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キャベツ黒腐病

キャベツ黒腐病

キャベツ黒腐病

病  原
細菌(各種アブラナ科作物に寄生)
多発時期
5〜6月、9〜10月(山間地6〜9月)
病  徴
苗床では、発芽数日後から子葉のくびれたところより黒色病斑が現れ、次第に黄化、激しい場合は苗が枯死する。本ぽでは、下葉の葉縁からV字型や丸みを帯びた不正形の黄色い病斑を形成する。激しい場合は結球葉にも淡黒色の病斑を形成し、地際の茎も侵され、導管は褐変する。
伝  染
種子伝染および雨滴による水媒伝染。病原細菌は被害残渣とともに土壌中に残り、雨滴によって跳ね上げられ水孔や傷口から侵入感染する。病斑から溢出した病原細菌は、第二次伝染源となる。
防  除
  1. 品種により発病差が大きい。発生の予想されるほ場では、耐病性の品種を使う。
  2. 定植時に登録のある農薬(粒剤)を土壌処理する。
  3. 通常の薬剤防除は、定植15〜45日後の間に3回程度予防的に登録のある農薬を散布する。台風、大雨後には必ず薬剤散布を行う(薬剤散布にあたっては、展着剤を加用し、下葉にもよくかかるよう散布する。 ).
  4. キスジノミハムシ、ネコブセンチュウなど食根性害虫を防除する。
  5. アブラナ科作物の連作を避ける。
キャベツ黒斑細菌病

キャベツ黒斑細菌病

病  原
細菌(キャベツなどのアブラナ科作物に寄生。野生エンバクにも寄生性のあるタイプがある。)
多発時期
5〜7月、10〜11月
病  徴
葉に初め水浸状の小斑点ができる。これはしだいに拡大し、さらに融合して不正形または多角形の壊死斑となる。病斑の色は黒褐色または紫灰褐色を呈し 周囲は明瞭。古くなると破れやすくなる。
伝  染
土壌中に残った被害残渣中の病原細菌が第一次伝染源となり、雨滴とともに気孔、水孔、傷口から感染する。種子伝染もする。
防  除
  1. アブラナ科作物の連作を避ける。
  2. 排水を良好にし、地下水位の高いほ場ではうねを高くする。
  3. 窒素肥料の過剰施用、肥料切れに注意する。
  4. 汚染のおそれのある種子は50℃の温湯に10分間浸漬する。
  5. 本病に適用のある薬剤はないので、他の細菌病に適用のある薬剤で同時防除を図る。
  6. 害虫防除を徹底し、傷口を少なくする。
キャベツ軟腐病

キャベツ軟腐病

病  原
細菌(ユリ科、セリ科、サトイモ科、アブラナ科、ナス科、キク科などの多数の植物に寄生)
多発時期
6月上旬〜10月中旬
病  徴
結球部の柔らかい葉にできた水浸状の小さな斑点が、急速に拡大してアメ色となり、最後には株全体がベトベトに腐る。 結球期に発病することが多い。
伝  染
病原細菌は土壌中に生息し、水媒、虫媒、接触により傷口や水孔から侵入感染する。
防  除
  1. 地表面が乾きにくい場所では、うねを高くする。
  2. 前作に軟腐病の発生する作物を作らない。
  3. 定植時に登録のある農薬(粒剤)を 土壌処理する。
  4. 結球期ごろから発病しやすくなり、また降雨によって発生が助長されるので、1株でも発生を見たら、降雨の合間に、下葉の基部中心に、登録のある薬剤をかけムラのないように散布する。
  5. キスジノミハムシ等の害虫の食害痕も侵入門戸となるので、害虫を防除する。
キャベツ腐敗病

キャベツ腐敗病

病  原
細菌(レタス、ハクサイ、ダイコン、トマト、キュウリなどに寄生)
多発時期
2〜3月
病  徴
発病は凍害や寒害を受けたところから始まることが多く、結球の表面に暗褐色水浸状の斑点ができ、この斑点は拡大し、あるいは斑点同士が融合して大型となり、腐敗する。腐敗部は暗褐色水浸状から黒褐色に変色し、その表面は乾燥して薄皮状となる。腐敗部分にかびは認められない。腐敗は表面葉に限られることが多く、あまり内部深く進行することは少ない。
伝  染
土壌中で残渣とともに残った病原細菌が、凍寒害により損傷を受けた部分から侵入、感染させる。
防  除
  1. 常発地では、1〜3月に結球する作型は避けるか、寒害に強い品種を栽培する。
  2. 本病に適用のある薬剤はないので、結球開始期から他の細菌病に登録のある薬剤を散布することにより、同時防除を図る。
  3. 被害株は抜き取って処分する。
キャベツ根こぶ病

