最新の病害虫情報

新着情報

※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

今月の防除のポイント(11/17更新)

気になる作物をクリック!

 
ウンシュウミカン カキハクサイ キャベツ
トマト(施設) ナス(施設) キュウリ(施設) イチゴ(施設)
野菜共通
                       
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ウンシュウミカン
黒点病 並
ミカンハダニ 並
果樹カメムシ類 並
カキ
果樹カメムシ類 並
ハクサイ
軟腐病 やや多い
べと病 やや多い
アブラムシ類 並
コナガ 並
キャベツ
黒腐病 並
菌核病 やや多い
コナガ 並
トマト(施設)
葉かび病 並
すすかび病 並
黄化葉巻病 やや多い
コナジラミ類 やや多い
ナス(施設)
うどんこ病 並
ミナミキイロアザミウマ やや多い
コナジラミ類 やや多い
キュウリ(施設)
うどんこ病 やや少ない
べと病 やや多い
ミナミキイロアザミウマ やや多い
コナジラミ類 多い
イチゴ(施設)
うどんこ病 並
ハダニ類 並
野菜共通
ハスモンヨトウ 並
オオタバコガ やや多い

水稲


  • ニカメイチュウ、白葉枯病
     今作で発生が多かったほ場では、秋冬期に病害虫の越冬場所をなくす管理を行い次年度の発生量を減らしましょう。白葉枯病の病原菌(細菌)は被害わらやもみ、畦畔のイネ科雑草で越冬します。ニカメイチュウは、収穫後の刈り株や畦畔のイネ科雑草の太い茎内で幼虫が越冬します。
    【対策】
     この時期に稲わらや刈り株を早めにすき込み、腐熟させましょう。また、畦畔雑草を株元まで除去しましょう。

ウンシュウミカン


  • 果樹カメムシ類
     昨年は西日本各地で多発し、本県でも多くの果樹で被害が発生しました。今年は昨年ほどの発生は確認されていませんが、気温が高いと活動を続けます。また、越冬地への移動途中に園地に飛来する可能性もありますので、昨年同様にもうしばらくは突発的な発生に注意してください。
     主要な果樹カメムシ類のうち、緑色の体色に茶色の翅をもつチャバネアオカメムシは主に樹林の落葉の中、光沢がある緑色のツヤアオカメムシは常緑樹の樹冠など、茶褐色のクサギカメムシは家屋の隙間や樹皮の下で越冬します。本県ではチャバネアオカメムシが主要種でしたが、近年はツヤアオカメムシも南部を中心に多く見られます。
    【対策】
     収穫まで期間がある園地で飛来を確認したら、スタークル顆粒水溶剤・ダントツ水溶剤【4A】、アグロスリン水和剤【3A】など速効性のある薬剤で防除しましょう。散布時は薬剤のラベルに記載された収穫前日数を厳守するとともに、隣接する農地等に飛散しないよう注意してください。
  • 黒点病
     発生量は平年並ですが、継続して発生が多い園地も見られます。病原菌の胞子は、雨滴とともに枯れ枝や落ちている枝に感染し越冬します。
    【対策】
     発生が見られた園地では、次作への伝染源となる枯れ枝、剪定枝を園内や周辺に放置せず処分しましょう。

  • ミカンハダニ
     高温傾向が続いたため発生が続いている園地もあります。この時期は果実に集まる傾向があり、加害を受けると果実品質が低下します。
    【対策】
     発生を確認したら、コロマイト水和剤【6】やダニオーテフロアブル【33】などを収穫前日数に注意して散布しましょう。


