツ


  • コナガ
     露地でも休眠せずに越冬しています。2月までは平年並の発生量でしたが今後の気温は平年よりやや高いと予想され、世代交代が早くなり増殖しやすくなるため、秋から冬に発生が見られたほ場ではこの時期の発生量増加に注意してください。
    【対策】
     発生量が少ないうちに薬液が葉裏にも十分かかるよう防除しましょう。薬剤はフィールドマストフロアブル【4E】、スピノエース顆粒水和剤・ディアナSC【5】、アファーム乳剤【6】、フローバックDF(BT剤)【11A】、トルネードエースDF【22A】、ファインセーブフロアブル【34】など多くありますが、本虫は同一系統薬剤の連用で効果が低下しやすく、薬剤系統ごとのローテーション散布に心がけましょう。なお、他のアブラナ科作物もコナガは重要害虫ですが、作物の種類により適用のある薬剤は違いますので、各薬剤のラベルの使用方法を必ずご確認ください。


タマネギ


  • 白色疫病
     病原菌は比較的低温時に雨水により伝染しますので、厳冬期を除く晩秋から4月頃までに降雨が多いと発生します。今冬は降雨量はごく少なく推移し発生は少なかったと思われますが、灌水過多により本病が発生した事例もあり、過度な灌水と排水不良にならないよう注意してください。今後は気温が上昇し降雨が続くと本病の発生に好適な条件となり、低湿な場所から発生し急速にまん延しやすくなります。
     発病株は主に葉身の中央に浸みたような不明瞭な病斑を生じ、後に白色となった病斑から折れて下垂し枯死します。
    【対策】
     降雨前にほ場の排水対策を確認するとともに、発病株は直ちに抜き取りましょう。予防としてジマンダイセン水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】、フロンサイドSC【29】などを2週間程度の間隔で散布しましょう。降雨が続いたり発生があればシグナムWDG【7+11】やリドミルゴールドMZ【M03+4】など治療効果もある薬剤を散布し、被害の拡大を防ぎましょう。なお、収穫が始まる場合は各薬剤の収穫前日数に注意してください。
  • べと病
     前年に感染した越年罹病株があるとこの時期から発病し始めますが、気温が平年より高くなると発病は早まります。発病株は草丈が低く葉が黄化して外に湾曲し、降雨の後には全身にかびが生じる場合もあります。この発病株に形成される胞子が二次伝染源となり、周辺の健全株に伝染して多発を招きます。
    【対策】
     白色疫病と同様に降雨によって感染が拡大しやすいため、排水対策と発病株の抜き取りが重要です。なお、白色疫病の欄に例示した薬剤は本病にも適用があり、他にも両病害に適用がある薬剤は多いので、定期的な散布による同時防除が可能です。