キャベツ根こぶ病

病  原
原生生物(ネコブカビ類)
多発時期
夏蒔き秋冬どり栽培。春蒔き夏どり栽培の6月以降収穫の作型。(秋蒔き春どりでは、発病することは少なく、10月下旬以降定植では常発地でも発病しない。)
病  徴
定植1か月後ごろから下葉がしおれ始め、次第に淡黄色となって生育が進まない。このような株の根には、大小様々なこぶが生じている。こぶのできた根はのちに腐敗する。
伝  染
休眠胞子が土壌中で長期間生存し、土壌(水媒)伝染する。
防  除
  1. 抵抗性品種を利用する。
  2. アブラナ科作物の連作を避ける。
  3. 前作におとり作物(抵抗性ダイコン、エンバク)を栽培し病原菌密度を下げる。
  4. 石灰で土壌酸度を中性近くに矯正する。
  5. 排水を良好にする。
  6. 土壌の通気を良好にする。
  7. 発病株を除去する。
  8. 発生畑では直播をやめ移植栽培にする。
  9. 農機具はよく洗うかまたは消毒する。
  10. 発生した畑は各種野菜の苗床として用いない。
  11. 発病水田付近の水田土壌は各種野菜の苗床用土に用いない。
  12. 土壌消毒をする。
  13. 登録のある農薬(粉剤、水和剤、粉粒剤)で土壌処理する。
  14. セル成型苗の場合、定植前に登録のある農薬をかん注処理する。
キャベツ菌核病

キャベツ菌核病

病  原
糸状菌(子のう菌類に属する宿主範囲の広いかびで、多くの野菜、豆、花き類を侵す。)
多発時期
春どり栽培:3〜5月、秋冬どり栽培:11〜12月
病  徴
はじめ地面に接した外葉に淡褐色の斑点が形成され、病斑は拡大、やがて軟化腐敗する。葉柄部分では葉柄のつけ根部分が水浸状で汚白色に軟化し、白色のかびを薄く生ずる。結球期には腐敗は心葉まで達する。茎や根も侵されることがある。腐敗部分にはネズミの糞状の菌核を生じる。
伝  染
土壌中の菌核から子のう盤が形成され、そこから子のう胞子が飛散して風媒伝染する。また、被害残渣等から菌糸を伸長させ、地面に接触した茎葉等から土壌伝染することもある。
防  除
  1. 連作を避ける(ただし、周辺ほ場からも病原菌(子のう盤から飛散する子のう胞子)は飛来するので、子のう胞子の飛散時期に農薬を散布して予防することが重要。水田裏作は発病が少ない。 )。
  2. 菌核を生じる前に発病株を処分し、菌核を土中に残さないようにする。
  3. 天地返しをして、5cm以上の深さに菌核を埋め込む。
  4. 晩秋から早春の気象に注意し、発病前または発病ごく初期から、登録のある農薬を株の地際部にも十分かかるよう散布する。
キャベツ根朽病

キャベツ根朽病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかび。ブロッコリー、カリフラワーも侵す。)
多発時期
夏〜秋収穫の作型の幼苗期から生育中期。強風は発病を助長する。
病  徴
幼苗期に発病すると、茎の基部や子葉が水浸状となり、地際が細くくびれて軟化枯死する。定植期や定植後の苗では、はじめ茎の地ぎわ部が水浸状となり、やがて、灰緑色から淡褐色に変色するとともに、細くくびれ、その表面に多数の黒色小粒点(柄子殻)を生じる。このような苗は、日中しおれ、ついには枯死する。葉にも発生し、灰緑色の大型円形の病斑を生じる。
伝  染
種子伝染。風媒伝染(被害残渣に形成された柄子殻が土壌中に残り、分生子(柄胞子)を飛散させる)。土壌伝染。
防  除
  1. 無病地で採取した種子や十分消毒した種子を使用する。
  2. 高うねにするなどほ場の排水をよくする。
  3. 被害残渣はほ場外に搬出し、処分する。
  4. 発病が認められたセルトレイを使用する場合は、50℃で60分の温湯処理を行う。
ハクサイモザイク病・えそモザイク病