カキ


  • 果樹カメムシ類
     昨年は西日本各地で多発し、本県でも多くの果樹で被害が発生しました。今年は昨年ほどの発生は確認されていませんが、気温が高いと活動を続けます。また、越冬地への移動途中に園地に飛来する可能性もありますので、昨年同様にもうしばらくは突発的な発生に注意してください。
     主要な果樹カメムシ類のうち、緑色の体色に茶色の翅をもつチャバネアオカメムシは主に樹林の落葉の中、光沢がある緑色のツヤアオカメムシは常緑樹の樹冠など、茶褐色のクサギカメムシは家屋の隙間や樹皮の下で越冬します。本県ではチャバネアオカメムシが主要種でしたが、近年はツヤアオカメムシも南部を中心に多く見られます。
    【対策】
     収穫まで期間がある園地で飛来を確認したら、スタークル顆粒水溶剤・ダントツ水溶剤【4A】、アグロスリン水和剤【3A】など速効性のある薬剤で防除しましょう。散布時は薬剤のラベルに記載された収穫前日数を厳守するとともに、隣接する農地等に飛散しないよう注意してください。
  • 炭疽病
     本病は、降雨時に胞子が飛散して感染が拡大します。今年は高温もあり果実への発生量は平年より少ない状況でした。「早秋」や「富有」は発病しやすい傾向があります。
    【対策】
     発生園や発病しやすい品種・園地では、冬季のせん定時に病原菌が越冬している陥没した病斑のある枝の切除を徹底し、次作に伝染源を残さないようにしましょう。

ナシ


  • 黒星病
     今作の発生量はやや少ない状況でしたが、この時期には葉裏に黒いしみ状の病斑(秋型病斑)ができた発病葉が落葉し、翌春にその落葉から胞子が発生して風雨により新葉に伝染します。また、枝上の芽りん片にも伝染し翌年の伝染源になります。
    【対策】
     多発した園地では越冬伝染源をなくすため、発病葉や落葉を園外へ持ち出し処分しましょう。また、発生園では冬季のせん定時期に入ったら、秋伸び枝・ぼけ芽などの除去を実施し、芽りん片に感染した病原菌が翌年に活動を始める前に終わらせましょう。


ハクサイ


  • 軟腐病
     細菌性病害であり主に高温多湿条件で発生しますが、冬春ハクサイでは結球開始後の晩秋から冬にかけ温暖で多湿な年に発生が多くなります。害虫の食害痕や傷口から風雨による土や水の跳ね上がりによって主に感染するため、地面に接する葉から発病しやすく水浸状に褐変します。発病株は急速に軟化腐敗して悪臭を放つため、判断は容易です。
    【対策】
     ほ場の排水対策に努めましょう。発生があれば発病株除去を徹底するとともに、バリダシン液剤5【U18】等の薬剤を収穫前日数に注意し散布します。
  • べと病
     感染に最適な条件は水分があり、気温は比較的低い7〜13℃です。このため、気温が低下するこの時期に降雨があると感染を誘発し、病原菌が飛散して葉裏の気孔などから侵入します。発病すると、葉脈に囲まれた汚白色から汚褐色の多角形の病斑を生じます。発病葉には胞子が形成され、これが飛散して周囲の株に第二次感染します。黄心系品種では「茎べと」と呼ばれる中肋内部組織が黒変する症状を示すことがあります。
    【対策】
     ほ場の排水対策に努めましょう。降雨前後や発病を確認すればリドミルゴールドMZ【4+M03】、ランマンフロアブル【21】、オロンディスウルトラSC【40+49】などを葉裏や株元に十分かかるように散布し、被害の拡大を防止します。
  • コナガ
     発生量は平年並の予想ですが、毎年11月頃から発生が増加する傾向があります。また、本種は冬季でも休眠せず緩やかに生育しますので、秋から冬に発生が見られると、翌年の春には多発する可能性があります。
    【対策】
     コナガは世代交代が早く薬剤抵抗性が発現しやすいため、発生量が少ないうちに防除を徹底しましょう。主に葉裏に生息していますので、薬液が葉裏にも十分かかるよう散布してください。主な薬剤はフィールドマストフロアブル【4E】、スピノエース顆粒水和剤・ディアナSC【5】、アファーム乳剤【6】、フローバックDF(BT剤)【11A】、モベントフロアブル【23】、ファインセーブフロアブル【34】、グレーシア乳剤・ブロフレアSC【30】など多くあります。しかし、これら薬剤の中には一部地域で感受性が低下した事例があり、薬剤の系統ごとのローテーション散布に心がけましょう。なお、作物によってコナガの適用薬剤は違いますので、薬剤のラベルの表示を必ず確認してください。

