最新の病害虫情報

新着情報

※【愛知県発表】は愛知県が運営する「あいち病害虫情報」の情報を掲載しております。

今月の防除のポイント(4/10更新)

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ムギ ナシ モモ ブドウ
キャベツ タマネギ トマト(施設) ナス(施設)
キュウリ(施設) イチゴ(施設)
                       
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ムギ
赤さび病 やや多い
うどんこ病
赤かび病 やや多い
ナシ
黒星病
モモ
せん孔細菌病
ブドウ
黒とう病
キャベツ
コナガ
タマネギ 白色疫病 やや多い
べと病 やや多い
トマト(施設) 疫病
灰色かび病 やや多い
葉かび病 やや多い
すすかび病 やや多い
コナジラミ類 多い
ナス(施設) うどんこ病 やや多い
灰色かび病 やや多い
すすかび病
ミナミキイロアザミウマ やや多い
キュウリ(施設) べと病 やや多い
うどんこ病 やや多い
灰色かび病 やや多い
ミナミキイロアザミウマ やや多い
イチゴ(施設) 灰色かび病 やや多い
うどんこ病
ハダニ類 やや多い

小麦


  • 赤さび病
     本病は葉に赤褐色で粉状の病斑ができ、多発すると茎葉が枯れあがり減収につながります。県の情報では、2月から3月にかけて気温12℃〜20℃かつ降雨が4日以上あると多発する可能性があるとされます。今年は3月の気温は高く降雨もやや多い予想のため、発生に注意する必要があります。
    【対策】
     本病の防除適期は、1回目は茎立ち10日後頃から止葉抽出期まで、2回目は開花期頃(出穂7〜10日後)です。発生があればイントレックスフロアブル【7】やアミスター20フロアブル【11】などを散布しましょう。播種時期が早いなど1回目の防除適期が過ぎてしまった場合は、2回目の防除適期である開花期頃に赤かび病やうどんこ病にも適用のある薬剤(ワークアップフロアブルやシルバキュアフロアブル、チルト乳剤25(いずれも【3】)など)で同時防除を行いましょう。
  • うどんこ病
     昨年は暖冬であったため2月から発生ほ場が確認され注意報も発表されましたが、今年は2月までの発生は確認されていません。しかし、今後の高温予想から発生が増加する可能性もあり、県が発表する病害虫発生予察情報に留意するとともに、防除適期を逃さないようにしてください。
    本病は過繁茂かつ葉色の濃いほ場で発生しやすく、上位葉に進展すると葉が枯れて収量や品質の低下につながります。主力品種である「きぬあかり」は、うどんこ病にやや弱いため特に注意が必要です。
    【対策】
     上位葉が発病すると被害が大きくなるので、発生があれば止葉が抽出する時期までに防除すると効果的です。この時期が過ぎた場合、赤かび病との同時防除として開花期に両病害に効果がある薬剤を散布します。開花期後に上位葉へ進展し始めた場合は、再度、薬剤を散布します。DMI系【3】のワークアップフロアブル、シルバキュアフロアブル、チルト乳剤25の効果は高く赤かび病との同時防除も可能ですが、本病が多発した場合はDMI系の連用を避けるために、トップジンM水和剤【1】など別系統の薬剤も検討してください。なお、QoI系【11】のアミスター20フロアブルやストロビーフロアブルは薬剤感受性が低下しやすく注意します。
  • 赤かび病
     近年、5月に多発するほ場が見られており、今年も越冬病菌が多く発生が多くなる可能性があります。本病の病原菌は小麦や稲わら、イネ科雑草等の植物残さで越冬し、春になると胞子が飛散し降雨で促進されるため、出穂期以降に曇雨天など湿度の高い気象条件が続くと多発しやすくなります。本病は、穂に桃色のカビを生じる直接的な被害とともに、本病原菌が産生するかび毒が一定基準値以上になると食用として販売ができなくなるため、小麦の重要病害です。
    【対策】
     本病は予防対策が重要です。防除適期は開花始期から開花期(1穂につき数花開花をしているものが全穂数の40〜50%に達した日)までの間です。麦の生育状況とともに県の発生予察情報等も参考にして、概ね出穂期の7〜10日後である開花期を予測し計画的な防除を実施しましょう。3月以降に高温傾向が続けば出穂期が早まる可能性があるので、防除適期を逃さないようにしてください。開花期後に曇天や小雨が続けば、開花期防除から10〜20日後に再度防除して本病とともに病原菌によるかび毒の産生を防止します。 防除薬剤はDMI系【3】であるワークアップフロアブル、シルバキュアフロアブル、チルト乳剤25の効果が高く、赤さび病やうどんこ病にも適用があります。ただし、連用による耐性菌の発生を防止するため、赤かび病を対象とした防除では別系統のミラビスフロアブル【7】やトップジンMゾル【1】等の組み合わせを検討してください。