ハクサイモザイク病・えそモザイク病

ハクサイモザイク病・えそモザイク病

病  原
ウイルス(2種のウイルス。キュウリモザイクウイルスは多種植物、カブモザイクウイルスはアブラナ科、キク科、マメ科、アカザ科、ナス科植物に寄生。)
多発時期
秋作の生育初期〜中期
病  徴
モザイク病は、はじめ葉の一部または全体が萎縮し、典型的なものでは濃緑色の地に黄白色の斑入りがモザイク状に入り、ちりめん状となる。えそモザイク病は、葉脈間に多数の1〜3mmの黒褐色、水浸状の斑点または輪点を生じ、葉脈や葉柄には紫褐色、水浸状のえそ条斑を生じる。この症状は結球の内部にまでみられる。
伝  染
虫媒(アブラムシ)
防  除
  1. 作付け前に周辺雑草を除去する。
  2. 陸稲やキビを間作あるいは障壁作物として植え付け、保毒アブラムシの無毒化を図る。
  3. 銀白色のシルバーポリフィルムをマルチし、またシルバーテープをはって媒介虫の飛来を少なくする。
  4. 発生しやすい作型(播種期が夏〜初秋)では播種または定植時に粒剤を施用し、媒介虫の密度を低下させる。
  5. アブラムシ類の飛来があれば、系統の異なる2〜3種類の殺虫剤をローテーションを組んで散布する。
ハクサイ軟腐病

ハクサイ軟腐病

病  原
細菌(ユリ科、セリ科、サトイモ科、アブラナ科、ナス科、キク科などの多数の植物に寄生)。
多発時期
6月上旬〜10月中旬
病  徴
結球部の柔らかい葉にできた水浸状の小さな斑点が、急速に拡大してアメ色となり、最後には株全体がベトベトに腐る。
伝  染
病原細菌は土壌中に生息し、水媒、虫媒、接触により傷口や水孔から侵入感染する。
防  除
  1. 地表面が乾きにくい場所では、うねを高くする。
  2. 前作に軟腐病の発生する作物を作らない。
  3. 定植時に登録のある農薬(粒剤)を 土壌処理する。
  4. 結球期ごろから発病しやすくなり、また降雨によって発生が助長されるので、1株でも発生を見たら、降雨の合間に下葉の基部中心に、登録のある農薬をかけムラのないように散布する。
  5. 害虫の食害痕も侵入門戸となるので、害虫を防除する。
ハクサイ根こぶ病

ハクサイ根こぶ病

病  原
原生生物(ネコブカビ類)
多発時期
夏蒔き秋冬どり栽培。春蒔き夏どり栽培の6月以降収穫の作型。(秋蒔き春どりでは、発病することは少なく、10月下旬以降定植では常発地でも発病しない。)
病  徴
根部に大型で表面が滑らかなこぶを生じ、地上部は発育不全になって萎ちょうする。
伝  染
休眠胞子が土壌中で長期間生存し、土壌(水媒)伝染する。
防  除
  1. 抵抗性品種を利用する。
  2. アブラナ科作物の連作を避ける。
  3. 前作におとり作物(抵抗性ダイコン、エンバク)を栽培し病原菌密度を下げる。
  4. 石灰で土壌酸度を中性近くに矯正する。
  5. 排水を良好にする。
  6. 土壌の通気を良好にする。
  7. 発病株を除去する。
  8. 発生畑では直播をやめ移植栽培にする。
  9. 農機具はよく洗うか消毒する。
  10. 発生した畑は各種野菜の苗床として用いない。
  11. 発病水田付近の水田土壌は各種野菜の苗床用土に用いない。
  12. 土壌消毒をする。
  13. 登録のある農薬(粉剤、水和剤、粉粒剤)を土壌処理する。
  14. セル成型苗の場合、定植前に登録のある農薬をかん注処理する。
ハクサイべと病

ハクサイべと病

ハクサイべと病

病  原
原生生物(卵菌類に属するかびで、ハクサイのほかアブラナ、カブなどにも寄生)
多発時期
春作:育苗中〜結球期、秋作:育苗中〜収穫前期(発病適温18℃前後)
病  徴
はじめ下葉に輪郭のはっきりしない淡黄緑色の病斑ができる。病斑は次第に拡大し、葉脈に囲まれた灰白色〜灰褐色、多角形の病斑となる。病斑の裏側には、汚白色のかびが霜のようにはえる。病斑が古くなるとかびは褐色になってこびりつき、やがて消失する。黄芯系品種では外葉中肋部に茎べと症状と呼称されるものが発生することがある。
伝  染
被害葉などとともに土中で残存した卵胞子が第一次伝染源。発芽して分生子を形成し、分生子は風によって飛散、水分を得て発芽、表皮の縫合部や気孔から侵入する。病斑上には分生子が形成され、二次伝染を繰り返す。
防  除
  1. 排水を良好にする。
  2. 密植を避ける。
  3. 肥料切れさせない。
  4. 被害残渣は適切に処分し、ほ場衛生につとめる。
  5. 発生初期から登録のある農薬をかけむらがないよう葉裏にもていねいに散布する。
ハクサイ黄化病