キャベツ


  • 菌核病
     土壌中の菌核が子のう盤を形成する好適な気温(15〜20℃)になると、形成された子のう盤に子のう胞子ができて風により飛散します。この胞子が葉柄の基部など湿度が高い部位に落下すると発芽して、傷口などから植物体に侵入します。降雨が続くと発生が多くなります。
    【対策】
     前年発生したほ場では土壌に菌核が残っている可能性があり、結球開始期からの予防散布が大切です。菌の侵入部位は下葉の葉柄基部など地面に接する部分が多いので、カナメフロアブル・パレード20フロアブル【7】、スクレアフロアブル・ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、セイビアーフロアブル20【12】などを株元に届くように散布しましょう。また、発病株は除去して菌核が土壌に残らないようにしましょう。
  • コナガ
     発生量は平年並の予想ですが、毎年11月頃から発生が増加する傾向があります。また、本種は冬季でも休眠せず緩やかに生育しますので、秋から冬に発生が見られると、翌年の春には多発する可能性があります。
    【対策】
     コナガは世代交代が早く薬剤抵抗性が発現しやすいため、発生量が少ないうちに防除を徹底しましょう。主に葉裏に生息していますので、薬液が葉裏にも十分かかるよう散布してください。主な薬剤はフィールドマストフロアブル【4E】、スピノエース顆粒水和剤・ディアナSC【5】、アファーム乳剤【6】、フローバックDF(BT剤)【11A】、モベントフロアブル【23】、ファインセーブフロアブル【34】、グレーシア乳剤・ブロフレアSC【30】など多くあります。しかし、これら薬剤の中には一部地域で感受性が低下した事例があり、薬剤の系統ごとのローテーション散布に心がけましょう。なお、作物によってコナガの適用薬剤は違いますので、薬剤のラベルの表示を必ず確認してください。