ナシ


  • 黒星病
     本病は、芽基部の病斑上にできた胞子が、開花初期頃から降雨のたびに周囲に飛散して幼果に感染します。また罹病した落葉が園地に残っていると、そこから胞子が飛散して感染につながります。果実への感染は一般的に開花期頃から6月上旬頃までですが、「幸水」では、満開75〜90日後頃も感染しやすくなります。
    【対策】
     黒いすす状の病斑があるりん片芽や新梢基部、花そう基部を見つけ次第切除しましょう。前作で本病が発生した園地では、りん片脱落期頃までにデランフロアブル【M09】やオキシラン水和剤【M01+M04】などを散布しましょう。開花前から満開20日後頃までは一次感染防止のための重要な防除時期ですので、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】やミギワ20フロアブル【52】など、赤星病との同時防除ならスコア顆粒水和剤【3】やカナメフロアブル【7】、トレノックスフロアブル【M03】などを定期的に散布して病斑上の胞子形成と飛散を防ぎましょう。なお、薬剤感受性に低下を防ぐため、同一系統の薬剤を連用しないようにしましょう。開花期は3月以降の高温予想で早まる場合もあり、防除作業が遅れないよう注意してください。


モモ


  • せん孔細菌病
     病原細菌は新梢の皮部組織内で越冬し、4月頃に表皮が油浸状紫黒色に変化して広がり、のちにへこんだりひび割れができる春型枝病斑を形成し、増殖した細菌が降雨とともに周囲に飛散します。前作の被害が多かった園では越冬菌量が多くなっていると予測されます。
    【対策】
     春型枝病斑は見つけ次第切り取って伝染源を減らしましょう。また、感染が疑われる枝(発芽が悪い、芽が欠落や枯死している、展葉が遅い、葉が短い、枝が変色している)も切除しましょう。本病の病原は細菌のため治療効果のある薬剤はごく少なく、早い時期からの銅剤等による予防対策が重要です。開花期までにICボルドー412【M01】やカスミンボルドー【M01+24】、コサイド3000【M01】などをていねいに散布して枝病斑からの伝染を予防します。開花期を予測し、防除作業が遅れないよう注意しましょう。また、発生量が多かったり風の強い場所では防風ネットを展張して、風すれによる傷の発生を防いで本病が感染しにくい環境を作りましょう。毎年多発する園地では、費用は掛かりますが雨除けを設置すると効果的です。

ブドウ


  • 黒とう病
     昨年の発生が多かった園地や品種では、罹病枝や巻きひげなどで越冬している菌量が多いと思われます。越冬した菌は春に降雨が続くと胞子を形成して一次伝染源となり、雨水とともに飛散して伸長中の新梢に感染します。その後は梅雨期をピークに二次伝染を繰り返し、葉や果実にも感染します。降雨が発病を誘発するため、ハウス栽培では発生が比較的少なくなります。欧州系品種は本病に弱く、栽培が増えているシャインマスカットは特に弱いので注意してください。
    【対策】
     伝染源となる棚に残った巻きひげや罹病枝は取り除き、園外に持ち出して処分します。また、萌芽したばかりの軟らかい新梢や新葉が感染しやすく、発病部位は見つけ次第除去してください。薬剤防除は、休眠期防除としてデランフロアブル【M09】やベンレート水和剤【1】などを発芽直前までにていねいに散布します。スピードスプレーヤーでは薬剤が届かない場所がありますので、手散布で補完することも大切です。


キャベツ


  • コナガ
     2月までは平年並の発生量でしたが、今後の気温は平年よりやや高いと予想され、秋から冬に発生が見られたほ場ではこの時期に急増する可能性があります。
    【対策】
     気温が高くなると世代交代が早く増殖しやすいため、発生量が少ないうちに薬液が葉裏にも十分かかるよう防除しましょう。本虫は薬剤感受性が低下しやすく、IGR系【15】やジアミド系【28】などの一部の薬剤では低下した事例があります。感受性が比較的低下していない薬剤は、スピノエース顆粒水和剤・ディアナSC【5】、アニキ乳剤・アファーム乳剤【6】、フローバックDF・ゼンターリ顆粒水和剤【11A(BT剤)】、トルネードエースフロアブル【22A】、グレーシア乳剤・ブロフレアSC【30】、ファインセーブフロアブル【34】などですが、これらの薬剤も一部地域では感受性が低下した事例があります。薬剤の系統ごとのローテーション散布を心がけましょう。なお、昨年秋に多発したヨトウ類防除のため殺虫剤を多用したほ場では、各薬剤ごとの使用回数制限に十分注意してください。