ハクサイ黄化病

ハクサイ黄化病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属し、トマト、ピーマン、ジャガイモ、ホウレンソウ、ハクサイ、ダイコン、キャベツ、カブ、キュウリ等を侵す多犯性のかびであるが、いくつかの系統に分かれ、寄生性に分化がみられる。)
多発時期
春作:収穫後期。秋作:早生種は結球前〜収穫前期、中生種は結球期〜収穫期、晩生種は結球後期〜収穫期。発病適温は20〜24℃。
病  徴
結球初期に急に株全体が黄化をはじめ、結球葉が充分に巻かなくなる。根部や茎部の導管は黒〜褐変する。
伝  染
土壌伝染、種子伝染
防  除
  1. 発病した株は腐敗した下葉とともに根まで抜き取り、焼却処分して伝染源をできるだけ少なくする。
  2. 連作を避け、イネ科作物と輪作をするようにする。
  3. 育苗床、定植する畑を土壌消毒する。
  4. 太陽熱土壌消毒を行う(露地のため効果は安定しないが、発病軽減効果はある)。
  5. 2〜3年間水田にする(根こぶ病発生ほ場には不向き)。
ハクサイ白斑病

ハクサイ白斑病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかびで、ハクサイのほかにサントウサイ、タイサイ、カブなどのアブラナ科作物を侵す。)
多発時期
春作は定植後〜トンネル除去のころ、秋作は結球前〜収穫期(11〜12月)。
病  徴
はじめ葉の表面に灰褐色の小斑点ができ、のちに次第に拡大して円形、多角形または不規則な形となる。大きさは6〜10mmとなり、灰白色または白色となる。下葉から発生し、次第に新葉に進む。
伝  染
雨滴のはね上がりや風による分生子の飛散。
防  除
  1. 排水不良地、地下水位の高いほ場では、排水の改善を図る。
  2. 生育中期以後、特に結球期ごろから収穫期にかけて発生が多くなるので、下葉に発病を見たら登録のある農薬を散布する。
ブロッコリー黒腐病

ブロッコリー黒腐病

病  原
細菌(各種アブラナ科作物に寄生)
多発時期
5〜6月、9〜10月(山間地6〜9月)
病  徴
子葉が発病すると落葉する。成葉では比較的下葉から発生しやすく、葉縁に不正形、V字形の黄色の大きな病斑となって現われる。花蕾に発病すると発病部は黒変する。
伝  染
種子伝染および雨滴による水媒伝染。
防  除
  1. 発生の予想されるほ場では、耐病性の品種を使う。
  2. 定植時に登録のある農薬(粒剤)を土壌処理する。
  3. 通常の薬剤防除は、定植15〜45日後の間に3回程度予防的に登録のある農薬を散布する。 台風、大雨後には必ず薬剤散布を行う(薬剤散布にあたっては、展着剤を加用し、下葉にもよくかかるよう散布する。 )
  4. キスジノミハムシ、ネコブセンチュウなど食根性害虫を防除する。
  5. アブラナ科作物の連作を避ける。
ブロッコリー根こぶ病

ブロッコリー根こぶ病

ブロッコリー根こぶ病

病  原
原生生物(ネコブカビ類)
多発時期
夏蒔き秋冬どり栽培。春蒔き夏どり栽培の6月以降収穫の作型。
病  徴
定植1か月後ごろから下葉がしおれ始め、次第に淡黄色となって生育が進まない。このような株の根には、大小様々なこぶが生じている。こぶのできた根はのちに腐敗する。
伝  染
休眠胞子が土壌中で長期間生存し、土壌(水媒)伝染する。
防  除
  1. 抵抗性品種を利用する。
  2. アブラナ科作物の連作を避ける。
  3. 前作におとり作物(抵抗性ダイコン、エンバク)を栽培し病原菌密度を下げる。
  4. 石灰で土壌酸度を中性近くに矯正する。
  5. 排水を良好にする。
  6. 土壌の通気を良好にする。
  7. 発病株を除去する。
  8. 農機具はよく洗うか消毒する。
  9. 発生した畑は各種野菜の苗床として用いない。
  10. 発病水田付近の水田土壌は各種野菜の苗床用土に用いない。
  11. 土壌消毒をする。
  12. 登録のある農薬(粉剤、水和剤、粉粒剤)を土壌処理する。
  13. セル成型苗の場合、定植前に登録のある農薬をかん注処理する。
ブロッコリーべと病