施設野菜


  • 灰色かび病
     トマト、ナス、キュウリ、イチゴなど多くの施設野菜における重要な病害で、気温20℃前後かつ多湿条件下で発生しやすくなります。今作では1月が低温傾向で暖房機がフル稼働していたため過湿にならず発生は比較的少なかったのですが、2月後半頃から発生施設が増加しています。
     本病は空気伝染性であり、病斑から飛散した胞子は害虫の食害などによる傷や古い花弁が付着した部分、枯死した部分から植物体内へ侵入し、感染が急激に拡大します。3月から4月にかけては一日の気温格差が大きくなり暖房機の運転時間が短くなるため、結露など本病の発生に好適な多湿条件となりやすく、発生に注意が必要です。
    【対策】
     施設内の湿度を生育に影響しない程度に低く保つとともに、特にこの時期は朝夕の急激な温度変化を防ぐよう暖房機の運転時間や温度設定とともに換気、送風などの環境制御に留意してください。下葉の摘葉、発病果や発病葉の除去、古い花弁の摘み取りも効果的です。 本病は急激にまん延しやすいため、発病初期までの予防散布に重点を置きましょう。本病に適用のある薬剤は各作物ともに多いのですが、病原菌は薬剤の感受性低下が起きやすいため異なる系統の薬剤によるローテーション防除を行い、同一系統薬剤の連用や多用を避けましょう。QoI系【11】やSDHI系【7】の薬剤は治療効果が高いのですが県内で薬剤耐性菌の発生が確認されていますので、使用する場合は栽培期間中の使用回数をなるべく減らし連用は避けてください。耐性菌が発生しにくく使用回数の制限がない炭酸水素カリウム剤(カリグリーン【NC】)や微生物農薬(エコショット・ボトキラー【BM02】)を、発病初期から定期的に散布する方法もあります。
  • うどんこ病
     適温は25℃前後であり、他の病害に比べ比較的高温かつやや乾燥した環境条件で発病しやすい病害です。今作では11月から12月に平年より気温が高い時期が多かったため、ナスでは各産地で平年よりやや多く発生し、キュウリやイチゴでも一部の施設で発生が見られました。厳冬期はいったん減少しましたが、気温が上昇するこの時期から再び増加します。灰色かび病と同様に発生するとまん延しやすいので、発生初期までの予防対策が重要です。
    【対策】
     発生があれば速やかに防除しましょう。ナス、キュウリ、イチゴに適用がある薬剤はベルクートフロアブル【M07】、トリフミン水和剤・スコア顆粒水和剤【3】、パレード20フロアブル・アフェットフロアブル【7】、フルピカフロアブル【9】、ショウチノスケフロアブル【9+U13】、フセキワイドフロアブル【M07+53】などがあり、各作物ごとではさらに多くの適用薬剤があります。本病も薬剤感受性が低下しやすいので、同一系統の薬剤に偏らないローテーション防除に努めましょう。発生初期には、使用回数制限がなく連用しても感受性が低下しにくいカリグリーン【NC】やジーファイン水和剤【NC+M01】を病斑に当たるよう概ね1週間間隔で葉裏までムラなく散布する方法があります。

トマト


  • 葉かび病・すすかび病
     いずれも発生が増加しやすい時期であり、主に下葉の葉裏からかびを生じます。葉かび病に比べてすすかび病は葉の表面にかびが多く生じること、裏面のかびが盛り上がらないことから大まかに判別できます。また、葉かび病抵抗性品種に葉かび病に似た症状が発生したら、すすかび病が疑われます。すすかび病は葉かび病よりやや高温を好む特徴もあります。
    【対策】
     対策は灰色かび病と基本的には同様であり、急激な温度変化をなくし結露させない温度管理に心がけるとともに、施設内の送風や換気を図るなど湿度を低下させる環境制御を行いましょう。また、下葉の摘葉やマルチも過湿防止に有効です。
     両病害に適用がある主な薬剤は、ペンコゼブフロアブル【M03】、トリフミン乳剤・ラリー乳剤【3】などです。さらに灰色かび病も含めて適用がある主な薬剤は、ダコニール1000【M05】、アフェットフロアブル・パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】などですが、灰色かび病の欄に記載したように同一系統の薬剤に偏らないローテーション防除に努めましょう。
  • 黄化葉巻病・コナジラミ類
     黄化葉巻病は、タバココナジラミが病原ウイルス(TYLCV)を媒介して伝染します。県内では、タバココナジラミの中でも薬剤感受性が低下したバイオタイプQが優占し、近年、多くの作物で発生量の多い状況が続いています。タバココナジラミは低温に弱く屋外では越冬できませんが加温施設内では冬期もゆるやかに増殖し、今後の気温上昇で急増する場合があります。また、ウイルスを保毒したコナジラミによる黄化葉巻病の伝染も続いています。なお、県内ではタバココナジラミとオンシツコナジラミが媒介する病原ウイルス(ToCV)による黄化病の発生も見られますが、防除対策は黄化葉巻病と同様です。
    【対策】
     黄化葉巻病の病原ウイルスの伝染環を断ち切るには、屋外にはトマトもコナジラミもいないこの時期までに施設内のコナジラミ類の防除を徹底するとともに、ウイルスに感染した株を除去することが効果的です。黄化葉巻病耐病性品種はウイルスに感染しても病徴は出にくいのですが感染源にはなりますので、耐病性品種の栽培施設でも産地内の病原ウイルスの伝染環を断つため、コナジラミ類防除は同様に実施してください。また、トマトの残渣を施設周辺に放置し、ウイルス感染株やコナジラミ発生の温床になる事例が見られます。埋設するなど適切に処分しましょう。施設周囲の防虫ネット(網目0.4mm以下が必須)はこの時期に破損がないか再点検し、本虫の施設への出入りを防ぎましょう。
     薬剤は、訪花昆虫やタバコカスミカメなど導入天敵への影響日数や収穫前日数に注意しながらローテーション防除を実施します。バイオタイプQ幼虫に比較的効果が高いのは、ベストガード水溶剤【4A】、ディアナSC【5】、アグリメック(ミニトマトには適用なし)・アニキ乳剤【6】、コルト顆粒水和剤【9B】などがあります。ただし、これら薬剤を含め多くの薬剤で感受性が低下した事例があり、防除効果が低い場合は別系統の薬剤に切り替えてください。サフオイル乳剤・エコピタ液剤・ピタイチなどの気門封鎖剤は感受性が低下しにくく、虫体に直接かかるよう7日間隔で2〜3回程度散布すれば効果的です。なお、トマトとミニトマト(果径3cm以下)は農薬取締法上では別の作物となり適用薬剤やその使用方法が違いますので、必ずラベルの表示事項を確認して使用してください。