タマネギ


  • 白色疫病
     今冬は12月から1月にかけて降雨量はごく少なかったのですが、尾張地域の早期栽培では灌水の過多が原因と思われる多発ほ場が見られました。今後の降雨はやや多いと予想され、他地域や他の作期でも発生が増加する可能性があります。 本病の病原菌は比較的低温を好み、厳冬期を除く晩秋から4月頃まで発生します。発病した株は主に葉身の中央に浸みたような不明瞭な病斑を生じ、後に白色となった病斑から折れて下垂し枯死します。雨水で伝染するため、降雨が続くと低湿な場所から発生し急速に蔓延します。
    【対策】
     ほ場の排水対策に努めるとともに、発病が疑われる株は直ちに抜き取りましょう。予防としてジマンダイセン水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】、フロンサイドSC【29】など予防効果の高い薬剤を2週間程度の間隔で散布しましょう。降雨が続いたり発生があればシグナムWDG【7+11】やリドミルゴールドMZ【M03+4】など治療効果も高い薬剤を散布し、被害の拡大を防ぎましょう。
  • べと病
     本病は前年に感染した越年罹病株が春先から発病し始め、草丈が低くなり葉が黄化して外に湾曲します。平年より気温が高いと発病が早まります。降雨の後には全身にカビが生じる場合もあります。この発病株で形成する胞子が二次伝染源となり、降雨や冠水の水によって周辺の健全株に感染して多発を招きます。
    【対策】
     白色疫病と同様に排水対策に努めるとともに、発病株は直ちに抜き取ることが重要です。また、白色疫病の項で記載した主な薬剤はべと病にも適用がありますので、この時期は定期的に同時防除を行いましょう。

施設野菜


  • 灰色かび病
     トマト、ナス、キュウリ、イチゴなど多くの施設野菜における重要な病害で、気温20℃前後かつ多湿条件下で発生しやすくなります。今作でも12月から一部の施設栽培で本病の発生が見られます。
     本病は空気伝染性であり、病斑から飛散した胞子は害虫の食害などによる傷や古い花弁が付着した部分、枯死した部分から植物体内へ侵入し、感染が急激に拡大します。3月から4月にかけては一日の気温格差が大きくなったり暖房機の運転時間が短くなり、結露など本病の発生に好適な多湿条件となりやすく注意が必要です。
    【対策】
     施設内の湿度を生育に影響しない程度に低く保つとともに、特にこの時期は朝夕の急激な温度変化を防ぐよう暖房機の運転時間や温度設定とともに換気、送風などの環境制御に留意してください。下葉の摘葉、発病果や発病葉の除去、古い花弁の摘み取りも効果的です。
     本病は急激にまん延しやすいため、発病初期までの予防散布に重点を置きましょう。本病に適用のある薬剤は各作物ともに多いのですが、本病原菌は薬剤の感受性低下が起きやすいため異なる系統の薬剤によるローテーション防除を行い、同一系統薬剤の連用や多用を避けましょう。QoI系【11】やSDHI系【7】の薬剤は治療効果が高いのですが県内で薬剤耐性菌の発生が確認されていますので、使用する場合は栽培期間中の使用回数をなるべく減らし連用は避けてください。耐性菌が発生しにくく使用回数の制限がない炭酸水素カリウム剤(カリグリーン【NC】)や微生物農薬(エコショット・ボトキラー【BM02】)を、発病初期から定期的に散布する方法もあります。なお、県農業総合試験場の情報では、本病の薬剤感受性低下は地域間より作物間で異なる傾向があり、産地で情報交換を行うと良いでしょう。