ブロッコリーべと病

病  原
原生生物(卵菌類に属するかびで、ブロッコリーほかキャベツ、カリフラワーに寄生)
多発時期
春作:育苗中〜結球期、秋作:育苗中〜収穫前期(発病適温18℃前後)
病  徴
はじめ下葉に小さな不正形の暗緑色の病斑ができる。病斑は次第に拡大し、淡黄褐色で葉脈に囲まれた多角形のものもあるが、多くは不定形で不揃いの病斑となる。病斑の裏側には、汚白色のかびが霜のようにはえる。茎、花梗、さやに発生すると白い綿毛状のかびが生え、黒紫色の斑点を生じる。
伝  染
被害葉などとともに土中で残存した卵胞子が第一次伝染源。発芽して分生子を形成し、分生子は風によって飛散、水分を得て発芽、表皮の縫合部や気孔から侵入する。病斑上には分生子が形成され、二次伝染を繰り返す。
防  除
  1. 排水を良好にする。
  2. 肥料切れさせない。
  3. 被害残渣は適切に処分し、ほ場衛生につとめる。
  4. 発生初期から登録のある農薬をかけむらがないよう葉裏にもていねいに散布する。
ブロッコリー根朽病

ブロッコリー根朽病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかび)
多発時期
夏〜秋収穫の作型の幼苗期から生育中期。強風は発病を助長する。
病  徴
幼苗期に発病すると、茎の基部や子葉が水浸状となり、地際が細くくびれて軟化枯死する。定植期や定植後の苗では、はじめ茎の地ぎわ部が水浸状となり、やがて、灰緑色から淡褐色に変色するとともに、細くくびれ、その表面に多数の黒色小粒点(柄子殻)を生じる。このような苗は、日中しおれ、ついには枯死する。葉にも発生し、灰緑色の大型円形の病斑を生じる。
伝  染
種子伝染。風媒伝染(被害残渣に形成された柄子殻が土壌中に残り、分生子(柄胞子)を飛散させる)。土壌伝染。
防  除
  1. 無病地で採取した種子や十分消毒した種子を使用する。
  2. 高うねにするなどほ場の排水をよくする。
  3. 被害残渣はほ場外に搬出し、処分する。
  4. 発病が認められたセルトレイを使用する場合は、50℃で60分の温湯処理を行う。
レタス腐敗病

レタス腐敗病

病  原
細菌(3種細菌が関与。細菌種により、発生時期、寄主範囲が異なる)
多発時期
暖地のトンネル栽培で秋〜冬。高冷地の初夏〜秋(病原細菌の種は前者と異なる)。
病  徴
結球葉が淡黄緑色から淡黄褐色に腐敗、概要は暗緑色から緑褐色水浸状に腐敗する。
伝  染
土壌、風媒、水媒
防  除
  1. トンネル被覆前に登録のある農薬を散布する。
  2. トンネルのビニール被覆をかけ遅れのないようにする。また、朝夕被覆の開閉を十分に行い、昼夜の温度較差を少なくする。
  3. 結球始期から重点的に殺菌剤散布を行う。
レタス灰色かび病

レタス灰色かび病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属する宿主範囲の広いかびで、多くの野菜、花き、果樹類を侵す。)
多発時期
春どり栽培:2〜4月、初夏どり栽培:4〜5月、秋どり栽培:11〜12月、冬どり栽培:1〜2月
病  徴
地面に接する最下葉の葉柄、葉身に水浸状の病斑が現れ、拡大し病斑の表面に灰色のかびと分生子を生じる。さらに茎の基部が侵されると地上部全身で萎ちょうする。
伝  染
分生子の飛散による風媒伝染
防  除
  1. 春どり栽培と冬どり栽培では、灰色かび病と菌核病を中心に防除対策をたてる。
  2. 秋どり栽培では、気温が降下する10月下旬ごろから防除を開始する。
  3. 被害株や発病株は速やかに除去し、焼却するか、土中に埋め込む。
  4. 登録のある農薬を発病前から予防主体で散布する。
レタス菌核病