施設トマト


  • 葉かび病、すすかび病
     いずれの病害も、施設内の湿度が高いと発生しやすくなります。この時期からは保温のため施設を閉め切ることで湿度が高まりますが、11月上旬からの気象予報では、今後は平年より降雨は多いものの気温は高い日が多くなるとされています。その結果、暖房機の稼働時間が短くなることで多湿になりやすく、灰色かび病なども含め、病害が発生しやすい環境となります。両病害はともに主に葉裏にカビを生じるため、病徴が類似しており肉眼での判別は困難ですが、すすかび病の場合、葉の表面に多くのカビが生じ、裏面のカビには盛り上がりがみられないといった特徴から、大まかに判別が可能です。葉かび病抵抗性品種に葉かび病に似た症状が発生した場合は、すすかび病が疑われます。すすかび病は葉かび病よりやや高温を好む特徴もあります。
    【対策】
     急激な温度の変化をなくし結露させない温度管理に心がけるとともに、施設内の送風や換気など湿度を低下させる環境制御を行いましょう。また、排水対策とともに下葉の摘葉やマルチも湿度の低下に有効です。両病害に適用がある主な薬剤は、ペンコゼブフロアブル【M03】、トリフミン乳剤【3】などです。さらに灰色かび病も含めて適用がある主な薬剤は、ダコニール1000【M05】、パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】などですが、同一系統の薬剤に偏らないローテーション防除に努めましょう。
  • コナジラミ類、黄化葉巻病
     今年も高温が続いたため屋外でも多発傾向が続いたと思われ、気温の低下に伴い屋外からの飛び込みが増加して多発した施設が見られるなど、発生量はやや多い予想です。コナジラミ類はトマトに限らず各作物ともに吸汁害や排泄物によるすす病を発生させますが、トマトでは病原ウイルスの媒介昆虫として重要害虫です。タバココナジラミが媒介する黄化葉巻病は前作で多かったため、今作でも多発する恐れがあります。また、タバココナジラミとオンシツコナジラミは黄化病の病原ウイルスも媒介します。感染株を吸汁してウイルスを保毒したコナジラミは、死ぬまで次々と健全株に感染させます。このため、コナジラミの発生量が少なくても施設内でウイルス病が多発する場合があります。
    県内ではタバココナジラミのバイオタイプQ(バイオタイプとは、外観は同じだが遺伝子型や生物学的特性が異なる系統)が優占しており、この系統はコナジラミ類に適用がある薬剤でも抵抗性を獲得した事例が多いので、薬剤のみに依存しない総合的な対策が重要です。なお、黄化葉巻病耐病性品種の利用は効果的な対策で病徴は出にくいのですが、ウイルスは保毒し耐病性のない品種への二次伝染源となりますので、コナジラミ類防除は怠らないようにしてください。
    【対策】
     バイオタイプQは薬剤の感受性が低くなりやすいので、この時期はコナジラミを施設内に「入れない対策」が重要です。本虫は施設周囲の上昇気流により天窓からも侵入しますので、天窓を含む開口部への防虫ネットの展張(網目0.4mm)が効果的です。なお、赤色系ネットはアザミウマ類には侵入抑制効果が高いのですが、コナジラミに対する効果は低いので注意してください。さらに、施設周囲の除草や寄生する可能性がある作物の除去、黄色粘着フィルムの施設周囲への設置、光反射シートの敷設などの様々な対策を組み合わせた総合的防除が必要です。最近では、残渣を施設周辺に放置している事例が見られます。残渣はコナジラミの発生源となるだけでなく病原ウイルスの獲得場所にもなるので、他で処分できなくても埋設するか被覆するなどの対策を行ってください。
    次に、施設内に侵入したコナジラミ、特に保毒したコナジラミを「増やさない対策」です。薬剤防除は、成虫への効果が低下している薬剤は多いのですが、若齢幼虫への効果が高い薬剤は多く、ベストガード水溶剤【4A】、ディアナSC【5】、アグリメック(ミニトマトは適用なし)【6】、アニキ乳剤【6】、コルト顆粒水和剤【9B】などをローテーション散布しましょう。ただし、これら薬剤も効果が低い場合は別系統の薬剤に切り替えてください。サフオイル乳剤【未】などの気門封鎖剤は薬剤抵抗性が生じる可能性は低く、少発生時に虫体に十分かかるよう7日間隔で2〜3回程度散布します。なお、訪花昆虫や天敵を導入している場合は影響日数が長い薬剤もあるので、訪花昆虫の購入元や農薬の販売店、指導機関等に確認して薬剤を選定してください。

施設ナス


  • うどんこ病
     発生量は平年並の予想ですが発生が始まるとまん延しやすく、発生初期までの予防対策が重要です。
    【対策】
     防除薬剤はベルクートフロアブル【M07】やショウチノスケフロアブル【9+U13】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、クロスアウトフロアブル【50】など多くありますが、薬剤に対する耐性が発達しやすいので同一系統の薬剤に偏らないローテーション防除に努めましょう。発生初期であれば、カリグリーン【NC】やジーファイン水和剤【NC+M01】など使用回数制限がなく、連用しても効果が低下しにくい薬剤を葉裏までムラのないように散布する方法があります。
  • ミナミキイロアザミウマ
     発生量が多かった昨年よりはやや少ないのですが、今後も平年より高い気温が予想されているためやや多い予想です。多発すると防除は難しいのですがコナジラミ類に比べ目立たず発見が遅れやすく、果実のカスリ状の被害を見て本虫の発生に気付くことが多いため注意が必要です。
    【対策】
     この時期は、コナジラミ類と同様に施設外からの侵入防止と発生初期の防除を徹底しましょう。網目0.8mm以下の赤色系ネットはアザミウマ類の侵入防止効果が高いのですが、コナジラミ類の侵入防止を兼ねる場合には網目0.4mm以下のネットを使用してください。青色粘着板などで発生を把握し、初期防除に努めましょう。適用薬剤はアグリメック【6】やモベントフロアブル【23】、グレーシア乳剤【30】など多くありますが、薬剤に対する抵抗性を獲得しやすいので、コナジラミ類の防除も考慮しながら同一系統の薬剤を連用しないよう注意してください。なお、コナジラミ類防除と兼ねスワルバンカーロングなどの天敵農薬を利用する方法もあります(キュウリのアザミウマ類の欄を参照してください)。
  • コナジラミ類
     気温の低下とともに屋外からの侵入が増加し、発生量は平年よりやや多い予想です。ナスにはコナジラミ類が媒介するウイルス病害はありません。
    【対策】
     防除対策全般に関しては施設トマトの欄を参照してください。薬剤は、適用があるかを必ず薬剤のラベル等で確認してください。サフオイル乳剤【未】などの気門封鎖剤は感受性低下の可能性は低いため、少発生時に活用しましょう。また、アザミウマ類防除と兼ねて天敵農薬のスワルバンカーロングなどを利用する方法もあります。ただし、訪花昆虫や天敵を導入している場合は影響日数が長い薬剤もあるので、訪花昆虫の購入元や農薬の販売店、指導機関等に確認して薬剤を選定してください。なお、幼虫が下葉に寄生している事例が多いため、薬剤は下葉の葉裏までていねいに散布するとともに、不要な下葉は早めに除去しましょう。