トマト


  • 葉かび病、すすかび病
     いずれも発生が増加しやすい時期であり、主に下葉の葉裏からカビを生じます。葉かび病に比べてすすかび病は葉の表面にかびが多く生じること、裏面のかびが盛り上がらないことから大まかに判別できます。また、葉かび病抵抗性品種に葉かび病に似た症状が発生したら、すすかび病が疑われます。すすかび病は葉かび病よりやや高温を好む特徴もあります。
    【対策】
     対策は灰色かび病と基本的には同様であり、急激な温度変化をなくし結露させない温度管理に心がけるとともに、施設内の送風や換気を図るなど湿度を低下させる環境制御を行いましょう。また、下葉の摘葉やマルチも過湿防止に有効です。
     両病害に適用がある主な薬剤は、ペンコゼブフロアブル【M03】、トリフミン乳剤・ラリー乳剤【3】などです。さらに灰色かび病も含めて適用がある主な薬剤は、ダコニール1000【M05】、アフェットフロアブル・パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】などですが、同一系統の薬剤に偏らないローテーション防除に努めましょう。
  • 黄化葉巻病、コナジラミ類
     黄化葉巻病は、タバココナジラミが病原ウイルス(TYLCV)を媒介して伝染します。県内では、薬剤感受性が低下したバイオタイプQが優占しています。コナジラミ類は今作も昨年秋から発生量が多く、県では昨年11月に黄化葉巻病の発生は多いと予想した注意報を発表しています。タバココナジラミは低温に弱く屋外では越冬できませんが施設内では増殖し、ウイルスを保毒したコナジラミによる黄化葉巻病の伝染も続いています。なお、県内ではタバココナジラミとオンシツコナジラミが媒介する病原ウイルス(ToCV)による黄化病の発生も見られますが、防除対策は黄化葉巻病と同様です。
    【対策】
     黄化葉巻病の病原ウイルスの伝染環を断ち切るには、屋外にトマトがなく保毒虫がいないこの時期にコナジラミ類の防除を徹底するとともに、発病株を除去することが効果的です。黄化葉巻病耐病性品種はウイルスに感染しても病徴は出にくいのですが感染源にはなりますので、耐病性品種の栽培施設でも産地内の病原ウイルスの伝染環を断つため、コナジラミ類防除は同様に実施してください。また残渣は施設周辺に放置せず適切に処分するとともに、施設周囲の防虫ネット(網目0.4mm以下が必要)は、この時期に破損がないか再点検し、本虫の施設への出入りを防ぎましょう。
     薬剤防除は、訪花昆虫への影響日数や収穫前日数にも注意しながら薬剤のローテーションを実施します。バイオタイプQ幼虫に比較的効果が高いのは、ベストガード水溶剤【4A】、トランスフォームフロアブル【4C】、ディアナSC【5】、アグリメック(ミニトマトには適用なし)・アニキ乳剤【6】、コルト顆粒水和剤【9B】、ベネビアOD【28】などです。ただし、これら薬剤を含め多くの薬剤で感受性が低下した事例があり、防除効果が低い場合は別系統の薬剤に切り替えてください。サフオイル乳剤・エコピタ液剤【未】などの気門封鎖剤は感受性低下の可能性は低く、虫体に直接かかるよう7日間隔で2〜3回程度散布すれば効果的です。なお、トマトとミニトマト(果径3cm以下)では適用薬剤やその使用方法が違いますので、必ずラベルの表示事項を確認して使用してください。

ナス(施設)


  • すすかび病
     冬期の発生量は比較的少なかったのですが、発生が続いている施設も見られます。本病は葉の裏側に白っぽいかびが密生する小班点ができ、進展するとすす色のビロード状のかびとなります。病斑は5〜10mmほどの円形で健全部との境界はやや不明瞭です。病斑上の胞子が飛散して被害が広がります。なお、トマトのすすかび病とは病原菌の種類が違います。
    【対策】
     施設内の湿度が必要以上に高くならないよう、灰色かび病に準じた環境制御が重要です。灰色かび病にも適用があり同時防除が可能な薬剤は、トリフミン水和剤【3】、パレード20フロアブル【7】、ファンタジスタ顆粒水和剤【11】、ポリオキシンAL水溶剤【19】などがあり、灰色かび病対策とともにローテーション防除を行ってください。