レタス菌核病

病  原
糸状菌(子のう菌類に属する宿主範囲の広いかびで、多くの野菜、豆、花き類を侵す。)
多発時期
春どり栽培:2〜4月、初夏どり栽培:4〜5月、秋どり栽培:11〜12月、冬どり栽培:1〜2月
病  徴
株元の葉柄から水浸状にアメ色の病斑を生じ、病斑部に白色のかびが生える。その後黒色でネズミ糞状の菌核を生じる。病株は地際から腐敗し株全体がしおれる。
伝  染
土壌中の菌核から子のう盤が形成され、そこから子のう胞子が飛散して風媒伝染する。また、被害残渣等から菌糸を伸長させ、地面に接触した茎葉等から土壌伝染することもある。
防  除
  1. 菌核をほ場に残さないようほ場衛生に努める。
  2. ポリマルチをして子のう盤の形成や子のう胞子の飛散を抑える。
  3. 子のう胞子の飛散時期(子のう盤の形成は晩秋から翌春までの間)には、登録のある農薬を散布して予防する。
タマネギ腐敗病

No Image

病  原
細菌(レタス、ハクサイ、ネギ、ワケギなどの腐敗病と同一)
多発時期
秋まき栽培:本ぽ生育初期〜盛期(3〜4月)
病  徴
生育初期から盛期には、葉身の一部に引っかいたような淡黄緑色ないし淡黄白色のケロイド状壊死斑を生じて硬化し、葉身が患部からねじれ、後に軟化、腐敗する。生育後期では、罹病した葉身につながる葉鞘部に淡桃色または褐色の腐敗斑を生じ、しだいに鱗茎内部にまで腐敗が進展する。保菌鱗茎は貯蔵中にも腐敗を起こす。
伝  染
土壌、風媒、水媒。菌泥の溢出した病斑への葉の接触。
防  除
  1. 窒素肥料の過用を避ける。
  2. ほ場の排水をよくする。
  3. 春季の生育初期からの気象情報に十分に注意し、強風雨に遭遇する前後に薬剤を臨機的に散布し、予防に努める(適用薬剤は1剤のみであるので、軟腐病等に登録ある薬剤で同時防除を図る。)。
  4. 発病株は見つけ次第除去、処分する。
  5. 収穫は晴天時に行う。
タマネギべと病

タマネギべと病

病  原
原生生物(卵菌類に属するかびで、タマネギのほかにはネギ、ワケギに寄生)
多発時期
秋まき栽培:育苗期(10〜11月)、本ぽ生育盛期(4〜5月)
病  徴
秋に感染した全身感染株では、葉が淡黄緑色になり湾曲する。温暖多湿条件では全身に白色で霜状または暗紫色のかびを生じる。二次感染株では葉、花梗に長卵形から楕円形の黄色い大型の病斑を形成し、多湿時には病斑上に白色または暗紫色のかびを生じる。
伝  染
土壌中の卵胞子が9〜10月ごろ雨滴のはねあがりとともに苗の葉に到達、葉上で発芽して侵入し、株全体に蔓延して全身感染株となる。全身感染株は2〜3月には分生子を形成し、分生子が風媒や水媒伝染する。卵胞子は5〜6月に形成され、土中で12年以上生存する。
防  除
  1. 病葉は焼却するか土中深く埋没する。
  2. 床土には、ネギ、ワケギ、タマネギの栽培歴のない土か土壌くん蒸剤で消毒した土を使う。
  3. 秋季発病株や越年罹病株は抜き取り処分する。
  4. 本ぽでの発病株に対しては、発病葉を切除するか株を抜き取った上で、登録のある農薬を散布する。
タマネギ黒腐菌核病