施設キュウリ


  • べと病
     樹勢が良いこの時期まではほとんど発生しませんが、今後の気象予報では降雨が多く日照量はやや少ないと予想されています。そのため、厳冬期までは施設内が多湿になり本病が発生しやすい環境になりやすく、平年より発生量はやや多いと予想されます。葉には葉脈に区切られた角型の病斑ができ、葉裏に薄いビロード上のカビが見られます。
    【対策】
     暖房機のダクト送風運転や天窓の開閉、排水対策等により、結露させず多湿にならない環境制御に努めましょう。また、適度な追肥や摘果で樹勢を維持しましょう。防除薬剤はジマンダイセン水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】など予防主体の保護殺菌剤や、アリエッティC水和剤【P07+M04】、フェスティバルC水和剤【40+M01】、プロポーズ顆粒水和剤【40+M05】、ベジセイバー【7+M05】等の予防と治療を兼ねた薬剤などがありますが、多発すると病勢が止まりにくいため、まずは予防に重点を置いた定期的なローテーション防除が大切です。病勢が進展するなら発病葉は除去して施設外で処分し、4〜5日間隔の連続散布で防除しましょう。
  • ミナミキイロアザミウマ
     発生量が多かった昨年よりはやや少ない状況ですが、すでに発生した施設が見られ、今後も平年より高い気温が予想されているためやや多い予想です。キュウリでは食害だけでなく黄化えそ病の病原ウイルス(MYSV)を媒介します。微小で目立たないため初期発生を確認しにくく、本虫の侵入防止とともに早期発見による初期防除が大切です。
    【対策】
      網目0.8mm以下の赤色系ネットは侵入防止効果が高いのですが、コナジラミ類の侵入防止を兼ねる場合は網目0.4mm以下のネットを使用してください。また、青色粘着板などで発生の早期把握に心がけ、発生があれば早めに防除しましょう。適用薬剤はアファーム乳剤・アグリメック【6】、モベントフロアブル【23】、ベネビアOD【28】、グレーシア乳剤【30】、プレオフロアブル【UN*】など多いのですが、同一薬剤の連用は効果が低下しやすいので必ずローテーション散布を実施します。また、本虫は花や新芽などの隙間を好み生息していますので、ていねいに散布してください。
     天敵農薬のスワルバンカーロングなどスワルスキーカブリダニ剤は、本虫の発生を長期間抑制し化学農薬の使用回数の削減や労力軽減が期待できるため、導入されている施設があります。ただし、放飼前に薬剤防除で本虫の密度をごく低くしておく必要性や使用可能な薬剤が限られることなどの利用条件があり、導入を希望する場合は地元JAや指導機関等に御相談ください。
  • コナジラミ類
     気温の低下とともに屋外からの侵入が増加し、一部で多発している施設も見られます。このため、発生量は平年より多い予想です。キュウリではタバココナジラミが退緑黄化病ウイルスを媒介します。また、多発するとすす病が発生します。
    【対策】
     防除対策全般に関しては施設トマトの欄を参照してください。薬剤は、適用があるかを必ず薬剤のラベル等で確認してください。サフオイル乳剤【未】などの気門封鎖剤は感受性低下の可能性は低いため、少発生時に活用しましょう。また、アザミウマ類防除と兼ねて天敵農薬のスワルバンカーロングなどを利用する方法もあります。ただし、訪花昆虫や天敵を導入している場合は影響日数が長い薬剤もあるので、訪花昆虫の購入元や農薬の販売店、指導機関等に確認して薬剤を選定してください。なお、幼虫が下葉に寄生している事例が多いため、薬剤は下葉の葉裏までていねいに散布するとともに、不要な下葉は早めに除去しましょう。