施設ナス


  • すすかび病
     冬期の発生量は比較的少なかったのですが、施設内の気温が高まるこの時期からは病斑上の胞子が飛散してまん延しやすくなりますので、灰色かび病と同様に注意が必要です。本病は葉の裏側に白っぽいかびが密生する小班点ができ、進展するとすす色のビロード状のかびとなります。病斑は5〜10mmほどの円形で健全部との境界はやや不明瞭です。葉の表側は黄褐色の病斑となります。なお、トマトのすすかび病とは病原菌の種類が違います。
    【対策】
     灰色かび病の対策に準じ、施設内の湿度が必要以上に高くしない環境制御が重要です。灰色かび病にも適用があり同時防除が可能な薬剤は、ニマイバー水和剤【1+10】、パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、ポリオキシンAL水溶剤【19】など多くありますので、灰色かび病防除を含めた系統間ローテーション防除を行ってください。
  • ミナミキイロアザミウマ
     本虫は微小でガクの裏側などに潜る性質もあるため、白色で舞うコナジラミ類成虫に比べ虫体を見つけにくいのですが、比較的低密度でもガクの裏側に生息する成幼虫が果実を吸汁し、縦方向かすり状の褐色のキズを発生させて商品価値を損ねる重要な害虫です。葉には葉裏にシルバリングと呼ばれる銀白色の吸汁痕ができ、その後、葉表の葉脈沿いにもかすり状の被害が見られます。今作は昨秋から発生の多い施設があり、気温上昇とともに被害が増加する可能性があります。
    【対策】
     初期発生は気づきにくく、出荷時の果実のキズの多さで初めて多発に気づく場合もあり、青色粘着板で発生量をモニタリングしたり葉や幼果の被害を確認し、発生があれば早めに防除します。防虫ネットが破損していないか点検も行いましょう。薬剤はベストガード水溶剤【4A】、ディアナSC【5】、アグリメック【6】、モベントフロアブル【23】、グレーシア乳剤【30】、ファインセーブフロアブル【34】などコナジラミ類にも適用がある薬剤も多くありますので、同時防除も考慮して効果的に使用するとともに使用回数を必要最小限にとどめましょう。コナジラミ類と同様に薬剤感受性が低下しやすいので、同一系統の薬剤を連用しないよう注意してください。また、訪花昆虫を導入している場合は薬剤の影響日数にも注意が必要です。なお、コナジラミ類防除と兼ねて天敵農薬であるスワルスキーカブリダニ剤(スワルバンカーロングなど)を定植後から導入する方法もありますので、次作ではご検討ください。