タマネギ黒腐菌核病

タマネギ黒腐菌核病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかびで、タマネギのほかネギ、ワケギ、ニンニク、ラッキョウなどに寄生。)
多発時期
一般的には3〜5月ごろの発生が多いが、多発ほ場では12月から症状が認められる。
病  徴
下葉が黄化、萎ちょうし、病勢が進むと株が枯死する。また根の発育も悪く容易に抜き取れる。鱗茎部は外側からあめ色に軟化し、表面には球形〜偏球形の黒色小菌核(0.1〜1mm)が密生してかさぶた状になるのが特徴。
伝  染
地表から5cm程度の浅い土中の菌核が伝染源となり、土壌伝染する。
防  除
  1. 無病地で育苗する。
  2. 農機具はよく洗って、未発生ほ場に病原菌を持ち込まない。
  3. 発病した苗床では連作を避けるか、太陽熱または土壌くん蒸剤で土壌消毒を行う。
  4. 定植畑は、連作を避けて数年以上の輪作を行うか土壌消毒をする。
  5. 被害苗は定植せず、ほ場外に持ち出し、処分する。
  6. 深耕を行うか5〜6か月間湛水状態にして、菌核を死滅させる。
  7. 苗の根部を登録のある農薬の薬液に5分間浸漬する。
タマネギ白色疫病

タマネギ白色疫病

病  原
原生生物(卵菌類に属するかびで、タマネギのほかにはネギ、ワケギ、ニラ、ニンニクなどに寄生)
多発時期
秋まき初夏どり:生育初〜中期(早生種2〜3月、中晩生種3〜4月)
病  徴
葉、葉鞘を侵し、緑色で油浸状の不明瞭な病斑を生じ、後に白色に変わる。
伝  染
土壌中の罹病残渣に存在する卵胞子や厚膜胞子が発芽して土壌伝染する。また、葉の病斑上に形成された分生子(遊走子のう)から放出された遊走子により水媒伝染する。
防  除
  1. 苗床は多発地を避け、また、土壌くん蒸剤による土壌消毒を行う。
  2. 低湿地や多発ほ場を本ぽとしない。
  3. 2〜4月に登録のある農薬を散布する。

(写真:農総試提供)

ネギさび病

ネギさび病

病  原
糸状菌(担子菌類に属するかびで、タマネギ、ニラ、ニンニク等にも寄生)
多発時期
春期(4〜6月)および秋期(9〜11月)
病  徴
紡錘形、楕円形で橙黄色の小斑点(夏胞子層)を生じ表皮が破れ橙黄色で粉状の胞子を飛散する。晩秋には病斑に接して黒褐色の斑点(冬胞子層)を形成する。発病が激しい場合には葉が黄白色に変色し枯死する。花梗や花弁も発病する。
伝  染
罹病植物上の冬胞子または夏胞子で越冬、翌春、夏胞子を飛散させて伝染する。秋季の発病は、暖地では枯葉上の夏胞子、冷涼地では罹病植物体の菌体が越夏し、夏胞子を飛散させて伝染する。
防  除
  1. 発病ほ場近くに栽培しない。
  2. 堆肥の施用を行い、生育後期に肥料切れしないようにする。
  3. 発生前は登録のある農薬の中から保護効果の高い薬剤を選び予防的に散布し、発生を認めたら治療効果の高い薬剤を散布する。
ネギ黒斑病

ネギ黒斑病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかびで、タマネギにも寄生。)
多発時期
梅雨期〜初夏(6〜7月)と秋期(9〜10月)
病  徴
葉、花梗に紡錘形の病斑を形成し、淡黒色ですす状のかびが生える。すす状のかびは同心状に輪紋を形成する。
伝  染
被害残渣で生存している菌糸または分生子が伝染源となり、分生子の飛散により風媒伝染する。種子伝染も行われる。
防  除
  1. 堆肥を施用するとともに、生育後期の肥料切れを避けるため、緩効性肥料を施用する。
  2. 初期防除に主体を置き、登録のある農薬を散布する。
  3. 収穫後の被害残渣処理を徹底する。
フキ半身萎凋病

フキ半身萎凋病

病  原
糸状菌(トマト、ピーマン、ジャガイモ、ホウレンソウ、ハクサイ、ダイコン、キャベツ、カブ、キュウリ等を侵す多犯性の不完全菌類に属するかびであるが、いくつかの系統に分かれ、寄生性に分化がみられる。)
多発時期
ハウス抑制栽培:被覆後9月下旬〜10月、露地栽培:4〜5月
病  徴
日中葉の一部に萎ちょうが認められ、萎ちょう部位はその後黄化する。萎ちょうまたは黄化している葉の葉柄を切断すると、維管束に褐変が認められる。発病部位を中心に葉柄は赤みをおびて折れやすくなり、萎ちょう、倒伏する。被害の激しい部位では、発芽展開時の葉は黄化し、生育不良となる。
伝  染
被害残渣上に形成される微小菌核が伝染源となり、土壌伝染する。種茎切断時に、維管束部に形成される分生子により伝染することもある。
防  除
  1. 健全な種茎を用いる。
  2. 株養成はフキの栽培されていないほ場またはイネ栽培跡のほ場で行う。
  3. 連作ほ場で栽培する場合は太陽熱または土壌くん蒸剤で土壌消毒を行う。
  4. 罹病株の茎葉は丁寧に集め処分する。
フキ白絹病