イチゴ


  • ハダニ類
     発生量は平年並の予想ですが、近年、ほ場間で発生量に差が大きい傾向があり、この時期に発生があると早春から急増する可能性があります。
    【対策】
     コロマイト水和剤【6】、マイトコーネフロアブル【20D】、ダニコングフロアブル【25B】など適用薬剤は多くありますので、同一系統の連用は避けるとともに同一薬剤の使用回数は最少限にとどめ、薬剤の抵抗性獲得を防ぎましょう。また、抵抗性が発現しにくく使用回数の制限がないピタイチやエコピタ液剤、サフオイル乳剤などの気門封鎖型薬剤【未】を活用しましょう。チリカブリダニ(チリガブリ等)やミヤコカブリダニ(ミヤコバンカー等)などの天敵農薬を利用している施設も多いのですが、今後利用を予定する場合は、ハダニ類の密度を低下させて導入することや使用薬剤を選択する必要があることなどの利用条件がありますので、地元JAや指導機関等に御相談してください。なお、定植初期から発生が多かった施設では、次作に向け苗場や定植前後の防除薬剤を検討するとともに、組織や共同利用による炭酸ガス発生装置を用いた苗の防除もご検討ください。 

野菜共通


  • ハスモンヨトウ
     本虫は広食性かつ食害量が比較的多いため、多発すると甚大な被害になります。今年は多発した昨年に比べれば被害は少ないのですが、昨年同様に秋の気温が平年より高かったため、県が設置したトラップでは成虫の誘殺が続いています。もうしばらくは成虫が飛来する可能性はあり、次項のオオタバコガとも併せた防除が必要です。
    【対策】
     老齢幼虫は薬剤の効果が低下するので、卵塊を除去したり、若齢幼虫が集団で加害して発生する表皮を残した白い葉や葉脈を残した葉を早期発見して薬剤を散布しましょう。防除薬剤は多く、キャベツではアニキ乳剤【6】やコテツフロアブル【13】、ヨーバルフロアブル【28】、グレーシア乳剤・ブロフレアSC【30】、プレオフロアブル【UN】などがあります。ただし、各作物で適用農薬は違いますので薬剤のラベルに記載された使用方法等を必ず確認してください。また、本虫は薬剤の感受性が低下しやすいので、効果が低ければ他の系統に変更してください。
  • オオタバコガ
     春から発生量が多く、県からは10月に今年2回目の注意報が発表されています。本虫も広食性で多くの作物を加害しますが、ヨトウ類とは違い葉に1つずつ産卵し、幼虫は単独で行動して花蕾や結球内に潜る性質があるため、発見が遅れやすく薬剤も効きにくくなりがちです。本虫の背中にはヨトウ類にはないとげ状の毛がまばらに生えています。
    【対策】
     ほ場で幼虫を数頭でも確認すれば、ほ場全体で発生している可能性があります。幼虫の早期発見に努め、発生があれば各作物に適用がある薬剤で防除を徹底しましょう。キャベツ、レタスなど結球する作物では、幼虫が結球部に潜らないよう結球開始時期から予防散布をしましょう。作物により適用薬剤は違いますがハスモンヨトウにも適用のある薬剤は多く、例えばキャベツでは前項のハスモンヨトウの欄に例示した薬剤は本虫にも適用があります。ハスモンヨトウやコナガなど他の害虫防除を含め、同一系統の薬剤を連用しないよう、同時防除などにより計画的に薬剤を選択してください。なお、被害部位に卵や幼虫が付着している可能性があるため、残渣は放置せず処分しましょう。



☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。

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