キュウリ


  • べと病
     発生量は平年並ですが一部の施設では昨秋から発生が続いています。発生しやすい環境は気温20〜24℃かつ多湿条件であり、樹勢が低下すると発生しやすくなります。本病は葉に葉脈に区切られた角型の病斑ができ、葉裏には薄いビロード状のかびが見られます。
    【対策】
     暖房機のダクト送風運転、天窓の開閉等により結露させない環境管理に努めましょう。また、適度な追肥や摘果で樹勢を維持しましょう。適用のある薬剤はジマンダイセン水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】など予防主体の保護殺菌剤や、アリエッティC水和剤【P07+M04】、フェスティバルC水和剤【40+M01】、プロポーズ顆粒水和剤【40+M05】、ベジセイバー【7+M05】など治療も兼ねた薬剤がありますが、多発すると病勢が止まりにくいため、予防を目的とした定期的なローテーション防除が大切です。病勢が進展するなら、発病葉を除去し4〜5日間隔の連続散布で被害の拡大を防ぎましょう。
  • ミナミキイロアザミウマ
     屋外では越冬ができませんが、施設内では発生し続けます。今作では昨秋から多くの施設で発生が見られます。厳寒期の増加は緩やかでしたが、発生施設では日射量が増して施設内の平均気温が20℃を超えると急増しやすいので注意してください。また、キュウリでは食害だけでなく黄化えそ病の病原ウイルス(MYSV)を媒介しますので、発生量が少なくても注意は必要です。
    【対策】
     施設周囲の防虫ネットが破損していないか点検を行いましょう。また、青色粘着板や葉や果実の被害から施設内の発生量を把握し、発生があれば早めに防除しましょう。本虫は花や新芽などの隙間を好み生息していますので、繁茂している場合はていねいに散布してください。
     適用薬剤はアファーム乳剤・アグリメック【6】、モベントフロアブル【23】、ベネビアOD【28】、グレーシア乳剤【30】など多いのですが、薬剤感受性が低下しやすいため系統間ローテーション防除を心がけ、防除効果が低い場合は他の系統の薬剤に切り替えます。コナジラミ類の発生があり防除を行う場合は、各薬剤の使用回数の上限に注意しながら同時防除も考慮して薬剤を選択し、散布回数を必要最小限にしましょう。薬剤が効きにくく発生が多い施設では、天敵農薬であるスワルスキーカブリダニ剤(スワルバンカーロングなど)をコナジラミ類防除と兼ねて定植後から導入する方法もありますので、次作ではご検討ください。

イチゴ


  • ハダニ類
     発生がない施設が多い一方で、昨年秋から発生が続いている施設も各産地で見られます。今後の気温は平年より高くなる予想から、発生施設では急激に発生密度が高まる可能性があります。
    【対策】
     下葉かきを徹底するとともに、葉かき等の管理や収穫作業時などに葉に白いカスリ状の食害痕ができ生育がやや劣る株がスポット的に発生し始める初期発生段階を早期発見し、ハダニ類を確認したならマイトコーネフロアブル【20D】、スターマイトフロアブル【25A】、ダニコングフロアブル【25B】、ダニオーテフロアブル【33】などで被害が広がる前に防除します。ハダニ類は薬剤の感受性が低下しやすいため、同一系統の薬剤は1作で1回までの使用に止めましょう。ピタイチやサフオイル乳剤、エコピタ液剤などの気門封鎖剤は使用回数の制限がなく薬剤感受性は低下しにくいので、5〜7日間隔で虫体に直接かかるよう葉裏にも十分に散布すると良いでしょう。ピタイチはアザミウマ類にも適用があります。ただし、気門封鎖剤の中には環境条件により薬害が発生する場合がありますので、ラベルの注意事項を確認するとともに必要に応じて数株で試行してください。
     最近では、ハダニ類の天敵農薬であるミヤコカブリダニ剤(ミヤコバンカー等)やチリカブリダニ剤(チリガブリ等)を利用する施設が増加しています。定植後から発生が多い施設では、次作に向けて定植前後の防除時期や薬剤の見直しとともに天敵農薬の導入や炭酸ガスくん蒸を利用した苗の防除などもご検討ください。




☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。