ナス・キュウリ


  • うどんこ病
     適温は25℃前後であり、他の病害に比べ比較的高温かつやや乾燥した環境条件で発病しやすく、発生するとまん延しやすいので初期防除を徹底します。今作では、2月には発生が見られた施設があり、やや多い予想です。
    【対策】
     発生があれば速やかに防除しましょう。ナス、キュウリに適用がある薬剤はトリフミン水和剤【3】、ケンジャフロアブル・パレード20フロアブル【7】、フルピカフロアブル【9】、プロパティフロアブル【50】、パンチョTF顆粒水和剤【U06+3】など多くありますが、本病も薬剤感受性の低下を起こしやすいため、系統ごとにローテーション防除を行いましょう。発生初期であれば、カリグリーン【NC】、ジーファイン水和剤【NC+M01】など使用回数制限がなく感受性低下が起きにくい薬剤を、概ね1週間間隔で葉裏までムラのないように散布する方法もあります。
  • ミナミキイロアザミウマ
     本虫は屋外では越冬ができませんが、施設内では発生し続けます。厳寒期の増加は緩やかですが、日射量が増して施設内の平均気温が20℃を超えると急に増加します。今後の気温はやや高い予想から、発生している施設では急増に注意してください。 本虫は葉の加害だけでなく、果実にキズを発生させて商品価値を低下させます。さらにキュウリでは黄化えそ病の病原ウイルス(MYSV)を媒介しますので、発生量が少なくても注意は必要です。
    【対策】
     施設周囲の防虫ネット(網目0.4mm程度が望ましい)が破損していないか点検を行いましょう。赤色系ネットは、従来のネットより本虫の侵入防止効果が高いとされています。また、青色粘着板や葉や果実の被害から施設内の発生量を把握し、発生があれば早めに防除しましょう。本虫は花や新芽などの隙間を好み生息していますので、ていねいに散布してください。
     ナス及びキュウリに適用のある薬剤はアファーム乳剤・アグリメック【6】、コテツフロアブル【13*】、モベントフロアブル【23】、グレーシア乳剤【30】、プレオフロアブル【UN*】など多くありますが、薬剤感受性が低下しやすいため同一系統の薬剤を連用しないよう注意してください。なお、コナジラミ類にも適用のある薬剤が多いので、両種の発生があり防除を行う場合は、各薬剤の使用回数の上限に注意しながら同時防除も考慮して薬剤を選択し、散布回数を必要最小限にしましょう。薬剤が効きにくく秋から発生が多い施設では、天敵農薬であるスワルスキーカブリダニ剤(スワルバンカーロングなど)をコナジラミ類防除と兼ねて定植後から導入する方法もありますので、次作ではご検討ください。

キュウリ


  • べと病
     発生量は平年並ですが一部の施設では発生が続いており、今後は降雨がやや多い予想から、発生量はやや多くなる予想です。本病が発生しやすい環境は気温20〜24℃かつ多湿条件であり樹勢が低下すると多発しやすくなります。病斑は葉脈に区切られた角型で、葉裏には薄いビロード上のカビが見られます。
    【対策】
     暖房機のダクト送風運転、天窓の開閉等により結露させない環境管理に努めましょう。また、適度な追肥や摘果で樹勢を維持しましょう。適用のある薬剤はペンコゼブ水和剤【M03】、ダコニール1000【M05】など予防主体の保護殺菌剤や、アリエッティC水和剤【P07+M04】、ランマンフロアブル【21】、フェスティバルCフロアブル【40+M01】、プロポーズ顆粒水和剤【40+M05】、ベジセイバー【7+M05】等の治療を兼ねた薬剤など多くありますが、多発すると病勢が止まりにくいため、まずは予防剤を主とした定期的なローテーション防除が大切です。病勢が進展するなら、発病葉を除去し4〜5日間隔の連続散布で被害の拡大を防ぎましょう。

イチゴ


  • ハダニ類
     発生がない施設が多い一方で、昨年秋から発生が続いている施設も各産地で見られます。今後の気温は平年より高くなる予想から、発生している施設では、急激に密度が高まる可能性があります。
    【対策】
     下葉かきを徹底するとともに、スポット的に発生し始めて葉に白いカスリ状の食害痕ができ株の生育がやや劣る初期段階を早期発見し、マイトコーネフロアブル【20D】、スターマイトフロアブル【25A】、ダニコングフロアブル【25B】などで被害が広がる前に防除します。ハダニ類は薬剤の感受性が低下しやすいため、同一系統の薬剤は1作で1回までの使用としましょう。ピタイチやサフオイル乳剤、エコピタ液剤などの気門封鎖剤【未】は使用回数の制限がなく薬剤感受性が低下しにくいので、5〜7日間隔で虫体に直接かかるよう葉裏にも十分に散布すると良いでしょう。ピタイチはアザミウマ類にも適用があります。ただし、気門封鎖剤の中には環境条件により薬害が発生する場合がありますので、ラベルの注意事項を確認するとともに必要に応じて数株で試行してください。
     最近ではハダニ類の天敵農薬であるミヤコカブリダニ剤(ミヤコバンカー等)やチリカブリダニ剤(チリガブリ等)を利用する施設が増加しています。毎年、発生が多い施設では、次作に向けて定植前後の防除時期や薬剤の見直しとともに、天敵農薬の導入や炭酸ガスくん蒸を利用した苗の防除などもご検討ください。

☆薬剤名に続く【 】内の数字や記号はIRACコード(殺虫剤)、FRACコード(殺菌剤)で薬剤の系統を表し、同じ数字や記号は同じ系統の薬剤です。農薬は使用する前にラベル等で登録内容、注意事項等を確認してからご使用ください。

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