フキ白絹病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属する多犯性のかび)
多発時期
ハウス抑制栽培・促成栽培:3月下旬〜10月(特に8〜9月)
病  徴
地際部の茎がはじめ絹糸状の白色菌糸でおおわれ、被害組織は水浸状になり、しだいに葉は萎凋枯死する。被害部やその周辺土壌には、はじめ銀白色、のちに茶褐色のアワ粒大の菌核を多数生ずる。
伝  染
土壌中の菌核、被害残渣に付着した菌糸が伝染源となり、土壌伝染、種茎伝染する。
防  除
  1. 健全な親株から採取された種茎を用いる。
  2. 罹病株は菌核とともに丁寧に掘り上げ処分する。
  3. 太陽熱により土壌を消毒する。
  4. 有機質肥料を過剰に施用しない。
  5. 登録のある農薬(液剤)で種茎の浸漬処理をする。
  6. 定植時または生育期に登録のある農薬(水和剤、液剤)を土壌かん注するか、定植時に粉剤を土壌混和する。
フキさび病

フキさび病

病  原
糸状菌(担子菌類に属するかびで、3種が知られるが、通常はフキのみを侵す種。)
多発時期
春(5〜6月)と秋(9〜11月)。発生は年次変動が大きい。
病  徴
葉裏に橙黄色粉質の病斑(夏胞子層)を生じ、表面は蒼白色を呈する。秋には葉の表面の病斑は蒼白色多角形となり、その裏面は橙黄赤色肉質の隆起(冬胞子層)を生じ、被害部はのちに黒変して枯死する。
伝  染
冬胞子層で越年し、そこに形成される小生子が風媒伝染し、翌年新葉に感染する。新しい病斑上には夏胞子ができ、風媒伝染により感染を繰り返す。
防  除
  1. 発生初期に被害茎葉を除去・処分する。
  2. 施設栽培では多湿にならないよう管理する。
  3. 発生初期に野菜類のさび病に登録のある農薬を散布する。
シソ斑点病

シソ斑点病

シソ斑点病

病  原
糸状菌(不完全菌類に属するかびで、シソのほかにゴマ、トマト、ササゲに病原性あり。)
多発時期
施設栽培では5〜10月(特に6〜9月下旬)。いずれの作型においても7〜8月の高温乾燥時期はやや発病が減少する。
病  徴
下位葉に褐色〜黒色の1〜数mmのほぼ円形、ハローを伴う斑点が見られる。中位葉以上では、針で突いたようなハローを伴った褐色の小斑点を生じる。収穫後にパック内で発病することもあり、数mm〜数cmの円形または不整形の黒色斑を生じることがある。地際部の茎が黒褐変し、倒伏しやすくなる被害もある。
伝  染
種子伝染。風媒伝染(罹病残渣上や主に下位葉の病斑上に形成された分生子の飛散)
防  除
  1. かん水過多にならないようにする。
  2. 落葉を搬出し、ほ場衛生に努める。発病の多い株は抜き取る。
  3. 全面マルチ栽培とする。
  4. 窒素過多にならないような肥培管理をする。
  5. 登録のある農薬を茎葉に散布する。
  6. 株元散布の使用方法で登録のある農薬を株元に散布する。
シソさび病

シソさび病

病  原
糸状菌(担子菌類に属するかびで、シソのみを侵す。)
多発時期
5〜6月及び9〜10月(露地栽培に発生が多いが、施設では高温期を除き周年発生する。)
病  徴
葉裏に黄色〜黄橙色の隆起した小型の円形病斑を生じる。やがて表皮が破れ、黄色粉状の胞子(夏胞子)を生じる。多数の病斑が発生した葉は落葉することもある。発病は下位葉から順次上位葉へ広がる。
伝  染
風媒伝染(伝染経路に不明な点が多いが、罹病葉に生じた冬胞子によって越冬すると考えられる。)
防  除
  1. 葉裏を観察し、蔓延しないうちに登録のある農薬を散布して徹底防除する。
  2. 罹病株、特に病斑のある葉、残渣は感染源となるのでほ場内に放置しない。